カフェオレ タイム
第四期:いつもの
珈琲の苗が無事?大きく育ちました。
……すみません、失礼します。野良猫亭はこちらで、間違いなかったでしょうか。 かげつきのクランの赤坂と申します。……なんだか、賑やかですね…?
穏やかな陽光降り注ぐ海辺の町、カイムに位置する酒場は賑わっていた。
野良猫亭……。正しくはもっと他の名前だった気がするのだが、
3人…3匹の居候たちの所為で、すっかりこの名前がお馴染みになってしまっている。
酒場の中を見回して
え、うわ、どうしたんですかこのふりふり祭は?!
驚く。
そこに居たのは、クランジョブチェンジャーズのプレーンだった。 いつもと違う、レースのふんだんに使われた可愛らしいスカート姿。 ふわりと、スカートをなびかせるプレーンと……その横の、セトレット。
イラスト:まふら〜と猫 さま
プレーンさんは大変かわいらしいですけど……セトレットくんはどうしたの? それ、あんまりおとこのこの服じゃないと、思うんだけどな?!
うらやましくはないですからね? 否定しておかねば、後日まずいことになりそうな予感がした。
あっ!あかさかだ!!やっほー!!げんき!? (どうしたの?と驚かれて) あっ、このふくね プレーンからもらったんだ!!あかさかも きるー!?!? くるくる回ると かぜが ひゅんひゅんして、マキわりもできて楽しーんだよ!!
着ません。そしてマキ割りは服に関係ありません。 まじめにツッコミを入れる。
プレーンさんはいつでもどんな服でも年中
うおーって感じじゃないですか。(失礼だ!)
……変な趣味に目覚めないでくださいよ?
そうなったらプレーンさん、完全に戦犯ですからね…。
軽く頭痛を覚えて目頭を押さえる。人の趣味に口出しをするつもりはないが、最初の一歩を、自分で踏み出すのと誰かに押し出されるのとではギルティ度合いが違いすぎる。
お、おかーさん???
2人の、ふりふり姿に似合わぬ暴走っぷりに目を白黒させつつも気を取り直して。
えっと、すみません今日はコルトリエさんに用事で…
マスターさん、コルトリエさんって今ご在宅でしょうか?
さーて、長居しちまったな。あたしはそろそろ帰るぜ。
今度はじーさんの飯でも食いに来ようかな。
セト!またふりふりしようぜ!コルトとアズにもよろしくな、そんじゃーなっ!
(ふりふりを翻して元気に出て行った!)
そういや聞いたところによるとプレーンさんの飯も大層旨いそうじゃないか! はは、このジジイ飯がお眼鏡に適うは分からんがね、またいつでも来てくれ。 土産もありがとうよ。 (ぽよこの箱を軽く掲げ、見送った)
プレーンさんは、もうちょっと服に合わせてしとやかなポーズを作ってみられると、 引く手あまたな感じになりそうなんですけどね…。 まぁ、それでやってくる人より、今のプレーンさんに合った人の方が良いのでしょうけど。などと思いながら、元気に跳ねるスカート姿に手を振って見送った。
(入り口の扉が開いて、茶色い髪と耳の人物が入ってくる)
今すれ違った方どこかで…??それにしても上品でお綺麗な方でしたわ♪
(ギザ歯がたまたま見えなかったのか、まるっきり別人だと思ったようだ)
あら?あら♪ 今日はとっても沢山、お客様がいらっしゃってますのね♪
(ふりふりのお洋服の人物を見て目を輝かせ。しかしセトレットと知って三度見)
セトレットどうしたんですの!?
あっという間に見えなくなったセトレットくんに、呆然と手を振って。
気を取り直してコルトリエさんへと向き直る
いえいえ、連絡も無しにおじゃましたのはこちらですから。
セトくんの事もお気になさらず…。
そういえば結構、他の皆さんにもそんな事言われてる気がします。
クランの世話係、とか、面倒見、とか…。
困ったようではあるが、笑顔で。
えっと今日はですねー。以前珈琲の苗、育てるのを手伝っていただいたでしょ?
それがしっかり成長したので是非ご賞味いただきたいと思って。
苗も持ってきたんですよ、ほら。
玄関においてあった、以前より大きく成長した鉢植えを掲げて見せて、
大きく四角い鞄から、保温ポットに珈琲と、セリオン産牛乳を取り出した。
どうやらすぐに飲めるように家で作ってきたらしい。
落ち着いてきた店内を見回すと、カウンターに向かって
すみません、マスター、これ、持ち込みですけどここで頂いてもいいですか?
あと、カフェオレに合いそうな甘いものがあれば、適当にお願いしたいです。
まぁ!こんなに大きく立派に育ったのですね!
葉っぱもつやつやで…うふふ♪ 一目で大事に育てられていることがわかりますわ♪
(成長した鉢植えを見て嬉しそうに。葉っぱを傷めないよう優しく触ってみたりする)
(荷物を見て)
赤坂さん、こんなにたくさんのお荷物でお疲れでしょう。さぁこちらへどうぞですわ♪
(運ぶのを手伝おうとセリオン産牛乳を持ち、適当な席へ案内する)
コルトリエさん、牛乳重くないです? 助かります、ありがとうございます。 苗と珈琲と。重い荷物を意外と軽々と運んでいる。
(牛乳をテーブルに乗せ)
いえいえ♪ このくらいの重さでしたら平気ですわ♪ それよりも赤坂さんの方が…
(非力なイメージがあったせいだろうか、荷物を運ぶ様子に少し意外そうな顔を見せた)
驚いたような表情に笑顔で返す。 バランス良く持てば、思ってるより「力」はいらないんですよ。 まぁ、冒険してるうちに、荷物運びは慣れた感じですが。
バランス…そうなんですのね。うふふ、確かに冒険をしていると荷物が沢山ですものね♪
時々倉庫に入りきらないほど取ってきてしまって後悔することもあるくらいですわ。
うふふ♪ あれからどのくらい美味しくなったのでしょうか。とっても楽しみですわ♪
味のバランスとしてはコルトリエさんが飲まれた時が一番だったんですけどね…。
あの後、全体的にしっかり力強く成長したと思うのですが…。
53 46 43 52 70
苦味/酸味/コク/香り/色味
色が。何故か大変濃いものになってしまいましてね……。
普通に淹れるとすごいダークマター感が。
香りも強いので、アイスカフェオレに最適じゃないかと、個人的には思っています。
席に着いて、用意をし始める。牛乳と珈琲を混ぜあわせ、シロップをたっぷり用意して。
イラスト:かげつき
(カウンターの腋に、貰い物の籠いっぱいのマドレーヌが目に入った) わしの作った物ではないんだが、 さっきアルバさんという人が沢山置いていってくれたやつでな。 これならカフェオレに合うと思うが…どうかね?
アルバさん…、孤児院クランの、ですよね。 アノチェセルさんのお菓子作りの腕を思い出し、思わず口元が緩む。 あぁ、いいですねぇ。 場所もお借りしてしまって心苦しいので しっかりお代を払わせていただけると嬉しいのですけれど…。
カフェオレ、……苦手では無かったらマスターもご一緒にどうです?
カフェオレかい?いいねぇ。ご馳走になろうかな。 じゃあ、お代はそのカフェオレということで、どうかね? その珈琲の苗を見るからに相当 本格的な珈琲だね。旨そうだ。 (人数分のマドレーヌを袋からそれぞれ小皿に移して、フォークと一緒に並べる)
ではお言葉に甘えまして…。
マスターの前にもカップを。
本格的、と言っても、やはり気候が珈琲に向いてませんからね…。
いっそ拠点を変更したいくらいの気分です。珈琲の為に。
(カップの底に奈落を感じさせるかのような、用意前のダークマター珈琲を見て)
そう言われると、以前頂いた時よりいささか……?いえ、だいぶ真っ黒ですわ…!
でも、きっと牛乳を混ぜ合わせたら、丁度良い色になりますわよね♪
(しかし混ぜ合わさった珈琲も、黒いように見える…が気にせず笑い)
うふふ♪ 赤坂さんの珈琲をまた頂けるなんて嬉しいですわ♪
早速、頂いてもよろしかったでしょうか?
シロップもたっぷり用意してありますので、お好みで使ってくださいね。
皆の前にカップを。ひんやりとした色の濃いカフェオレが注がれる。用意を終えると、大事に苗を抱え直して。
えぇ、是非どうぞ。
カフェオレのカップとシロップをコルトリエさんの方へと寄せ。
ありがとうございますわ♪ 頂きますね♪
(カップとシロップを受け取り。シロップをまず半分入れてから飲む)
……うふふ♪ 牛乳が程よく混ざっていて、美味しいですわ♪
やっぱり見た目で判断して飲まないのは損ですわよね♪
ありがとうよ。
(カップを受け取り。シロップなしで飲む)
……うん。わしはこの味好きだなぁ。苦味があっていい。
牛乳を見るからに、赤坂さんはセリオンの方にお住まいなのかい?
珈琲の為に拠点を移動……そりゃすごい情熱だね。
珈琲に向いている気候って言ったら…マッカとかその辺か?
いや、でも雨の多い地域だとか聞いたこともあるな…どっちだったか…
これを育てるにあたり色々調べたのですが、もっとも珈琲栽培に適しているのは、平均気温20度程度の、雨季と乾季がある土地、ですね。マッカでも、高地の方…。暑すぎず涼しすぎず、という場所があればいいのですが。でも、ノイゼンの方でも栽培に挑戦している人もいらっしゃるので、何事もチャレンジ、ですかねぇ。
珈琲の事になると相変わらず饒舌気味だ。
(急に饒舌になったことに一瞬目を向いて。話に聞き入る) ほう、ほう…雪国のノイゼンでも栽培出来るとは。 向こうで野菜やなんかを育てるのは難しそうなもんだが。そりゃ凄いな。 その意気ならいつか本当にどこでも育つ旨い珈琲を完成させてしまいそうだね。 その時はまた是非、飲ませてくれよ。 (カップをくいっと上げて見せて。残りも美味しそうに飲み干した)
何処でも育つ珈琲、ですか。それは素敵ですね!
北の方の人にとってはそんな嗜好品よりもっと実用的な作物を、って
怒られちゃうかもしれませんけど。ふふ、と笑う。
そうですね、ひとつの、目標にしてみてもいいかもしれませんね。
その時には是非。味見の方お願いしますね。
……弟達もはやくコーヒーが飲めるようになってくれれば一緒に楽しめるのですけれど。
赤坂さん、よろしければ少しお聞きしたいのですが、
コーヒーが苦手な場合、どうやって克服…飲めるようになるのが良いでしょうか?
(マドレーヌをひとかけ食べて飲み込んでから、訊ねる)
苦手、ですか。色々ありますけど、とにかく良い豆を使う事ですね。不味いものに当たってそれで苦手になるのはもったいないですし。あとは…、甘いものと一緒に食べるとか、コーヒー味のお菓子なんかで珈琲の味に慣れるとか、いっぱい砂糖やミルクを入れること、ですけど…。
まぁ、苦手を急いで無理に克服する事も無いと思いますよ?
大人になって、ふと、ああ美味しいな、なんて思えた時が、克服の時、でもいいんじゃないかなって個人的には。思います。
まぁこれは、僕が苦手な食べ物多かったせいでそう思うだけかもしれません、と笑う。
(頷きながら急いでメモをとる)
なるほどですわ…!赤坂さん、ありがとうございます♪ 参考になりますわ♪
克服の時を待つ、ですか。でもセトレット達を見ていると いつになったら
大人になってくれるのか、時々不安にもなりますの…!
うふふ、意外ですわ。赤坂さん、苦手な食べ物が多かったのですか。
例えばどんな物が苦手でしたの?
コルトリエさんは良いお姉さんだなぁ…。まぁ特に…セトレット君の落ち着きの無さは、姉としては心配でしょうね。
それでも、冒険ではふたりともすごく頼りにさせてもらってますよ? 冒険者としては、一人前、ですよねぇ。
弟達を心配する姿は年下の大切なものを見守るそれで。
その暖かさに、思わずこちらも目を細めてしまう。
に、苦手な食べ物、ですか…。恥ずかしい話ですが、子供の頃は本当に色々。
実は初めて飲んだ時には、珈琲も、苦くて飲めたものじゃなかったですし。
ぴ、ピーマンとか…。なすとか人参とか、肉も全般苦手でしたし、
魚も…頭が付いてるとちょっと、とか。……ワガママだったんですよ。
非常にバツが悪そうに、出されたマドレーヌをかじりながら
コルトリエさんは、食べ物の好き嫌いとか無さそうな感じしますけど…。
何か苦手なのあります? などと自分からターゲットをそらそうとしてみたり。
いえそんな…!(良いお姉さんと言われ、照れる)
まだまだ未熟な弟達ですのに そう言って頂けてありがたいですわ。
色々とご迷惑をお掛けするかもしれませんが…
これからもどうぞよろしくお願いいたしますわね。
(カップを手にしたまま、頭を下げて)
(ピーマンが苦手だった、と聞き一瞬 弟を見るような表情に)
魚の頭が苦手な方は多いですわよね。なので、気にする事はありませんわ♪
実はアズヴィスも煮干しの頭は苦いと言って残すんですのよ。
仕方がないのでマスターさんが だしを取るのに使っていらっしゃるのですけれど。
わたくし、ですか?そうですね…確かに好き嫌いは少ない方ですわ♪
一時期、玉ねぎを苦手にしていた時はありましたけれど。
あとは…外に落ちているパンくず などは あまり……
いいですねぇ、何でも食べられると、食事の幅が広がりますし。
外に落ちているパンくずをひろい食いするコルトリエさん(人型)を想像して、それはあかん。と思いつつ。
こちらこそ、まだまだ未熟な身ですから、よろしくお願いします。
頭を下げると珈琲の苗に顔をうずめるような形に。
さて、突然お邪魔して、失礼いたしました。<
可愛いお嬢さんともご一緒出来て、素敵な時間を過ごさせていただきました。
コルトリエさんに礼をすると、広げたものを簡単に片付けて、席を立つ。
マスターも、有難うございます。また今度ゆっくりお邪魔させていただきますね。
ここは珈琲なんかも出されるのですか?
最近お酒も、コーヒーリキュールから初めてみているのですが
色んなお酒の美味しい飲み方も、是非教えていただきたいものです。
ではでは、と、来た時と同じ大荷物を抱えて。
か、可愛いお嬢さんだなんて…!
うふふ♪ 照れてしまいますわ♪
こちらこそ、今日は美味しいコーヒーをご馳走して下さって
どうもありがとうございましたわ♪
わたくしもマスターさんと一緒に新しいコーヒーの味見を楽しみにしてますわね♪
お荷物も多いですので、帰り道もどうかお気をつけて。
また冒険でよろしくお願いします♪
こちらこそ、ありがとうよ。ああ、またいつでもおいで!
珈琲か。輸入した豆があるにはあるんだが、酒場なもんで
あんまり注文してくれる客がいなくてね。今出しても味が落ちてるかもしれん…
今日飲ませて貰った味を参考に わしも真面目に探してみようかね…
コーヒーリキュールか。それは確か甘めのトッピングが色々楽しめる酒だね!
ああ、フルーツ系の酒を主に扱ってるんだ。
興味があれば今度軽くて飲みやすい物を紹介しよう。
では、な。