巡りについて
第三期:巡る、めぐる

第三期がはじまりました。

ぐるりと、世界が歪むような気がした。
これを味わうのは、二度目だ。嫌な予感がして建物を出た。
調べる必要も無かった。『また』時間が巻き戻ったのだ。
世界の危機、……この世界を喰らい尽くすと言われる【天命喰らい】の襲来。
以前の巡り、冒険者たちは必至で天命喰らいの分体を倒し、……刻碑歴666年。たしかに奴を退け……無事667年を迎えた筈だったのだが。
現在は664年。時間が巻き戻った事により、奴は未だこの世界にやってくる、その最中であるという。
再び、奴との戦いが始まる。

テルプさん、クラン員との語らいも無しに速攻でアノチェさんに会いに行かれましたけど。
また「繰り返し」、ですか。…気持ち悪い。

……記憶の残り方も、人それぞれ様々な様であるから、会話はある程度慎重にせねばなるまいな。 とはいえ。冒険者を名乗る者達はある程度、【巡り】を認識出来る者が多いようだが。

……天命喰らい、へ、のトドメが、決定的では無かったのでしょうか。
──いえ、ね。この【巡り】という現象…その理由です。
僕は、天命喰らいの存在を聞かされてから、
この現象は、世界の滅びを避けるため、であると考えていたんですよ。
何度も繰り返して、冒険者…我々が知識と技と力を磨き、奴への対抗手段を見つけるための、
その為に繰り返す、無限の時間であるのかと。
……そんな流れに取り込まれたら、僕らとしてはたまったものじゃ無いですけども。
けど、今回…というか、もう「前回の巡り」になるんですかね。天命喰らいを退けることは、上手くいった。……様に見えた。
この時間のループも終わるんだと、そう確信してたんですよ。僕は。
だから。本当は僕らの知らない場所で、うまくいってなかったのかと。もっと完全に、確実に奴を倒す、必要があったんじゃないだろうかって、僕はそう推察してるんですよ。
(大きくため息を付く)
──嫌になる。

……目的があるのならば、良いではないか。 世界に必要とされているという事だ。

別に、必要とされたいなんて。思いませんけど。

ならば何故君は此処に存在しようとするのか。
世界に不要と宣言されて、なお、此処にしがみつく理由はあるまい。
……そうだな。もしそんな風に、君が確信を持てたなら。
君がこの世界に不要であると確信した時は。其の時は。
己(おれ)の国に来い。己(おれ)の世界は君が、君の力が必要だ。

そんなにおれの国おれの国って言うならさっさと帰ってください。

……なかなか辛辣だよな。君は。

天野さんだって。なかなか。……容赦無いと思いますけど、ね。

いっぽうそのころ!

アノチェ、アノチェ……!
(期の廻りに気が付いて一番にばたばたとやってきたらしい。入り口で様子を伺うこともなく慌てて中へと駆け込むと、きょろきょろと目的の彼女を探して)
アノチェ、大丈夫? 俺の事分かる?

あっ…!テルプ!
(その姿をみるなり駆け出して手をぎゅっと握る)
う、うん!大丈夫!
(その手には指輪が嵌められていて…愛おしそうに見詰めると)
…わ、わかるよ…。
大事なひとだもの。
(自分で言ってて恥ずかしくなったのか、少し顔を赤らめて笑う)
テルプもよかった…。
覚えててくれて。

俺だって、……わすれ、ないよ…。 ノチェ…。 (ホッとしたような顔で、人目も気にせずに……人目を気にしないのはいつもの事だがぎゅっと抱きしめて)

うん…。へへ、嬉しい。
(ぎゅっと抱き締められて微笑む)

(抱きしめた……その胸のふたつのふくらみのおおきさに)
……ノチェ、なんか、ちっちゃい?
──いや、ちが、違うくて! 身長! 身長が、ね?
身長が! (三回言った)

…し、身長は前からあんまり変わってないもん…。
(ちょっとだけむすっとする)
…せ、折角大きくなったのに…。

いや、まぁ。
成長を見守るのも、またひとつの喜びというか。
(取り繕おうとして、おっさんみたいな本音が漏れている)
……でも、ちょっと待って。時間が戻ったって事は、今、15歳、なんだっけ。
(それは流石に…とかひとしきりぶつぶつ言った後、 ぱっと顔を上げると)
ま、とりあえず、再会の喜びを!
アルバも、ねーさんも元気なのかな?
(機嫌良く歌いながら、みんなの待つ奥の方へと。
孤児院にて、楽しいひとときをすごしたようだ)

クラン玄関には、期の巡りを機に様々な人が訪れる。

失礼する。
世界がまたしても”巡り”を迎えたということで、挨拶にきた。
冒険者の中には、これを機に体調を崩したり記憶を失ったりする者達が居るようだが…テルプ達は大丈夫だろうか?
我が「ウォールライフ」は、俺を初め皆さほど影響は受けていないようだ。
強いて変化があったと言えば…俺が最近、服を新調した、程度だろうか。
まあ、身なりが変わったところで、壁タンクとしての役割は変わらんがな。
また機会があれば、ダンジョン探索の折にでもテルプの歌を聞かせてもらえるとありがたい。
今後とも、よろしく頼む。

わっ 何だすげーー! かっけーーー! イメチェンかっけー!
(騒ぎながら周囲をくるくると回っている)
今までの荒々しい雰囲気も凄みがあってかっこよかったけど、
今はこう、その炎の様な昂ぶりが凝縮されて、重みを増した風に、俺っちは感じるな!
にーさん見てるとこう、インスピレーション刺激されるんだよねぇ♪
また違ったメロディが生まれそうだよ。
おっと、挨拶忘れてた。いらっしゃい♪
こっちはまぁ、見ての通り相変わらずだよー。また是非、よろしくね♪
俺っちの歌聞きたいなら、いつでもどーぞ。飽きるくらい、聴かせたげるよ?
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お邪魔します。いつもお世話になってますのに、
こちらにはフェリクスさんしかお伺いしてませんでしたね…。
近頃少し慌ただしかったですし、改めて挨拶をと思いまして。
お土産にお菓子を持って来ましたので、どうぞ皆さんで食べて下さいね。
(焼き菓子を詰めたかごを差し出して)
…そうです、テルプさんにはあの人のことで無礼を働いてしまったので、
そちらも謝らなければ。あの時はすみません、動転していまして…。
でもわたし、今でも答えは変わりませんよ、うふふ。
アノチェセルさんとどうか仲良くね。それでは。

ん、薬師のねーさんか。いらっしゃーい♪
──ねーさんは、何ていうか、見る度に綺麗になるね。いや、可愛らしく? …失礼かな?
まぁね、「人生の中で一番幸せな時」を、過ごしてるんだからね。
どんどんいい表情になってくのは、仕方ないよねぇ。
(彼女の言葉をそのまま使って。ニシシと笑いながら)
無礼、…だったっけなぁ? すっげーのろけられたのは覚えてる。
(かごを受け取ると早速中身をガサゴソと覗きながら)
ありがとー♪ わ、おいしそう。みんなでいただくね!
ねーさんたちの方も、仲良く、ね♪
──なんてこと言わなくても。ねーさんはあのにーさんの手を離すことは無いのだろうけど。
(後ろ姿を、にこにこと手を振って見送った)
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かげつきのクランのみなさま、こんにちわ
天野さん、林檎の差入れありがとうね。
少し食欲がなかったからすりおろして、
蜂蜜を少し混ぜてヨーグルトと一緒に頂いたの
ちょっとまだ調子が戻らないけど、挨拶返しはちょっとずつでも、って
えとえと‥
今後ともよろしくお願いしますっ
ぺこり

おお、零殿。よく来てくれたな。
笑顔が見られるととても嬉しい。有難うな。
冒険だけでなく、何か困ったことがあれば遠慮無く、いつでも言ってくれ給えよ。
…己(おれ)は力仕事くらいしか役に立てぬかもしれぬがな。
林檎は…今日は持って帰るのは重いか。また近くに寄った時にでも届けておこう。
なぁに、多過ぎたら友人殿にでも分けて差し上げてくれ給え。
此方こそ、宜しく頼む。
(後日、零さんのクランにはたくさんの林檎が届けられたそうな)
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こ、こんにちはー。
(玄関口からひょこっと顔を出す)
え?あ、テルプにもちろん用もあるんだけど…。ふ、二人にも用があって。
え、えっと、い、いつも赤坂さん、と天野さんには、え、えと…い、いろんな意味で、め、迷惑というか…お、お世話になってて…。
(何をとは言えず)
え、えと、それでね、お世話になってるお礼に、今日はこれを持ってきたんだ。
(と、重箱に入ったおはぎを渡し)
わ、私、今ちょっとね、イズルミの料理教わってるの。
た、確か天野さん、こういうの好きだった気がしたんだけど…。
よ、よかったら皆で食べて…!

おお、あのちぇせる殿。よく来てくれたな。さ、上がっていくがいいぞ。
(広間に案内して、何か飲み物を準備しようとしている)
おはぎか! …久し振りだな。彼岸の日に婆さまが作ってくれた。
……彼岸、彼岸というのは…んー、墓参りに行く日、であるかな。
ああ、本当に、何年ぶりであろうな。うむ、嬉しいぞ。有難う。
あのちぇせる殿も、一緒に、どうだ?(とてもご機嫌で重箱を受け取って)
イズレーンの料理は良いぞ。油が少なめで健康に良い。

(渡すだけで帰ろうとしていたのだが、案内されて申し訳なさそうに中に入る。天野が嬉しそうに重箱を受け取る様子に顔を綻ばせた)
よ、よかったぁ…!
あ、天野さんのところではお墓に行く時に食べ物持って行くんだね。
うん、私もイズレーンの料理は好きだよ。
い、今まで調味料がなかったし、つ、作り方も知らなかったんだ。
で、でも今は教わってるからいっぱい作れるよ!ま、また持って行くね!

(早速もりもり食ってる)
こんなに上手く作れるのに、まだ教わるか。あのちぇせる殿は修行熱心であらせられる。
素晴らしい。己(おれ)も見習わねばならぬ。

うん、み、みんなが喜んでくれるの嬉しいから。
こ、孤児院に来る子はみんな最初やせっぽっちだったりしてね、お、美味しいものでおなかいっぱいにしてあげたいんだ。
わ、私達もそう育ったから。
へへ、ありがとう…!

……おはぎ。ですか。ありがとうございます。
あんこに珈琲って合うんですよね。(いそいそと何か用意してる)
──まぁ、仲がいいのはいい事、ですよ。仲悪いよりは、ずっと。
も少し、テルプさんも将来の事とかまじめに考えてくれるともっといいんですけど。
僕としても、うちのクラン員が幸せそうなのは、まぁ。有り難いですし。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

へえ…!珈琲に合うんだ…?
ちょ、ちょっと試してみようかな…。
(と珈琲をチョイスしようとしている)
あ、赤坂さんが、こう、なんていうのかな…天野さんやテルプを違う方でまとめてる気がするの。
えへへ、心配してくれてありがとう。こ、これからもよろしくね!
(と、微笑んだ)

ちゃんとまじめに考えてるってー。
結婚してー、子供いっぱい産んでー、その他はまぁ、色々、追々、適当に。ね?
(かんがえてない!)
アノチェは、何飲む?

こ、こど…?!
う、産む…。いっぱい…。
(顔が赤くなってしまった)
て、テルプ、その言い方だとテルプが産むみたいだよ…。
(苦し紛れにそう呟く)
こ、珈琲…おねがい…します…。

あ、そっか。じゃ、あれか。
こどもいっぱいつくる!

(はずかしがってるあのちぇかわいい……)
(くぅ、という表情で悶えている。わざとだ!)

……………。(テルプの言動に眉間を抑えつつ)
…どうぞ、アノチェセルさん。珈琲です。
ブラックがオススメですけど苦手でしたら、砂糖か…あんこ入れちゃってもいいですよ。
うちのクラン…実際もう少し、まとまるといいとは思うんですけどね。天野さんワンマンだし。
でも僕がまとめる、とか、……勘弁してください。ガラじゃない。

あ、ありがとう…(赤くなりながらも赤坂の手から珈琲を受け取り)
だ、大丈夫、無糖でも飲めるよ…!
う、うんとね、リーダーみたいなタイプじゃなくても、窘める人って、大事だって思うんだ。
わ、私は、歯車みたいに、上手く噛み合ってるって、思うよ?
…あ、美味しい…!珈琲って凄く美味しいね!

まぁ、この2人だけだと、……ツッコミ不在っていうか、話があらぬ方向へ転がっていきそうですよね。
(少し、笑う。困ったような苦味の混じったものではあるが。)
珈琲、おいしいでしょう?
正直なところ、ここセリオンは水がいいし気候もいい。
ゆったりと珈琲を楽しむのに適した場所だと言えると思います。
もちろんアティルトの方は大きい街だから豆の種類も多いしフレーバーも様々ですし
そちらではそちらの楽しみ方があるとは思うのですが、やはり水は大事、です。
(何かまた長い話が始まってしまった、その横で天野は幸せそうにもぐもぐしている)

(つらつらと流れるような薀蓄をひとつひとつ頷いて聞いている)
す、すごい…!赤坂さん本当に珈琲好きなんだね!
そ、そうだよね、セリオン、牛乳も美味しいから、珈琲に適してるのかも…。
あんこと珈琲が合うのも知ったし、へへ、いい発見もらえちゃった!

ああ、こちらこそご馳走様、であるよ。有難う。 てるぷ殿、送って行くのならこれも持って行ってくれ給え。 (また林檎。籠にいくつか入っているものをテルプに手渡して)

イラスト:かげつき

(天野から受け取った林檎を持って、当然のようにアノチェと一緒に扉を出る。少し幼い顔つきをしげしげと眺め、時間が戻った事を実感する)
なんかさ、出会った頃のアノチェって感じで、新鮮だな。
(天野と赤坂に見送られながら歩き出すと、そのまま他愛無い話などしながら、送っていくだろう)