おいしいパスタ丼
第ニ期:何気ない日常への
赤坂が食事の準備をしている横で、
テルプがじゃがいもの皮むきなどを手伝っている。
ねぇ天野さん。
たまには食事当番、手伝ってくれてもいいんじゃないですか?
あー、天野っちに慣れない事させない方がいいって。 食材がもったいない。 俺っち、謎の物体Xとか食べたくない。
失敬な。米なら炊ける。
…あとな。友人の誕生祝いにけえきを作ったことがある。
(ふふんと胸を張る)
けえき…? けえき… ああ、ケーキか。
何のことかわからなかった。
えっ すごくないですかそれ。
ていうか回想イメージが既に不穏なんですが。
正確には、びすけっとを重ねて生くりーむと苺を乗せた。
おう。すごく簡単。
その時しっかりと教わった。
生くりーむを「泡立てる」と言っても、石鹸や洗剤は使わないのだと。
どうだ。
「どうだ」って、何で胸張ってるのか1個も理解できないです。
な、なんか怖い料理会話が展開されてるけど、ぼ、僕は物怖じしないんだからね!
しないったらしないんだからね!
ということで、挨拶するのが遅れました。こんばんは。
この間は何度も誘ってくれて有難う! 丁度家出中だったから、凄い良い気分転換になったよ!
僕の力が君達の力になれて嬉しいよ。また誘ってくれると嬉しいな。
輝樹君……お米を洗剤で洗ったりとか……しないよね……? よね……?
ラビーノくんは、クラン「歌姫の謳歌亭」に所属するアタッカーだ。
先日、冒険者全員に知らされた「ギルドマスターからの挑戦状」なるイベントを攻略する為に、
ここのところ頻繁に冒険を共にさせていただいていたのだ。
それにしても……家出中?
ああ、ようこそいらっしゃいませ、こちらこそご挨拶も無しで申し訳ないです。
…突然のギルドマスターからの挑戦状、とかで、びっくりしましたよね…。
こう、ドドーーーン! って、マスターの顔が出てくるんですもの。
うちは、攻撃力のある人がいないから、たくさんお世話になりました。有難う。
また是非、よろしくお願いします。
……家出? 家族の人は、心配…してるんじゃないです?
(連絡もなしに家を飛び出してる僕が言えた事じゃないけれど、と思いつつ)
色々理由もあるんだろうけど…。
大事な人が、待ってる人がいるのなら、ちゃんと連絡だけは、してあげてね。
ああ、ごめんなさい。部外者が勝手な事をって、聞き流してくれてもいいから。
折角来てくれたんだから、よかったらお菓子でも持って帰りませんか?
(焼き菓子を幾つか取り出す)
ああ、大丈夫、この人(天野)が作ったやつじゃないから、安心して食べてください。
米に関しては、旨い米を食うため徹底的に教わったから自信はあるぞ。
その他に関しては、…何故か料理をしようとすると全員から止められてしまうな。
──家出、か。…体調は、万全か?
否、気のせいなら良いのだが、少々、君に、疲れが見えたような、気がしてな。
何ならうちでゆっくりして行くがいい。
そうだ、丁度料理の話題が出たところだから、何か振る舞おうか。
>>赤坂君
あれねー……すっごいビックリするよね……。
イマーガちゃんなんか「うるっせー!!」って怒鳴り返してたよ。ギルドマスター、豪快に笑うだけで気にも留めなかったけど。
此方こそまた宜しくね。
んー、まあこの冒険をしている事そのものが家出みたいなものなんだけど……ちょっとクラン自体から家出中なんだ。
家出理由は……なんというか、ちょっと一人で色々考えたくてさ。
思春期特有のなにかってやつかなー、なんて。
とはいえ、クランの責任者が僕の傍に居てくれるから向こうと連絡も出来るし、何かあったら強制帰還されちゃうけどね。
わ、美味しそうな焼き菓子……。
>ラビーノはゆっくりと咀嚼すると、頼りない、困ったような笑顔を向けた。
うん……凄く美味しい。美味しいよ。
ありがとう、凄く美味しい。
>>天野君
やっぱりヤバイんだ……。料理、上手くなるといいね……。
あ、お米は良いんだ、よかった。(よくない)
体調の方は大丈夫。とはいえ、ブリアティルトに来てからずっと王都アティルトにいたから、セリオンの空気はまだ慣れないかな……。
心配されるほど、憑かれているのかな……。そんなつもりはないんだけれど……。
……有難う。じゃあ少しだけ、此処に居させてもらうね。
(あれっ、今の流れで行くと輝樹君が作るの?)
二人とも心配してくれて、ありがとう。
そうか、食っていくか。良し、任せよ。
腕まくりをして何か作ろうと台所へと
あ、天野さんっ! それよりもお茶菓子を! 追加で買ってきてくださいませんかねっ!?
(不本意そうに買い物に出る天野を見送って、一仕事終えたような顔)
ふぅ。阻止しました。
──ひとりで、考えたい。うん、そういう時、ありますよね…。
結局僕は、中途半端なまま、だけど。君は何か見つけられるといいね…。
食事は、振る舞うって言うと恥ずかしいレベルで申し訳ないんですが
一応今日はパスタとか茹でる予定、です。
…何か嫌いなものとかあります?
……お、お疲れ様です。
うん、そうだね……何か、見つけられると、いいね……お互いにね……。
何が見つかるんだろうか……。
パスタ? わあ嬉しい、僕の好物なんだよ。運が良いや。
嫌いなもの、とかは特に無いかな。美味しかったらなんでもバクバク食べちゃうよ。
好き嫌いが無いのはいいですね。
この世界の中に、楽しめる事が多いって感じが、するから
……それなら、見つけられるものも、より多いかも知れませんね…。
さて、天野さんが帰ってくる前に、あらかた済ませちゃおう。
ちょっとゆっくりしててくださいね。飲み物、好きなの、よかったら飲んで。
(テーブル脇にはコーヒー、お茶、チョコレート、ハーブティー、など
各種飲料がすぐに飲める状態でポットなどに入っていて、さながら簡単なドリンクバーの様だ)
(いくつかグラスやマグカップなどをラビーノさん用に用意すると
、そこそこ手際よく、食事の支度をはじめる)
そうだね、僕もこう見えてかなり子供だし、未来に何があるかなんて分からないもんね。
天が見つかるか地が見つかるか……出来れば良い方がいいのだけれど。
……もしかしたら背伸びするのに疲れちゃったのかもしれないね。
自分よりも遥かに幼い子も、大人な人も身近に沢山いるから。
わ、凄い。なんだかちょっとしたドリンクバーっていうか……ホームパーティみたいだね。
小っちゃい頃、お母さんとお父さんとでパーティしたなあ……。
お母さんがパスタ作ってくれて……お父さんがケーキ買ってくれて……。
僕は……僕は、何をしたかなあ……。
>ラビーノはハーブティーを飲みながらうとうとし始めたようだ……。
………。
幸せな夢を見てる、のかな…。
(戻ってきた天野に、しー、と指を立てて)
少し、休ませてあげて。
(ラビーノさんが目覚める頃には、食事の準備が整っているかもしれない。サラダと、きのこのしょうゆ味パスタの横にしっかりと茶碗によそってある白飯。パスタはおかず扱いらしい)
うーっす。
アノチェだと思った?!残念アルバでしたー!
ってのは冗談で…。
今セリオンに宿を取ってるんだ。暫くこっちに厄介になるから挨拶に来た。
まあ妹の件で十分世話になってるけど改めてよろしくな。
これ、俺が見繕ったから大した事無いけど茶菓子。
これは、ご丁寧に。感謝致す。(深々と礼を)
此方も丁度茶菓子を買ってきたところなのだ。物々交換するか。
あまり小さな子供たちには喜ばれぬかもしれない物だが…
己はこの海老の入った丸いものが好きだ。
(せんべいやおかき、あられなどつめあわせ)
(自分の好みだけで買ってきている)
うっす!天野!
おお…!初めて見るな…!(おせんべいというものに興味を示す)
なんだっけ、米焼いた菓子だよな!
ふんふん、この海老入ってるやつがお勧めと…。確かに美味そうだな。
ありがとな!孤児院今度様子見に行くからその時子供達にも渡すわ。
大丈夫大丈夫、俺みたいに食い物なら何でも大好きな奴らだからさ(にか!)
あ、アルバさん…。こんにちは。お世話になってます。
──あの、ですね。テルプさんから聞いたんですけど…。
アノチェさん、今度、テルプさんが故郷に帰るって時に、
一緒に付いて行きたいって、おっしゃってたらしいんですけど…。
(あちこちに目をそらして、考えながら言葉を紡ぐ)
いいんです? その、すごく遠い、みたいなので…。
砂漠とかも通るし、危ない、んじゃないかな、とか。
…うん?ああ、アイツが着いて行きたいっていうなら俺が口出ししてもな…。
前なら止めてた。
でもさ、あいつ等…うん
(アノチェとテルプの関係をこの二人が知っているか分からず、言葉を濁す)
信じるって言ったからにはなー。
…心配してくれてありがとな、いい奴だな、お前。
(言葉を濁すアルバに気付いて)
ああ、いいですよね、リア充。(やや苦々しげに)
──心配っていうか。そういうのでは。(眉間のシワを深くして)
…………少なくとも。僕がいい奴、とか、そういうのでは無いです。
僕は、多分……。僕が、あの人を、信用出来ていないから。
(「信用していない」という言葉にやや苦笑して) なるほどね。…まあ、気持ちはわかるけどな。 でもさ、気になっているって点では同じじゃん。 ってことは妹にも注視してくれてるって都合のいい俺は解釈するわけよ。 だから、やっぱり「ありがとう」だな。
……アノチェさん、いい子ですもん。 傍で見てても分かるくらい、すごく素直で、真っ直ぐで、一生懸命で。 だから、……嫌な思い、して欲しくないなって。それはまぁ、本当です。 ──いい子だから、それだけに、色々心配でしょう、お兄さんとしては……。
むにゃむにゃ……出番はなくはないです…… ハッ!!
ぼ、僕、いつの間に寝ちゃってたのか……!?
お客さんも来てるし、邪魔にならない内に帰らないと……!
あ、パスタ……と、ご飯?
な、何故だ……。
>とはいいつつも、食欲には抗えないらしいようだ。ラビーノは無言でパスタをおかずに、ご飯を咀嚼し始めた。
……!
>意外と合う事に驚いている。
うむうむ。やはり白飯が無いと飯を食ったという気にならぬ。
飯は己(おれ)が炊いたからな。上手く炊けたと思う。よく味わうがいい。
おお、そうだ。丁度飯だ。あるば殿、君も食って行け。
(一方的にそう言うと、さっさと座ってしっかり合掌。
パスタを丼に入れて、ずぞぞぞと音を立てて食べている…)
…ん?メシ?いいの? ってパスタ丼…!? え、栄養的にどうなんだそれ。 いや、食えるのなら俺もいいんだけどさ…。いただきまーす。 (食べ物の恵みに感謝し、軽く祈りを捧げると、パスタとご飯を別々に食べ始めた)
(米を褒められて満足そうに頷く天野の横で) 今度は、もう少しマシな物が振る舞えるよう、ちょっと練習しておきますよ。 気分転換したい時は、いつでも来て。ゆっくりしてくださいね。
うんん、気にしなくて良いよ。
元はと言えば爆睡しちゃう僕が悪いんだからさ。
そういえばアルバ君だったっけ、君達って、ラビーナをよく雇用してくれてるよね? 今度挨拶に行かせるよ。
――ふう、ごちそうさま。二人とも本当に、美味しかったよ。ありがとう。
お弁当におかずとしてパスタを入れられてた事思い出したよ。
長居しちゃってごめんね。また……逢えると良いね。
それじゃあ、またね。
目が疲れたのか、眉間を指で押さえながらとことこと歩いてくる。
んー、ごめん、遅くなった。ちょっと手が離せないとこでさ…。
丁度扉を出ていくラビーノさんを目にして
あ、お客さんだったか。悪いね、何のお構いもせず。
「また来てね!」と声をかける赤坂の横で、後ろ姿へと、ひらひらと手を振った。
ラビーノくんを見送った後、間もなく響くノックの音。
ぃやっほーーー! もっふもふのにーさん、ちーっす!
(飛びつこうとしているところを
「せめて手を洗ってきてください!」と赤坂に止められている)
わー、ビリーさん、いらっしゃい!
にこにこと、テーブルへと招く。
あれ、アルバも来てたの。何の用? アノチェは?
何だ、来てないのか。まぁ、元気なら、いーけど。 セリオンいいとこだよね。上の方キナ臭いみたいだけど、ま、俺らにゃ関係無いし (手を洗い席につくと、白飯はよそわずにパスタだけ食べている)
ビリーさんお久しぶりです! …………パスタ、食べます? きのこです。 (テルプの分をお皿によそい、そのまま鍋を前にしてビリーの方を伺う)
”せっかくだし もらっておく”
土産、と書き加えて麻袋を差し出した
”アカモミタケ、ハタケシメジ、ゴムタケ・・・だと。一応・・・食用らしい”
淡い橙色、褐色、黒褐色のキノコが入っている。
ゴムタケと書いて指差されたものは、おちょこの様な奇妙な形だ。
「一応」「らしい」……
………………これ、ビリーさんのお皿に投入して大丈夫やつです?
(じとっと上目遣いで問う)
赤坂の視線にギギギと首を回し、視線から逃れようとする
”俺はキノコ取り名人ではないから判別できないが・・・”
”採ったのは森の動物だからヒトに害はないはずだ”
”・・・俺は無理だぞ、何食っても腹壊すんだ”
それなら、いいんですけど。…いただいておきます。有難うございます。
──森の動物さんとお友達なんですか?
(キノコを取ってきてくれる小鳥や栗鼠に囲まれ動物とたわむれるビリーさんを想像している。メルヘン。)
え、お腹弱いなら、どうしましょう、パスタの中のきのこも避けておきましょうか?
…その、(犬っぽい)体の、せいです? (どうしようたまねぎも入っている)
”友達というか。まあ、話?が通じるし”
(確かコレを採ってきたのは小型のイノシシだったような・・・食べ物を持ち歩いていると鹿やウサギも寄って来るんだよな・・・)
どこかぼんやりと考え事をしている赤坂を生ぬるい目で見つめる
”別に少量なら問題ない。たまねぎも、キノコも、別に”
子供と一緒に食事をしていたことを考えると、食べてはいたようだ
入ってきたビリーに軽く会釈をして
もふもふ…。
そういやアノチェが雇用の挨拶行った相手も「もふもふ」言ってたけど…いやそれだけじゃわかんねえよな…
(注視しながらぶつぶつ言い出した)
ああ、こちら、ビリーさん …で、(ビリーの方に向き直り)こちらがアルバさん。 ──えーっと。雇用とかでお世話になってる。冒険者の。(アバウトな紹介)
…!もしかして俺と似た顔の女の子から雇用されて無いか? なんか挨拶に家に行ったらいなかったって言ってたんだ。 あと孤児院に嫁さんが挨拶に来てたんだけど…。チェイネルって名前だったかな。
あー、やっと見つけたよ。 俺が同行して無い冒険だとわかんないからさ。 帰ったらアノチェに伝えておくけど…今どこにいるんだ? 多分追々アノチェが行くと思うけど…。あ、内緒なら別にいわなくていいぞ。
”この辺”
地図を片手に付箋を貼る。指し示されたのはノイゼントルムの最も暗き森・・・
その深層付近だった。
”最近よく冒険者がうろつくから獣道でもなくなってきているな”
ペンを走らせつつ肩をすくめる
話が… 通じる…
(うさぎやひよこと会話するビリーさん…もふもふ…ぴよぴよ…)
2人が話し込んでいる間、なにやらファンタジーな想像を膨らませている。
はっ あ、おなか、大丈夫そうなら、普通によそっておきますね。どうぞ。
白ご飯も大盛りでいいですかね。(茶碗にぺたぺた)
先ほどよりもなにか夢見ごこちな赤坂を見つめ
”なにを想像しているのか知らんが・・・奴らは飯に関してがめついぞ”
ライスに・・・パスタ・・・? わけがわからない、と言いたげな顔をして
”炭水化物の暴力だな・・・いやいや、そんなに盛るな”
次々と盛っていく赤坂の手を止めようにも止められずあたふた
イラスト:かげつき
え、じゃあ普通にしておきましょうか…。
ビリーさん体大きいから、たくさん食べるかなーと思って。
とりあえず炭水化物を食べさせておけば、動く人がうちに居るので…(と天野を指して)
飯にがめつい…ふふ…(胡桃を、無心でかじり続けるリスを想像してなごんでいる)
(ビリーさんと目があって)
まぁ、己(おれ)の場合は燃費が悪い、とも言える。無駄に食事が必要だ。
食料の足りぬ場所ではそれだけで致命的である。
現に「以前」は、それで死んだな。
(赤坂が相変わらずぼんやりしているので、自分でご飯のおかわりをよそう)
……この世界で言う「転生」に似たようなものと思ってくれれば良い、と、思う。おそらく。
”なるほど、転生、ね”
腕を組んで考えるそぶりを見せる。
そういえば子供達はそのまま成長していたっけ。時間の巻き戻しとやらも、
何がどうなっているのかよくわからない現象だ。
巻き戻る、というのなら・・・俺の現状は、なんだ?
転生だとか、巻き戻しだとか。
この世界では、何者かに、生命を好き勝手にされている気がするな。
ふん、面白い世界だ。いずれ牙を立ててくれるわ。(米粒を頬にくっつけつつ偉そう)
アルバももりもり、よく食べるよねぇ。
元気で、大変よろしい。茶化したような物言い。
……あ、そうか、今アノチェもセリオンにいるんだっけ?
空気もごはんもおいしいし、アノチェも元気にしてるだろうなぁ。
今、近いんだから普通に遊びに来ればいいじゃん。 アノチェならいつでも歓迎するだろうよ。 ごはんも美味いが、……セリオンには牛乳がある! …ふふふ、もうすぐだ…もう直ぐお前の身長抜いてやるからな…(クククと笑い)
うん、また遊びに行くね。
……身長? アルバっちそんなの気にしてんの?
心配しなくても、ガタイもしっかりしてるし、大きくなるよ。
──まぁ、また「巻き戻される」かもだけど。
ちっちゃいアルバかわいらしいよね。なでなでしたい。(クククと笑い返す)
(大きくなるよと言われてちょっと嬉しいらしい)
…マジで?178超えられるかな…。
気にするって言うか、背が高いほうがカッコイイじゃんか。
(巻き戻されるかもという発言に)
…いいか、もし巻き戻っても撫でるなよ…いいか絶対だぞ!
(盛大な前フリ)
カッコイイ、か。
(単純で子供らしい理由に、そういえば彼もまだまだ若かったな、と)
178って何? 誰か目標にでもしてんの?
(撫でるなよ、には返事せず。もぐもぐ)
え?…おじさんが確かそれぐらいだから。
…ああ、おじさんって孤児院の主ね。アノチェからもう聞いてるかもだけど。
俺の目標はおじさんなんだよ。悪いか(少し子供らしい膨れっ面をして呟いた)
…わり、長居しちまった。
そろそろいくよ、セリオンに居る間は宿とってるから、遊びに来てくれよな。
じゃあまた!
(目標とする、おじさん、か…)
あ、うん、踊り子のねーさんにも、ちゃんと挨拶してなかったから、また行くよ。
──ちょっと、聞きたいこともあるし、また、ゆっくり。
気をつけてな。
考え込むような素振りのビリーの様子に、先程の言葉が頭の中でリフレインする。
「自分の命をいじくられる」
そういえば、精霊の墓を守ってる…っておっしゃってましたっけ?
(やっと妄想から戻ってきたようだ)
その、精霊の力っていうのは…抗いがたい物、なんでしょうか。
(…人の生命を左右する程の何かってのは
、当然、僕らよりもずっと高次元の存在なんだろうけども…)
何ていうか、年季明け? みたいなのってあるんですか?
赤坂の手にあるパスタ丼を眺めながら
”抗うか 前の俺ならそうしたかもしれない”
彼らが人の信仰心を利用している事を考えると、他にも抗う方法はあるのかもしれないが。
”そういう話は 少し長くなるが、・・・いいのか?”
巻き込むことを恐れているのか、ただ単に自分の事を語りたくないだけなのか。
え? えっと。はい…。
(当然、家族の元へと戻るため、既にビリーさん自身が考えを尽くした後だろう。
自分が聞いたところで、何の力にもなれないのだろうけど)
知っておいたほうが、…今は何も出来ないかもですが、
例えば状況が変わったり、困ったことになった時に、何とか。
僕らも動けるんじゃ、ないかなって。
ビリーさんたち、家族には、……出来れば一緒に居ててほしいんですよ。
(何となく重苦しい空気を感じて)
どう、します? 食事終わったら、奥でゆっくり珈琲でも?
”なかなかお前もおせっかいだな”
眉を上げて肩をすくめる。呆れているというより、
自分を気にかけるのがくすぐったくて誤魔化しているように見える
”そうだな、ソレ食ったら。”
パスタ丼を食べた後に腹痛に襲われ、
暫くトイレから出てこれなくなったのはまた別のお話。