もふもふ事変
第ニ期:何気ない日常への
ある日のクラン「とある孤児院より」には「まふら〜と猫」の赤い猫セトレットと、その兄弟である黒猫のアズヴィスが訪れていた。 以前に約束していたダンボール製の鎧を、アルバに作ってもらい喜ぶふたり。
イラスト:とある孤児院より さま
アズヴィスは、いつも皆を元気にするアルバに尊敬の眼差しを向けていた。 頭を撫でようとするアルバを前にして。
(がちゃりと、篭手を外し、素手でアズヴィスの頭をぽんぽん、と撫でた)
またいつでもおいで。
ここは皆が兄弟みたいなもんだから。此処にきたらお前達も兄弟!
ミルクもお菓子も用意して待ってるよ。な!
ちなみにダンボールで鎧を作るよ! というアルバさんの言葉を聞いて、かげつきが思い浮かべたものがこちらである。
イラスト:かげつき
それはともかく。
セトレットは猫の姿にもどり、アノチェセルの胸に抱かれてご満悦。
丁度そんな時に、アノチェセルに会いに孤児院を訪れたテルプだった。
(いつものようにアノチェセルに会いに来たテルプだったが、に入った光景に、ばさりと、お土産に持ってきた果物の入った袋を取り落とす。足元にオレンジがころころと、転がって)
あ、あのちぇ…。
(その小さな胸に抱きしめられた、自分以外の男…猫だが。男…。そこは自分の特等席である筈!)
あのちぇ! ほら!
(おもむろに何故か持ち歩いてるねこまふら〜を巻いてネコミミを生やしてみるが──相手は、全身ふわもふ! 小さい! 勝ち目など無い! 絶望感!)
あ!テルプ…!い、いらっしゃい…!
(いつものように彼に気付くと微笑んで…セトレットを抱えたまま近づく)
…ど、どうしたの?
(床に転がる果物を見て)
あ、またネコミミ生やしてる…。
(と、片腕によいしょとセトレットを抱えなおした。空いた片手をテルプのネコミミに当て、撫でようと)
(ぽんぽんと撫でられ少し気恥ずかしそうにフードを深めに被った)
あるば、感謝
兄弟 オ菓子 ミルク 沢山…
(嬉しそうだ。さらに顔を隠そうとしてダンボール鎧をぎゅっとかかえて…
やってきたテルプに目を向けて)
!
(人同士の感情には疎いほうだが なんとなく空気に絶望感を感じた)
(撫でられつつ。抱っこ羨ましい…小さいは正義…)
お、お、お。
俺っちとセトっちとどっちがもふもふなのさーー!!!
(意味がわからない! 抱かれたセトレットさんを指差して涙目で後ずさる)
え?!え?!
も、もふもふ?!ど、どっちがって…。
あ、ま、まって…!
(涙目のテルプを見ると慌てて追いかけようと)
ご、ごめん、アルバ、セトレットお願い…!
(腕の中のセトレットをアルバに預けた。ひんやり鎧の感触にもしかしたら目が覚めてしまうかもしれない…)
俺というネコミミがありながら… (※無い) アノチェ…!
(それでも両手を空けて追いかけて来てくれるアノチェさんに胸キュン。
吸い込まれる様に腕の中へと収まって、
猫がよくやるおでこをこすりつける仕草で胸元にぐりぐり)
のーちぇー。
ど、どうしたの?テルプ…。く、くすぐったいよ…。
(ぐりぐりされてもぞもぞしながらも、テルプの頭を胸元に優しく収めるとネコミミを撫でた)
「俺というネコミミ」って、な、何の事なのかわからないよ…。
(動物にヤキモチを焼かれているとは思っていないようだ。)
あ、あの、こ、子供達見てるし、あ、アルバにも見られてるし…。い、移動する?
照れ屋だなあ、アズヴィスは。
(にににことしているとセトレットを預けられ)
ちょ、おま…って…。
…なにやってんだ。あいつら。
「おにーちゃんたち、あれ、なにしてるの?」
あー。見ちゃいけません。ほら、外遊んでおいで。
(突然のらぶらぶモードに入ったテルプたちから子供たちを遠ざけようとしてる最中に
目覚めたセトレットが暴れだす。)
あ、ちょ、セトレットあぶな…!
(頭に登ってくるセトレットを落ちない様に…篭手は両方外してそっと支えた)
にゃにゃっ!
(目線が高くなり楽しくなったのか目を輝かせる)
にゃ〜ごにゃ〜!!
(アルバ君の頭の上から、アノチェセルさんにまるで「ボクをすてないでぇ〜」というかのように手をのばしている。
しかしどちらに軍配があがるかは 火を見るより明らかかもしれない!)
照レテ ナイ…
(明らかに照れているが つんでれている)
あるば 髪 グシャグシャナル 降リル!
(ちょっと羨ましい気持ちもありつつ セトレットをアルバ君の頭から降ろそうと。
……届かない)
あるば…セト 落トス 許可
ソロソロ 帰ル スル
こ、ここは、この場所は、俺のなんだからな…っ。
(顔を耳まで真っ赤にして。小声で、少々バツの悪そうに呟いた。しばらくぐりぐりしてマーキングが終わったのか撫でられて満足したのか、ふぅ、と一息つくと顔を上げて)
……でも、アノチェはいつもちゃんと
一番、俺の心の近くに居てくれてるの、俺っち知ってるし。
アノチェが他の誰かをぎゅうって抱きしめたいと思ったなら
きっとそれは正しいんだ。だから。
まぁその。俺が拗ねてたりしたら、後で相手してくれたらいーから。
信じてるから、ノチェの好きにして、いーんだからな。
(言ってるうちにますます頭に血がのぼってくる様で、恥ずかしさのあまりぱっと踵を返し、視線をアズヴィスの方へと)
おー! 黒にゃんこも来てたのか。
何その鎧、超かっけーじゃん!
……果物持って帰る?
(落とした果物を拾い集めながら)
(「この場所は、俺の」という言葉に、漸く拗ねていたのだと気付いて申し訳ない気持ちに)
…えと、えと…。ご、ごめんね。
だ、大丈夫。
此処は(自分の胸に手を当て)い、いつだってテルプのだよ…!
へへ、後でいっぱい相手するからね…!
(気恥ずかしそうに、笑った)
(大人げなかったと自覚しているのか、アノチェセルには軽く手を上げるだけにとどめると
アズヴィスの鎧をじーっと見つめて)
あげないかー。…マジで出来いいな。いいなー。いいなー。
(ダンボール鎧の周りをぐるぐると回って、隠そうとするアズヴィスを翻弄! )
そうそう、蜜柑、っていうか、オレンジ、と。
恒例天野っちの林檎な。
そのまま食べるなり、コルト?に、料理してもらうなり。
(猫型セトレットくんに自分のアホ毛をぴこぴこ、じゃれさせようとしつつ、果物を小分けにしている)
というわけで、土産、ここに置いとくな。
(孤児院の子供らに向き直り)
ほら、これも、アノチェに切ってもらうなりしてもらってなー♪
「ちゃかちゃかしたおにーちゃんだ!えへへ、ありがとーー!」
「しってるー!こいつアノチェねーちゃんのカレシなんだぜー!」
「…カレシ?(こてり)」
(子供達がわいのわいのとテルプの周りで騒いでいる)
お前ら!先に挨拶だろ!
…わり、ありがとな。助かるわ。
(土産を受け取ると礼を告げると、帰り支度をしているアズヴィスへと)
そっか、あんまりもてなせなくて悪いな。
よっと、セトレット下ろすぞー。
(と、セトレットを掴んで床に下ろす。羨ましそうに見えたアズヴィスをみてにやりと笑うと)
おーっと!手が滑ったー!
(しらじらしくアズヴィスをひょいっと担ぐと肩車をした)
どうだ、背が高くなっただろ?
…!!!?
にょ…にょわ…
(変な声が出ている…初の肩車体験に緊張しているようだ)
タ、高イ
(少しすると落ち着いてきたのか 目がキラキラしてきた)
高イト 全部 見エル…!
(この部屋にいる誰よりも背が高くなった気分を堪能し、嬉しそうだ。羨ましそうな子供達を見て、ちょっぴり名残惜しそうにアルバ君の肩から降り)
次 順番…あるば アリ ガトウ
(にゃんこ二人に手を振って見送ると、周りではしゃぐ孤児院の子供たちに)
おまえらもなー、一緒に居ると、最っ高にしあわせになれる相手、
ちゃーんと見つけるんだぜ♪
(そう言い残して、当然のようにアノチェと一緒に。
部屋に遊びに来たのか、何処かへ出掛ける気なのか。子供たちに手を振った)