ゆくとしくるとし

第ニ期:変わっていく

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もう随分と長い間、3人一緒に居る気がする。
赤坂 天矢  1btg

突然温泉旅行とかに行きたくなりました!

穀潰しどもの寄合所さまのところで、温泉RP掲示板が立てられていたので、是非行きたかったのですが…RP設定上の都合とか時間の色々とかで断念の巻。
テルプ・シコラ  1btg

……赤坂っち、何か変な電波受信してるんじゃないの?
俺っち、風呂はあんまり…気が進まない…。

赤坂 天矢  1btg

天野さんはどうです?!
イズレーンの方の! 温泉! 和食!

天野 輝樹  1btg

──和食に温泉、は大変魅力的ではあるのだが。
大浴場は、ちょっと、不都合が、あるな。

赤坂 天矢  1btg

ホント空気読まない人たちですよね…。(イライラ)

テルプ・シコラ  1btg

赤坂っち行けばいーじゃん。ひとりで。

赤坂 天矢  1btg

あー、いえ、個人的っていうかRP的には別に、それほど。

テルプ・シコラ  1btg

空気読む とは。

……さて。
異世界では丁度「今年」が終わろうと、しているらしい。 こちらの、ブリアティルトでも、なんとなくそんな空気にあてられて。

赤坂 天矢  1btg

年越しそば出来ましたよ…。

天野 輝樹  1btg

……なんだこれは。

赤坂 天矢  1btg

パスタです。
丼に盛られたスープ多い目パスタ。

テルプ・シコラ  1btg

…………。
なんかさー。おいしいの作ってくれる子がクランにいる生活って羨ましいよね…。

天野 輝樹  1btg

…………。(ずぞぞぞ)
(黙って麺をすすっている)

赤坂 天矢  1btg

何ですか、そんな事言ったって仕方ないでしょう。 文句があるならテルプさん作ったらいいじゃないですか。 うちはこうなんだから。黙って食べてください。

テルプ・シコラ  1btg

………俺っちさぁ
赤坂が、このクランの事、 「うち」って呼ぶの、すごく好きなんだあ。

赤坂 天矢  1btg

は?

テルプ・シコラ  1btg

なんかねー、俺たち全然知らない同士だったのにさぁ。 ちゃんと、ここ、帰ってくる場所になってて。嬉しいな。…なんて。 俺っちそう思うな。

赤坂 天矢  1btg

………別に、そんなの。

さっさと、食べちゃってくださいよ。

天野 輝樹  1btg

ふむ……。まぁ、悪くない。こういうのも。

赤坂 天矢  1btg

天野さんまで何なんですか…。まぁ……その。
僕だって、ここの居心地は、そんなに、悪いわけでは、無いですけれど。

天野 輝樹  1btg

ん? ぱすたの話であるぞ?

テルプ・シコラ  1btg

……いつもの天野っちだった。

天野 輝樹  1btg

……ん。──悪くない。


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赤坂 天矢  1btg

それでも結局天野さんという人は。

赤坂 天矢  1btg

異邦人である天野さんは、この世界の行く末など案じていないのだ。多分。

丁度この頃、この世界を滅ぼすという 「天命喰らい」の調査がギルドから命じられていたのだった。 この世界の外側から訪れ、世界をすべて食い尽くすという「奴ら」に関して、 天野さんは東奔西走、色々情報を集めていた様だけれど。

彼の戦う理由は、滅びゆく「自分の」の世界の為。故郷を救う手立てを探すため。 何度も天命喰らいとの戦いに挑んだけれど、 彼はどうも、あれを相手に、黄昏の聖域を舞台にして、何か確かめたい事があるらしく。

元の世界の為に。愛する誰かの為に。──この世界は顧みられることは無いのだろう。

赤坂 天矢  1btg

天命喰らいとの戦いの中で、…天野さんの右腕、だったと思う。 そこから生まれる赤い霧が僕らを、飲み込んで、僕もその煙を、飲み込んで。 それ以来、身体の中がぐずぐずと痛んで、僕らはしばらく寝込む羽目になったのだ。

それはまるで僕らの中の何かを蝕むように。変質させてしまうかのように。

イラスト:かげつき

赤坂 天矢  1btg

──彼が誰かと話しているのが聞こえる。
もしかしたら夢だったのかもしれないけれど。

天野 輝樹  1btg

──── 此処で、決行する。
──── 素質を持つ者が『ZV』に
────────。

そうだ、黄金の ───、────。
──── ────。

天野 輝樹  1btg


────────、計画を進める。
あの地獄の街を ────────。

天野 輝樹  1btg

大掛かりな準備が、必要だ。


……幸い時間はたっぷりとある。

赤坂 天矢  1btg


途切れ途切れに聞こえる彼の声は、酷く無機質に、淡々と。