白狼退治の依頼

第三期:ГЕРОИ

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エーテル教を調べている記者を探す赤坂の目に飛び込んできた依頼書とは。

赤坂 天矢 1btg

お邪魔します…。どうも、こんにちは、お久しぶりです。 クランのロビーを見渡して。 以前も賑やかだったけれど、随分バタバタしているかな? などと思いつつ、 また依頼書の増えた掲示板に目をやって。

クラン「ゲロイ」のロビーには、相変わらずたくさんの依頼が舞い込んでいて。 その中でも、最近張り出されたばかりの依頼書に、いやがおうにも目が引き寄せられた。

1cmb

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*以下の依頼が受注可能
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・ヘルハウンド討伐作戦 
『CLEAR』
・グレムリン生態調査 『CLEAR』
・ククル教徒募集 進捗 (14/50)
・エーテル教ボランティア(0/40)
・西方教会・黎明派内情調査(0/30)

・白狼退治(0/30)
・エーテル教演説の護衛(0/30)
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 白狼退治

ドクン、と、動機が激しくなる。
嫌な、予感。

赤坂 天矢 1btg

は、白狼って。まさか。

…慌てたような様子で周りをキョロキョロと。 す、すみません、チェイネルさん……チェイネルさんって、今お手すきでしたでしょうか。

チェイネル 1cmb

赤坂の呼びかけに反応したマスターが、チェイネルを呼ぶ。 あっ、は、はーい!お久しぶりです! 依頼書を抱えたまま赤坂の前に姿を現す。彼の予想通り、ロビーは以前よりせわしなく動いているようだ。 先程声をかけていたマスターも、いつの間にか違う冒険者の対応に追われている。

赤坂 天矢 1btg

あ、あの、依頼、なんですけど。白狼討伐って…。 その、大丈夫なんですか? 勘違いならいいんですけど…。 白い狼と聞いて思い浮かぶのは彼女のとても親密な人物で。 小声で伺いつつ、依頼のチラシなどを繰りながら。

チェイネル 1cmb

白狼の単語を聞くと、わかりやすく跳ねた髪が垂れる。辺りを軽く見回した後、小声で赤坂に語りかけた。
(え・・・っと。私もそう思って、なるべく他の依頼を薦めてもらうように マスターにはお願いしたいところではあるんだけど。事情を知っているのは一部だし、この町の人は純粋な人間以外に拒絶反応示すところが多くて…まだ)

通り過ぎる冒険者達の足音に気付いて顔を上げると、軽く首を振る。 これ以上の詳細は、ここで語ることができないといった表情だ。

赤坂 天矢 1btg

表情を曇らせて。 ……白狼、に関しては…。まだよく分からない感じなんですか…?

チェイネル 1cmb

寄せられた情報を見る限りは、その・・・限りなく

赤坂 天矢 1btg

限りなく……。彼である可能性が、高いと。 …………。そう、ですか。 心配だな、と、口の中で呟く。

「純粋な人間以外に拒絶反応」……か。 見知らぬものへの恐怖というのは、一気に燃え上がることを僕は知っている。 出来ることならこの依頼は、進めてもらいたくないな……。 何となく依頼書の上に他のチラシを被せるように、してみたりして。


他にも新しい依頼が、出てますね。
手に取ったチラシの一番上に見えた文字は ”エーテル教演説の護衛”
……護衛が必要な、エーテル教の人間か。

演説って、……誰の、どういった内容なのです?

チェイネル 1cmb

演説なら、そこの…今誰かとお話している大きな杖を持った人。 エーテル教の司祭様、なんだけどね、あの人が演説するよ。 内容は多分、精霊の教えが関係するんだとは思うけど… 最近のボランティア活動内容にも触れるかもしれないね。 少年のような、少女のような冒険者が談笑しているテーブルを指差す。 司祭、と呼ばれているものの、身に纏っている衣装はどちらかといえばシスターのそれに近い。

赤坂 天矢 1btg

──演説をするという司祭、と示された人物を見てみると、丁度、可愛らしい獣人の耳を持つ子と話をしている最中だった。 そのこどもの、その表情と、ぴこんと動く耳を見て、 あぁこの司祭という人はきっととても善良な人なのだろうな、と、感じた。

ボランティア、ですか。 チェイネルさんはこちらの依頼をがんばってらっしゃるんですか? ……もしよろしければ、ご一緒させていただいて…。 声を落として。 (白狼討伐に関するお話でご存知の事、聞かせていただけませんか?どうして討伐依頼が来ているのか、とか、そういう事…)

【エーテル教ボランティア受注+チェイネルさんに同行依頼】 

チェイネル 1cmb

赤坂が司祭に目を向けている間に、必要な資料や依頼書を束ね、トントンと端をそろえていく。
ボランティア、手伝ってくれるの?それはよろこんで!…その 依頼書を数枚捲り、白狼の情報と思しきページをさしながら こっちのことは、お仕事をしながらでしたら。 …持っている情報は、そこまで多くないんだけど、いい、かな?
■赤坂に同行:

ボランティアを手伝ったことで、大半の捨てられたペットは新しい里親の元へ引き取られていった。 唯一残った大きな黒い犬は、「大き過ぎて誰も飼わなかったが、当てがある」 と言っていたので、安心していいだろう。

赤坂 天矢 1btg

お疲れ様でした…。
慣れないボランティアなどをしたせいか、精神的にどっと疲れて。

赤坂 天矢 1btg

ビリーさんの方は、しばらく今住んでいる小屋にも戻っていないようだ。 不安が募る。何かが、確実に動き出しているような。

音もなく忍び寄るその予感に、しかし成す術もなく。 冒険者として、自クランへの依頼をこなしながら、空いた時間でまたГЕРОИのロビーを訪れる。

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赤坂 天矢 1btg

少し時間が出来たようなので立ち寄ったが、そういえば、とロビーをきょろきょろ。 受付のカウンターに歩み寄ると、問いかける。 すみません、あの、キタナフさんっていらっしゃいますか? 新聞記者の方、らしいのですが。

キタナフ1cmb

ギルドマスターが赤坂の後ろを指差す。 丁度その新聞記者らしきものが、カウンターにやってくるところだった。
おうボーズ、新聞記者ってのぁ俺だが、どうかしたのかい?タレコミなら高く買うぜ

イラスト:かげつき

赤坂 天矢 1btg

た、タレコミみたいなのは無いんですけど。 あ、どうも、僕は赤坂と申しまして、冒険者などやっておりまして。 ぺこぺこと何度も頭を下げる

あの、ですね。キタナフさんは…エーテル教に関して色々調べてらっしゃるのでしょうか。 と言いますのも、図書館で見かけたエーテル教に関しての本、その付箋にですね、 貴方のものに似た筆跡を見かけまして。

えっと、個人的に僕もエーテル教に関して調べ物をしてまして 声を落とすように そこに書いてあった文字…「贄」という言葉が何を意味するのかを。知りたくて。

キタナフ 1cmb

少年のおどおどした表情に肩眉を吊り上げる。 あ〜?はァ、冒険者ね冒険者。赤坂少年。おうおう・・・俺の取材メモ、 どっかに落としたのかと思ってヒヤヒヤしちまったじゃねーか。 筆跡たあ随分目ざとい。確かに俺ァあの宗教を調べまわってるぜ。

暫く赤坂の話を黙って聞きながら、小さな瞳を別のテーブルへと移す。 ”贄”なァ…あの司祭サマ、色んなネタで揺さぶりをかけてみるんだが 『そんな非人道的なこと、やっていませんよ』の一点張りでよ。 お手上げだねぇ…記者ッつー立場が駄目なのか。

赤坂 天矢 1btg

ぼ、僕、エーテル教の方に知り合いとかも居るので……
……ど、どうでしょう、 この先、僕が新たな情報を見つけた時 その情報をあなたに差し上げると、約束する事を条件に。 あなたの持ってるエーテル教に関する情報を…教えていただけませんか?

キタナフ 1cmb

にたりと歯をむき出して笑う。赤坂の提案に興味を示したようだ。 赤坂が一度でも瞬きをすれば、この男は顔を一気に近づけて圧力をかけてくるだろう。 よぉ、そいつはいい取引だな?だが今から話すネタを 他にバラすんじゃねーぞ。ソレが追加条件だ。

赤坂天矢 1btg

眼前に、男の顔が迫って、思わず身を引きそうに。 煮ても焼いても食え無さそうな男の笑いに飲まれそうになるが、何とか、耐えて。

「他に…バラさない」 その言葉を反復する。つまり、それを知る人が非常に少ないであろう情報と言う事だ。 ……いざとなったら周りに助けを求めよう、なんて甘いことを考えていたんだけど。

……約束、します。
ひとりで何処まで辿り着けるんだろうな…。などと絶望的な気持ちになりつつ。 それでも何かの手がかりになるのなら。 じっとその目を見返して、言葉を待つ。

キタナフ 1cmb

返答に満足したのか、掠れた笑い声が隙間からこぼれる。 肺にたまったタバコの煙は、息に乗って赤坂の顔にまとわりついた。

キタナフは声を落とすと、ゆっくりと口を開く。
…よぉ、あの司祭、身寄りがいないんだとよ、もう随分昔から。 このご時勢だ、魔物にやられて親を亡くすなんてざらかもしんねぇ。 でな?エーテル教を調べまわっている最中、司祭の故郷に行き着いたんだ。 なんでもやつらの信仰する精霊とやらの力…そいつを借りて魔法とする、 ”精霊遣い”を養成する学校があったんだと。

だがフタをあけてみりゃあびっくり。 その町には人っ子一人住んじゃあいなかった。文字通りゴーストタウンさ! へへっ…おかしいとおもわねぇか? 他を当たっても”精霊使い”を名乗るモンなんてでてきゃあしねぇ。 しかしあの司祭は、今でもそりゃあたいそうな魔法をつかえるそうだ。
おかしいもんだなぁ…血生臭い何かを感じるなぁ・・・赤坂少年はどう判断するかねぇ。

赤坂 天矢 1btg

──本で調べた内容を、思い出す。 祈り子の中でも、精霊から力を借りて魔法を行使できる者を精霊遣い、と呼ぶと、 そう記述がありましたね。

……以前ビリーさんから聞いた話によると。 信仰の力=精霊の力が弱まっているという事だった。

精霊を守る「墓守」が力を失い眠りについて…、 ビリーさんがその代わりを努めなければならぬほどに、 精霊たちの力は弱まっている筈、なのだ。 司祭さまはそんな中でも、衰えぬ魔法の力を行使できる、というワケで。

……何か、あると、勘ぐってしまうのは確かですけど。

キタナフ 1cmb

あぁ。魔法にゃ詳しくないが、何事にも対価、てモンは必要らしいからな。 あの司祭がそれをどこからもってきているのか想像すりゃあ、なァ?  

赤坂 天矢 1btg

確かに、多くの場合魔法には対価が必要。 だけど……そんな非人道的な事をする人には見えないのだ。 あくまで印象でしかないんだけど、と、先日見かけた司祭様の表情を思い出す。
……ゴーストタウン、といえば。僕のクラン員の故郷も、そんな感じでして。 明確に考えを述べたくなくて、違う話題を出してみる。

突然誰もいなくなってしまったその村も、 最初は「悪魔の儀式だ」とか「村人が生け贄にされた」だとか ウワサされていたんですよね。 結局、みんな事故で死んでしまった事が、判明したんですけど。 テルプさんの故郷と、彼の手紙を思い出して。 遠くから、見えている物だけでは、ほんとうの真実は分からないのだと、あの時思ったのだ。

なので、司祭さまの村についても…。 何かを判断するには、まだ情報が足りない、という所ですね。

キタナフ 1cmb

へへッ、なんだぁ?赤坂少年、そっちにもいいネタが転がってそうじゃねぇか。 このヤマが片付いたら調べてみたいモンだ

赤坂 天矢 1btg

いいネタ、──ですか…。
少しむっとして。

面白いと思いますよ。滅んでしまった村、とか。こういうのは、喜ばれるでしょう。 アカの他人の不幸ですから。面白おかしく暴き立てれば。 ……その言葉を飲み込んだのは我ながらよく我慢したと思うのだが、 表情には出てしまっていたかもしれない。

赤坂 天矢 1btg

すぐに気を取り直す。 ──キタナフさんが怪しまれている風ならば、僕が司祭さまと話をしてみますよ?  …とはいっても、そんなストレートに聞けるわけないですから、 あまり新しい情報は期待しないでくださいね?  恐らく彼女は精霊に、一番近い場所に居る人だ。色々話が聴けるかもしれない。

キタナフ 1cmb

煙草を咥えなおし フン?お前さんなら俺よりは何かつかめそうだ。司祭がボロを出すかわからんが、 ・・・赤坂少年が怪しまれようが俺にぁ損はないし・・・ そうだなぁ、ひとつ、つついてくれよ。

赤坂 天矢 1btg

あ、そうだ、もう一つ。 ルーン派とクーダ派の対立、という内容の付箋も残っていたのですが、あれも貴方の文字ですよね。 ……何か目に見える対立が、あったのですか?

キタナフ 1cmb

ようやく赤坂から距離を置くと、「タダで随分とネタを要求するんだなぁ」、と目を閉じた。 新しい情報が手に入る可能性がある、とはいえ、自分が提供した情報の大きさに少し後悔しているらしい

その町の文献に残ってたのさ。・・・ま、こっちのククル教でも小さないざこざは沢山ある、 それと似たようなモンなのかもしんねぇなあ。大したものは書いてなかったぜ

赤坂 天矢 1btg

──キタナフさん、ククル教の方なんですか?  こう言っては何ですが、あまり神様とか信じないタイプの人であるイメージでした。 ストレートにやや失礼なことをいいつつ。

キタナフ 1cmb

はっははは!!!タダの根暗かと思ったが案外刺してくるんだなぁ。 これでも俺ぁ信心深いんだぜ?  だーからこんな怪しげな宗教は許せないのさ。しかも贄となりゃ尚更。

赤坂 天矢 1btg

なるほど……。


色々、お話聞かせていただいて、有難うございます。 ……エーテル教の情報は残念ながらまだ持って無いんですが。 西方教会の方で「面白い」記事になりそうなお話なら、ご提供できますよ。 そちらの情報と、等価、かは分かりませんが、少なくとも対価として。

赤坂の話によると、西方教会がエイワス西のとある島に街を作っているらしい。 その島には高い壁が作られていて、まるでバリケードでのようであると。

赤坂 天矢 1btg

実は。
……どうやらこの計画に、天野さんが関わっているらしいのだ。 天野さんのもとに来るセフィドからの手紙。王家の紋章が記された便箋。 テーブルに読みかけて置いてあったものに、目を通した事がある。

その街は、天命喰らいと呼ばれる世界の危機に対抗するために作られている。 しかも、それを提言したのは他でもない天野さん自身、らしいという事で……。

何故そんな計画を推し進めているのか、彼の考えている事は僕には分からないのだけれど。

赤坂 天矢 1btg

情報として、利用させてもらっちゃおう。 僕らに何の相談もなく、そんな計画進める天野さんが悪いんだ。なんて言い訳しつつ。

…この先来る災禍を避けるために、要人たちの避難所を作っているのではないか、 というのは僕の憶測ですが。 ──一般人を残して自分たちだけの安全な街を作っている、なんて、 なかなかセンセーショナルであると、そう思いませんか? わざと重要そうに、顔を寄せていたが、タバコの臭いが気になる。 話し終えて顔を上げると、こっそりと深呼吸を。

でも西方教会の悪事って、なかなか紙面に出てこないですよね。 やっぱ目をつけられると、色々まずいんですかね…。

キタナフ 1cmb

なかなか市民が大騒ぎしてくれそうなネタをありがとうよ、赤坂少年。 まずは現場に行って・・・そうだなァ、その有様じゃあ カメラマンも連れて行ったほうがよさそうだ。
手帳のページを捲って、赤坂の言葉を書き留めていく

赤坂 天矢 1btg

──では、長々とお邪魔しました。……何か、あれば、また。 後の言葉は、わざと声を落としたりしてみせて。

キタナフ 1cmb

西方教会もいつか暴いてやらぁ・・・またな赤坂少年

複雑に糸が絡んで、全貌は見えないままで。

…… 転がりだしてしまったら、一体僕に、何が出来るだろうか?