笑顔を届けに

第ニ期:二度目の巡りで

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家族の暖かさ、なんて、僕に届けられるのだろうか。
赤坂 天矢  1btg

(チェイネルさんから預かった手紙を鞄に入れて、僕は北の帝都ノイゼントルムへとやってきた。 「最も深き森」の、小さな小屋に、彼は住んでいるらしかった。大事な思いを背負っていると思うと何となく気合が入る…ような気がしたが、いつもと変わらぬ胸を張らぬ姿勢のまま)
ごめん…ください… ビリーさん…?

ビリー 1cmb

(赤坂の声に気付き扉を開け)

・・・?
(訪ねられる理由がわからないのか、片耳は伏せたままで首をかしげている)

赤坂 天矢  1btg

お、お届け物です…。えっと、笑顔の。
(言ってみてから激しく後悔して、どんよりと肩を落としてしまう)
…あの、すみません。忘れてください。 チェイネルさんから預かったものがありまして。 入らせて貰っても、いいですか?

ビリー 1cmb

(聞きなれた名前に反応して、自覚なく尾が揺れる。部屋の中へ招こうとしてドアノブにかけた手を離し・・・)

(赤坂の両頬をつまんで持ちあげた)

赤坂 天矢  1btg

ふっ ふがっ!
(何するんですかっ と言いたげに見上げる)

ビリー 1cmb

(笑顔は?と言いたげに首をかしげている。当人は笑顔を作れないのか目を細めるだけ、しかし手は離さずに。)

イラスト:かげつき

赤坂 天矢  1btg

わすれてくだひゃいって言ったれしょ! とりあえず離してくだひゃい!
(何とか抜けだしたのか、手を緩めて貰ったのか、伸ばされてしまった頬をさすりつつ)
お手紙をね、渡して来ました。皆元気そうでしたよ。 丁度チェイネルさんがお出かけの時で ヴァンくんがしっかりおもてなししてくれて。
(椅子の上へと置いた荷物をほどきつつ)

ビリー 1cmb

(両手の行き場を失ってひらひら宙を掻く)
”ありがとう”
(一言書き置くと先客が使ったカップを手にキッチンへ向かった。
 コーヒーを煎れに行ったようだ))

赤坂 天矢  1btg

着替えと、何かこまごました物と… このカレーは、チェイネルさんが子供たちと一緒に作ったそうですよ。 僕のとこにも持たせてくださって、すごく、美味しかったです。
あと、この写真をね、現像できたから、どうぞって。 (折れ曲がらないように封筒に入れてある写真を、懐から取り出す)
ほんと、みんなかわいく写ってる。

ビリー 1cmb

(コーヒーをテーブルに置き、出された荷物を眺める。小さなかばんの割には「ああ、欲しかったんだよなこれ」と思うものが沢山入っていたようで、耳が過敏に反応を示す)
・・・・・。
(封筒を受け取り中身を開く。 くぅ、と息が漏れ)
”俺が撮った”
(とだけ書くと写真をじっと眺め始めた)

(赤坂の言葉に頷いては尻尾を振っている)

赤坂 天矢  1btg

ああ、そうなんですね。どうりで、皆いい顔のはずだ。
(そこにあるのは幸福な家族の縮図の様で、自然に笑みが漏れる。ちくりと胸を刺す痛み以上に、慈しみの心が溢れてくる自分自身を不思議な気持ちで眺めながら)

笑顔は、人に分けられるんですって。チェイネルさんが。 ホント、素敵な人ですね。 (ビリーさんの胸元に目をやってペンダントの存在を思い出す。ふふ、と、可笑しそうに、幸せそうに笑いながら)
たくさん、頂いてきたんでした。笑顔を。 ビリーさんに届きますようにって。

ビリー 1cmb

(照れているのか頭をぼりぼり掻いて、ホラ、さっさと飲めよ、とでも言うようにコーヒーを押し付けた)
”ただのおせっかいだ、無駄に世話焼いちまったならすまないな”
(胸元に視線を感じ、シャツと体毛に隠れたペンダントをいじる)

”〜・・・”
(何か書こうとしてはぐるぐると塗りつぶして耳を伏せている))

赤坂 天矢  1btg

あ、はい、頂きます。 (笑顔がどうも、にまにまとしたものになってしまう)

あ、あと、お土産のー、相変わらずの珈琲豆ですけど、どうぞ。 (机の上に豆の詰まった袋をずしりと置いて) ──そういえば、珈琲豆の栽培、うまくいってらっしゃいます?  ずっと気になってたんですよ。

ビリー 1cmb

(なんだよ、と眉間に皺を寄せて自身もコーヒーを啜る)

(重みのある袋に目を丸くし)

”いつもすまないな ああ 苗なら玄関脇に”
(苗のある方角を指差す)

コーヒーの苗 1cmb

コーヒーの苗は青々として元気そうだ。

苗の元気度:98
苗の成長度:4%

コーヒーの苗を育てよう! ミニゲームに参加させていただきました。
赤坂 天矢  1btg


へぇ。なんか、こうして見ると観葉植物としてもいい感じですね。
観葉植物なら、葉っぱに霧吹きで水をかけてやったりすると 元気になったりするイメージなんですけど…どうなんでしょう。

ビリー 1cmb

”殺風景だったからな 案外いいぞ”
(赤坂のアドバイスに耳を傾けている)
目標値:

ビリー 1cmb

”そうだな 試してみよう”
(霧吹きを購入する気になったようだ)

結果:成功
苗の元気度:98
苗の成長度:5%

赤坂 天矢  1btg

ふふふ、いいですねぇ、珈琲の苗を見ながら珈琲を飲む…。 思いつきもしなかった贅沢です。 (苗の前でカップを手にニヤニヤしている。きもちわるい。)
うちも買おう買おうと思いつつどうもバタバタとしていて。 これって何処で買われたんです? 普通の花屋とかには置いてないですよね。

ビリー 1cmb

”もっと暖かければ 外で、なんてのもいいんだがな”
(ふと外の景色に目をやる。3月とはいえ、窓には冷たい風が吹き付けて寒そうだ)
”作れば?” (ニッパを手にギチギチ音を立て)

赤坂 天矢  1btg

えっ 作る…って 何を? どのレベルで?

ビリー 1cmb

(ニッパを持った手が止まり)
”ああ 買ってないのは苗か 霧吹きかと”
(彫金細工の工具ケースにニッパをしまいこむ。  早とちりしていた自分に気恥ずかしさを隠せないのか耳が垂れた)
”苗ならあれだ ゾンビ連中に頼んだ。あいつらも育てているらしい。”

(芋づる式に以前ヴィゾンが土を取りに来たことを思い出す。あの後苗の様子を見に行ったら、異様に成長していたような・・・)
”腐葉土なら此処のを使ってもいいぞ”

赤坂 天矢  1btg

ああ、なるほど、霧吹き… いや、霧吹きだとしても、作れるもんなんですか、あんなの。 …いや、そりゃ、何だって、誰かが作ってるものなんでしょうけど。…… そういえばマナちゃんの髪飾りも おとうさんに作ってもらったって言ってたっけなぁ。嬉しそうに。 器用なんですねぇ。…2物も3物も、与えちゃうんだもんなぁ。不公平だ。
(最後の言葉は口の中で呟くように)
…あぁ、墓荒しさんとこですか。 僕も、お願いしてみようかなぁ。そもそも園芸とか自体が初めてで、どきどきするな…。

ふと外を見ると日が傾きかけている。この時期の森は暗くなるのが早い。 腕に自信があるワケでもない。少し名残惜しく思いながら。
じゃあ、……そろそろ、お暇させてもらいます。 表の土、腐葉土? いただいて行きますね。
(珈琲を飲み干して、席を立つ。 …いつもより少しは、笑顔で居られただろうか。届けられただろうか)

ビリー 1cmb

(うぅむ、と唸って首をひねり) ”流石に難しいか。あいつは?あの首にゴテゴテ宝石つけた奴” (どうやらテルプの事を言いたいらしい)
”彫金細工は、な ある人物から教わったんだ”
(一瞬瞳に陰りが見えたが、すぐに顔を上げ)

”お前だって一人前に治癒術が使えるだろ。俺からすれば凄い事だ”
(自分は止血くらいしかできないからな、と書き加えて。)
”ま お互い情報交換していこう。いい肥料や情報が見つかったらもっていく”

(席を立つ赤坂を目で追い、マフラーを投げた)
”風邪ひくなよ。笑顔ありがとう”

赤坂 天矢  1btg

わ…、あ、ありがとうございます…。 また、今度来る時に、ちゃんと綺麗にしてお返ししますね。 (首元にしっかりと巻きつけて。 とても暖かいのは、ビリーさんの優しさを感じるせいでもあろう。扉を開けると、外の冷たい空気が部屋へと入ってくる。これは、急いで土を詰めて行かないと。)

じゃあ、また。

赤坂 天矢  1btg

ずっしりと袋に詰めた土を背負って。
ビリーさんに手を振り返しながら。

何度も振り向いてしまったのだけれど、ビリーさんは僕が見えなくなるまで、 扉の前で見送ってくれたのだった。