砂漠の見える町

第三期:彼の落としてきた記憶の欠片

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アルバと赤坂は街の露天を巡る。一方フェリクスは、郵便屋の話を聞いて…

安い宿で一泊して、早朝に乗合馬車へと乗り込んだ一行。 この辺りの街道沿いは山賊なども少ないそうで、馬車は快適に走ったが、 それでも目的の街につく頃には、昼をとっくに回っていた

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赤い印の街は、砂色の四角い建物が並んでいて、砂漠が近い事を感じさせた。 先日まで居た街よりひとまわり大きいようだ。街道沿いというだけあって、活気がある。

特に、街の 中央の広場 には、所狭しと露天が並び、 色とりどりの布で出来た屋根や看板代わりの幕、 そしてカラフルな光を放つランプ、アクセサリーなど 世界中の色彩を集めたかの様な賑やかさだ。

人でごった返す広場を抜けると、少し落ち着いた雰囲気の 中央通り に出る。 きちんと区画分けされ整備されたそこは役所関係の建物が並び、郵便局 …手紙や荷物を配達してくれる施設の受付窓口もそこにあった。

ちなみに冒険者ギルド窓口は、中央通りから1区画隔てた西側に位置している。 ワケあり者や、怪しげな風体、異世界の住人、など 中央の「お役所通り」には似つかわしくないメンバーも多い所為だろうか。 上流階級向けではない所謂 酒場 などはこちらの区画に多く集まっているようだ。

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イラスト:かげつき

赤坂 天矢 1btg

さて、街の地図ももらってきました。 上品なもの食べるなら中央通り、 現地の下町料理を安く食べるなら西区画、という事ですね。

……冗談ですよ。
えっと、郵便屋さんと、トト族、でしたっけね。 郵便局なら中央通りにありますが、……仕事中お邪魔しても大丈夫かな。
酒場に行くにしても、ビミョウに早い時間なんですよねぇ。 ギルドに挨拶でもしときます? …露天で買い物でもします? (男子3人露天デート☆)

アルバ 18k0

おー!ありがと赤坂! 確かに腹減るよなー。 …え?冗談なの?どうせなら現地料理食ってみたいんだけどな…。

まいっか、じゃあさ、露店の人にトト族のこととか聞きつつ見て回ろうぜ! チビ達とアノチェへの土産いいのあるかな〜。 (うろうろとしながら広場方面を指差し。アルバについていってもいいし、別行動をとってもいい)

フェリクス 1avd

どーもな。アルバが露天に行くってんならオレは郵便局の方行こうかな…。 飯と酒は夜にあるし今じゃなくてもいいよな!赤坂はどうすんの? (別に選んだ方の好感度がどうなるイベントではない!)

赤坂 天矢 1btg

あーーー…お土産かぁ…。じゃあ、僕も露天の方回って何か見てみましょうかね…。 あの人達、何喜ぶのかな…。木彫の熊とかしか思いつかないな…。

んじゃ、後で酒場とかで待ち合わせしましょうか。 冒険者ギルドの近くなら、冒険者向けな雰囲気でしょうし、ここで。 (タウンマップに印を付けて)
聞きこみの途中でいい店の情報が入ったら是非そっちにも行きましょう。 (何の聞きこみをするつもりなのか)

じゃあ、フェリクスさん、後ほど。

フェリクス 1avd

お前ら二人ともそっち?
じゃあ後で酒場でな。なんか持ち帰れるつまみも探しといて!
(適当なことを言いつつ手を振り、別れて役所の通りへ)

アルバ 18k0

ん!じゃあまた後で! いい情報あったらよろしくなー! (ぶんぶんと手を振り)
お、赤坂もお土産みるか。んじゃ一緒にまわろーまわろー!(にししと笑い) あ、そこの露店の人、ちょっと聞きたいことが… (孤児院への土産物を探しつつも露店の人に時折トト族の情報を聞くことは欠かさずに)

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露店の店主からすぐにトト族の話は聞けた。 1ヶ月に1回程、この街に立ち寄る砂漠の商人、というのが街の人々の認識だ。

彼らは定住しない。村を持たない。
砂漠の集落を転々として宝石や石、金属、毛織物などを仕入れ、 街から買い付けた食料、水と交換する。 閉鎖的な集落の、唯一の街とのパイプ、というところだろう。 砂漠で迷っても運良く彼らに会えたなら、食料や水が手に入るし、 遠回りになる可能性はあるが、頼めば街まで送り届けてくれるだろう。

砂竜と呼ばれる砂漠のトカゲを乗りこなし、砂の上を駆ける。 これはトト族にしか扱えぬ、精霊的な生き物…らしい。 砂のみを食べて生きている、という話だが、 砂の中から何らかのエネルギーを取り出すことが出来るのだろうか。 運のいい事に、丁度、トト族の買い出し部隊数人が この街に来ているという。

「今は多分みんな買い物に回っている筈だ。市場が閉まってから、きっと街の外でキャンプしてると思うよ」

「ただし少々気難しい部族だから、…高飛車な態度に気を悪くしない事だね」
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アルバ 18k0

(トト族の情報に真剣に耳を傾けて…書き留めるのは赤坂に任せることにする) …そっか!運がよかったなー。 ならフェリクスと合流したら街の外行ってみるか。 水とか食料も買って行こうぜ。無駄にはならないし。

(土産を悩んでいるらしい赤坂に) ん?一緒に生活してるのに他の二人の好みとか覚えてないの? って、なんで木彫りの熊? テルプなら楽器とかさ、天野は…なんだろ、やっぱ熊か。木彫りの。 (それらしい土産物を手に取ると「クマー」とかふざけ始める)

赤坂 天矢 1btg

──もう熊以外考えられなくなっちゃったじゃないですか どうしてくれるんですか…。
ん、でもこの木彫くまかわいいな…。む、意外と高い…。 ふぅん、石を削って作られたものの方が一般的なんだな。この辺木が少ないからか。

テルプさんはまぁ楽器好きですけど、素人が選んで専門の人にあげるのって 何ていうか、チョイスが難しくて。 いっそこういうネタ楽器とか、どうでしょうね…。 (笛の形をしたボールペンとか三角のタペストリー的な物を見てる)

あ、綺麗な、…宝石?
「ルビーでっせ、お客さん!」(と店主らしい男が声をかけてくる)
テルプさん結構ちゃらちゃらアクセサリーつけてるから、こういうの、いいかもなぁ。 …でもお高いんでしょう?
「それがあんさん、こんなに宝石が付いててこのお値段ですがな!」 (東から来た商人だろうか。ミラク訛りだ。)
えっ 安い!

アルバ 18k0

…その人の為にってあれこれ考えてるのってさ、楽しくね? こういうの喜ぶかなあとかさ、何が好きなんだろうなあとかさ。 だからまあ、最終的には赤坂がいいと思ったものが、いいんじゃないかなー。

…!あ! なあなあ、これ!天野っぽい! (と、マットな質感の黒い石で作られた熊を手に取る。その瞳には黄色い天然石が嵌められていて。 一個一個手作りなせいか、この熊だけ目つきが悪い)

赤坂 天矢1btg

あ、天野さん…っ (黒いくまを手にとって) 天野さん、こんな所で、いつの間に、こんな姿に…! これください。(即決)

うわ、ちょっと待って、これ結構重くないですか。石ですもんね。 これ持って砂漠行くとかちょっと無理ですよね。後でギルドの方に置かせてもらおうかな…。 あー、宅配してもらうのもいいかもな…。(ぶつぶつと考えている)

僕は……色々考えるのは好きだし、楽しい、ですけど。 楽器にしても、宝石にしても、テルプさんの方が詳しいし。 喜んで欲しいっていうよりも、…つまらないものだと思われたくなくて。 自分が、傷つきたくないだけなんですよね。多分。

──さっきの…この、ルビーの飾りにしておこうかな。 (赤い宝石の瞳を持つ金色の鳥を模したブローチを手にとって) あとはアノチェさん達へのおみやげと…フェリクスさんに、冷めても美味しいおつまみ系。 ──おいしいかどうかは、食べてみないと分からないですよねぇ…。

アルバ 18k0

(赤坂の反応にくくく…と笑っている!) この熊もう天野にしかみえねー…。 天野ってつけようぜ。な、天野!(と石をぽんぽん叩き)

美味しいかどうかは食べないとわからない!うん!その通り! 人の反応もそんなものじゃない? まあ、確かに食い物は怒ってきたりしないけど、人間は違うから難しいんだろうけどさ…。 相手の反応ありきだと疲れちまうぜ?それこそ傷付きたくないのに傷付くんだよなー。 なんて、えらそーなこといえないけどさ。
お、アノチェの土産も買ってくれるの?わりぃーなー(にへへと笑い)

赤坂 天矢 1btg

……僕は、食べる前からまずいって、決めつけちゃってるって事ですかね…。 (成程アルバはまず食べてみようという性格かもしれない。人に対しても)

テルプさんね。人にもらったもの、気に入らないなんて言う人じゃないの、知ってますよ。 だけど、……誰だって、本当は何を考えているのかなんて分からないから。 僕はそれが怖いんです。心から、なんて、絶対に他人には分からない。から。 (買おうと思っているブローチを手にしたまま、他の商品を見ているフリで俯いて)

──アノチェさんにお土産、渡す時何て言い訳しましょうかね…。 イメージトレーニングして口裏合わせておかないと。

アルバ18k0

…本当は何を考えてるかわからないって、そりゃそうだよ。 俺とアノチェだって、双子で、片割れで、誰よりわかっているつもりだけど… でも俺はアノチェじゃないし、アノチェは俺じゃない。

別にいいじゃん。分からないものを態々「黒」にしなくたってさー。 最悪のケースを想定するのは、用心深くて悪いことじゃないと思うんだけど…。 「白か黒か」の「黒」ばっかり目がいってる気がする。赤坂って。 まあ…俺も似たようなもんか。「白」ばっかり信じようとするから。

こういうの…えーと…なんてーの?うーん。 …あ!そうだよ!「色眼鏡」! (と、赤坂の眼鏡を指差した)
赤坂は、黒眼鏡。俺白眼鏡〜!なんちって!

アノチェのいい訳?適当でいいよ。 俺「男三人で旅に出てくる」で通ってるよ。 アノチェは「アルバ、沢山お友達出来て嬉しい」とか言って微塵も疑問に感じてなかったし。 俺はそんなに孤独に見えるのか!失礼な(ぶつぶつ)

赤坂 天矢 1btg

(俯きながら、眼鏡のブリッジ部分を持ち上げて) ──傷つきやすいのは。アルバさん、貴方の生き方のほうだと、思いますけど。 白が黒だった時に、その失望は大きく無いですか?
最初から諦めていれば、傷つく事もないんだ。

アルバ18k0

(その物言いや仕草に、赤坂の不興を買ってしまった気がして) ああ…ごめんな、赤坂の考えを否定したわけじゃないんだ…。
ん、そうだな…俺の生き方は多分、生き辛いと思うよ。 ま、俺タンクだし。いいんだ、俺が傷付いた分、例えば妹や、子供達や、大事な人が幸せなら…さ。 (そう、切なげに笑った)

赤坂 天矢 1btg

…………。
傷ついて、貴方がそれでいいなら。 僕には何も言うことはありませんよ。

怒ってるわけじゃないです。ただ本当に、そう思うだけで。

赤坂 天矢 1btg

そう、怖がって、何もかもから逃げて、立ち止まって。 それで僕がいいって本当に思っているのならそれは構わないのだ

だけど

ぐるぐると思考は堂々巡り。いつもどおり。露天の前で立ち止まったままで

アルバ 18k0

──さあて、トト族の情報は聞いたけど…どうするか。
フェリクスが郵便局でモシュネーのことは聞いてくれてると思うけど…。 トト族の機嫌損ねないように好物とか対応知ってる人聞いてみるか。

??

「トト族の、機嫌?」

長身の女性 1btg

(通りすがりにアルバと赤坂の話を聞きつけたらしい、ハスキーな声の、長身の女性が振り向いた。そのバストは豊満であった)

煙管タバコと、コカの葉、あと砂糖菓子、たくさん。
(表情を変えずにボソリと)

…あとな、眼鏡の男。見る目が無い。
その手に持っているアクセサリ、紅玉じゃない。ただのガラス玉だ。 金もメッキ。デザインも量産型。値をつけるとしたらこの10分の1だ。 この辺りは旅人向けのぼったくり店が多いぞ。一筋向こうをオススメする。

長身の女性 1btg

……ああ、その熊の彫り物だけはなかなかの物だ。保証してやる。 何せ私が作った。 (ニヤリと笑い、そのまま大股で立ち去ろうと)

赤坂 天矢 1btg

(突然の見知らぬ人間、その話し方に威圧的な雰囲気を感じて、一歩引いて)

アルバ18k0

あ!おねーさーん! (どたどたと声をかける。ちょっと目のやり場に困りつつも)
トト族の知り合い? ここ旅人向けのまがい物あるんでしょ? あのさ、折角ならトト族に贈るもの、ちょっと一緒に選んでくれないかな。 どうしてもトト族に色々聞きたいこととか、もしかしたら案内してもらうかもしれないんだ。 この「天野」(熊の彫り物を指差し)の作り主なら間違いなさそうだしさ!

長身の女性 1btg

「天野」 ……お前、名前貰ったのか。
(まじまじと熊を見て、よかったじゃないか、などと言っている)

一緒には無理だ。悪いな。先約がある。

……タバコはバトゥシュ通りの角の店の刻みタバコ。 お前が裕福ならば、金や宝石を嵌めた煙管もあれば喜ばれるだろう。 コカは、そっちの、香草や茶葉を扱ってる店があるだろ。

砂糖菓子は……。(ずいと一歩近づいて)
中央通りのジャイロフ・エリッヒという店だ。ガラスの扉越しに沢山の砂糖菓子が見える。 その店のカウンターショーケースに並んだそれはそれはカラフルな砂糖菓子があってな。 天使やら花やらを模した大変かわいらしいものだ。 それらが全種みっしり箱に詰まっていたりすると、それはそれは喜ばれるはずだ。

アルバ18k0

おっと、赤坂、トト族のお土産メモ、よろしく!
(と、言って女性にお土産の詳細を聞きにいった)

ふんふん、タバコはバトゥシュ通り…いや、俺そんな金ないから煙管はちょっと…。 コカは…ああ、あの緑もさもさしてるとこかな…? 砂糖菓子…おっと(近づかれて「何だ何だ?」という表情に)
…何か高級そうだなー…ぐぬぬ、仕方なしか…。
ねーさんありがとう!

長身の女性 1btg

では。

……楽しみに待っているぞ
(にっこりと、笑うと、くるりと、踵を返して大股で立ち去った)

アルバ18k0

(去り行く女性に手を振ると)
赤坂、買いに行こうぜ…ん?んん?

「楽しみに待ってる」? もしかして…。

赤坂 天矢 1btg

(促されて大慌てでメモをとりはじめる)
……「待ってる」ですか。 手ぶらで行くワケには行かなくなっちゃいましたね。(苦笑して)
じゃあ、さっさと買い物済ませて、合流しましょうか。 とりあえずそこの緑のもさもさのお店、ですね。 (とことこと、歩き出す。途中にフェリクスさんへのお土産も探しながら)

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一方その頃!
中央通りを、郵便局へと向かって歩くフェリクス。

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フェリクス 1avd

えーと郵便局…。ここか、吟遊詩人が一人とか怪しまれるだろうなぁ…。
(愚痴を言いつつも扉を開けて、受付に)

あ、別に手紙とかは出さないんすけど、今いいすか? 冒険者のもんだけど、今依頼で調べ物してんすよね。 ここの南にあるらしいモシュネーって集落について詳しい人居たら話聞きたいんすけど大丈夫すか? (とりあえず旅の詩人よりかは信用されそうな肩書きと理由をつけて、詳しい人間を引きずり出そうと)

軽く30分ほど待たされた挙句、ようやく担当の者と話が出来そうだ。 ただ郵便局の局員達は「モシュネー」の名を聞くと一様に 「ああ、あの」とか「やっぱりいわくつきなんですか?」などと、 怖いものを見るような表情。
詳しいことは彼に聞いてください、と、そう言って紹介されたのはダイナという名の若い男。
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配達員 ダイナ 1btg

ウッス。
砂漠地方配達担当のダイナってんだ。ヨロシク。

冒険者ギルドからの調査依頼って? 何かあったの?
今世界を騒がせてる異変(※天命喰らいのアレ)と関係あったりするの?

天命喰らいとは:公式のラスボスと思いねぇ。文字通り、ありとあらゆる存在の天命を喰らう者。奴を退けねばこの世界に未来は無い。冒険者たちも、この大陸の国々も、皆協力して奴を倒すため、画策するのであった。……各地に異変が起こっているが、街の一般人には天命喰らいの存在はまだ知られていない。
フェリクス1avd

どーも。オレはフェリクス、本業は吟遊詩人してる。 あ、タメでいいよな?息が詰まりそうだったんだ、普通に話すぜ。 ええっと、依頼っつっても個人的な調べ物だから 世界情勢とは大して関係なさそうだぜ。大変そうだよな、なんか。 (などと世間話をかわして)

んで、本題だけど、そのモシュネーって集落についていくつか聞こうか。 オレらは「モシュネーには今住んでいる人はいない」 って聞いてその理由を調べに来てんだけど、

・集落に人がいなくなった(と確信を持って言えるようになった)のは具体的にいつ頃から?

・そして郵便局は原因について何か把握していることはあるか?

とにかく知ってることは何でも教えて欲しいぜ。…「いわくつき」っていうのも気になるしな。 そうそう、現地調査もするつもりだから集落の詳しい場所も教えてくれると助かる。

配達員 ダイナ 1btg

……もしかして、あの「いつもの手紙」と関係あるの? 差出人はテルプ・シコラ。住所不定。
いやね、モシュネーの話なんて、郵便屋関係からしか出ないと思うからさ。

フェリクス 1avd

…そうだよ、そのテルプ・シコラの件でな。 (まあそうだよな、とさして意外でもなさそうにあっさりと)

配達員 ダイナ 1btg

──何から話せばいいのかねー。取り敢えず… はじめてあの村に行ったのは、オレの前任の配達員だったよ。 (記憶を手繰りながら話してくれた)

前任がはじめてモシュネーに行ったのは10年前。 1通の小包が来たのが始まりだった。 差出人はその、テルプ・シコラ。
局員誰も行ったことのない集落へ、砂漠を渡る旅だ。 場所を調べるのに随分と時間がかかったんだってさ。

配達員 ダイナ 1btg

いざ小包を届けに行ってみると、…そこはいかにも貧しい村で 掘っ立て小屋みたいな家ばかりだったが、どこも無人で。 ……妙だなー、と思ったらしいんだが

…集落の真ん中の広場にたどり着くと、そこには…… 何十体もの死体が並んでいたんだと! (完全にホラー調の語り口だ)

外傷もない死体が、等間隔でずらーりと、輪になって手を繋いだように並んでた。 そして村全体に不気味な、鐘を鳴らすような音が響いていたんだと。

その様が、まるで何かの儀式の後のようだった、と前任者は話していた。 オレら局員の間では、あの村は悪魔の儀式で滅びたのだと言われている。 そしてあの村で、鐘の音を聞くと、呪いにかかって死んでしまうんだと…!

……実際前任者は死んじまったわけだけれども、 それも死んだのは去年のことで、彼もいい年だったから、 正直呪いってのは尾ひれがついただけだろうね。まぁ気味悪ィ話だとは思うが。

配達員 ダイナ 1btg

んでー、オレが3年前にここで働き始めて、そんな話を聞かされて。 モシュネー行きの荷物はわざわざ届けに行く必要は無い、と、言われたのさ。 局で留めて、そのまま送り返せばいいって。
つまり、10年前に一度届けて。その後俺がここで働く3年前までは ……彼の荷物は村へは届けられずに、ここで送り返されていたんだ。 その点は、局員として申し訳ねーよ。…バイトみたいなモンだけど。

オレはさ ……例え誰もいなくても、気持ちくらいは届くかもしれねーじゃん? 想いを届ける仕事なんだしさ、一度はこの足で届けてやりたいって。 それは配達員としての挟持みたいなモンだったんだ。

から、まぁ。 ──そんなワケで、 モシュネーへと足を運んだわけなんだけど。

配達員 ダイナ 1btg

……オレが実際に見た村の姿は前任に聞いた話とほぼ同じ。 死体はほぼミイラ化してたけど、幸い盗賊に荒らされている様子は無かった。 あと鐘の音みたいなのは、聞こえなかったな。……そんな感じか。

原因に関しては、ね。さっぱりだ。 あんな辺鄙な貧しそうな村なら、15年前の大凶作であっさり滅びてそうなモンだが 前任が見たっていう死体は、そこまで年月が立っているようには見えなかったらしいし、 その飢饉を乗り切っておいて、その後あんな妙な死に方してるってぇのは…。 まぁ、何か、あったんじゃないかなぁ。ってコトで、いわく付きってワケ。 (話しながら、詳しい地図を用意してくれている)

フェリクス 1avd

ふぅむ、と頷いて。 しっかしそこまで”臭う”話になるとは思ってなかったぜ。 10年前……な。あんたが見たのがミイラ化してたってことは、 前任者が見たのはまだそうじゃなかったってこと?だよな…。

配達員 ダイナ 1btg

死体は…確か「外傷無し」って表現してたから、ミイラじゃないだろうねー。 この辺は物がすぐに乾くし、腐りにくいし、で、 死後どのくらいか、なんかはちょっとわかりにくいけど、 衣服なんかは、その時はまだまともに残ってたみたいだ。
──ちなみにオレの見た時にゃ、当然だけど、着るモノもボロボロだったな…。 ホラ、持ってってよ、と、地図を差し出して。
うちの翼竜とか貸し出せればいいんだけど、配達用だしなぁ…。

フェリクス 1avd

ああ地図、助かるぜ。 荷物のことは気にすんなよ。モシュネーに荷物送ってるのって、 ここ最近じゃそのテルプって奴だけなんだろ?

正直言うとオレ、そいつのダチでさ。 そいつはその荷物の送り先がどうなってるのかまるで知らないっていうかなんて言うか、 要は事情が聞けなくてな。それで気になってこうして依頼を手伝わせてもらってんだよ。 …まだ聞いただけじゃ本当の事情はわかんねーし、なんとも言えねーけど。

きちんと調査してあんたらの心配も解決できるよう努力はするぜ。

配達員 ダイナ 1btg

……ダチなのか。
あの村は外部との接触が、ほとんど無かったらしくてなー オレらの知る限りあそこに何か送ったのは後にも先にもテルプ・シコラだけだね。 あ、遊牧民のトト族とだけは取引があったから、集落の事なら彼らが知ってるよ。 この地図も彼らから教えてもらったものだぜ。

…あの手紙さ。イタズラとかにしては、10年間ずっと、だろ? 気にはなってたんだよ。オレからも調査、よろしく頼むぜ。

フェリクス 1avd

おう、と頷いて。
…っと、このへんで一度あいつらと合流しようかな。 そうそう、この街でオススメの酒場とかある?イイ地酒が飲めると嬉しいんだけど。

配達員 ダイナ 1btg

地酒? アンタ、旅慣れてそうだけど、 なかなか 以外の人間が飲んだこと無いのを揃えている店があるぜ? びっくりすんなよ?
(ニヤニヤ笑いながら。一件の酒場を教えてくれた。色んな集落で個々に作られている変わった酒を集めているらしい)
気をつけてなー。