断罪

第五期:そしてこれからの話

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道を失くした男がひとり。

さて。

セフィド神聖王国国王であるヘリオスが崩御。 王子であるソルディオスの即位を巡り、黎明派と穏健派が対立。国中が混乱に陥って。 反逆人 天野輝樹の捜索の手も、やっと緩んだ頃……。

ずっと「とある場所」に、身を隠していた天野も交えて、 久々にかげつきのクラン3人で会おうという流れになったのだが……。

赤坂 天矢  1btg

あ、あ、天野さん、どうしたんです? その頭。

天野 輝樹  1btg

……反省中である。

らんど殿に言われたことを実践してみた。 天つ罪に対する禊として行われる行為であるよ。 …この世界ではどういう意味を持つのかは知らぬが、と注釈を付けつつ。
古くから罪は穢であり、その穢を払うために禊を行う。その禊のひとつが…

テルプ・シコラ  1btg

いやそーいうムツカシイ事どうでもいい。 という事は、今、下の方もつるつるなんでしょうか天野さん?(思わず敬語)

天野 輝樹  1btg

──そちらは見逃してもらえぬかな、などと甘えたことを考えておる…。 まぁどちらにせよ、あれは……あれだろう。らんど殿が自分でやりたいのだろう。 おれ が自分でやっても意味が薄い気がするが……。 ごにょごにょと口ごもりながら

あちこち回って、謝罪してくる事とするよ。随分迷惑をかけたからな。 ひとつ息を吐く。 今まで愛用していた制服は、すべて処分してしまったらしい。 黒い着物に身を包んだ姿はまるで東の国の僧のそれで。

天野 輝樹  1btg

……帰るつもりであったのだよ。 あの時、おれは、あの英雄たちの刃に貫かれるべきであった。 おれは、終わる筈だったのだ。終わるべきであったのだ。

──と同時に、君たちは必ずおれを生かす とも思っていた気がするな。

天野 輝樹  1btg

赤坂殿も、てるぷ殿も、……ありがとう。感謝している。

槍の穂先には、刃の代わりにちょこんと黒猫のストラップが付いている。 「これは【おれ】の物だからな」と、機嫌よくそう言うと、 いつもの様に大股で、真っ直ぐに、クランの扉を出て行った。

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天野 輝樹  1btg

失礼する。……天野だが。
非常にバツの悪そうな顔で、そっと中を覗きこむ。 ここはクラン 翡翠のあずまや の拠点である。

天野 輝樹  1btg

先日は、世話をかけたな。誠に申し訳ない。その……。

いつも不遜な態度で真っ直ぐに人を見る天野だったが、マツリの姿を認めると、困ったように目を逸らす。恐らく自分は、彼に怖気付いているのだ。認めざるを得ないこの感情を、どう処理して良いものか分からぬままに。

林檎を持ってきたので、どうか皆で分けてくれ。 詫びの品になるのかどうか。口に、合えば良いのだが。 歯切れ悪く。

ネフライト 1mqb

おや、……これは天野さん! そろっと覗いた坊主頭にちょっとだけ目を瞠り、すぐに気付いて呼び掛け、中へと招く。 申し訳ない、との言に、特に責める様子もなく
事の顛末もマツリに大体を聞いていますが、結局は犠牲も出なかったのです。私たちとしてはそれで万歳で、もう気にしてはいませんから。 それよりも、貴方のお元気そうなお顔がこうして拝見出来て、良かったですよ。

柔らかく笑みながらそう言って、そのいでたちに興味深そうに
しかしまた、随分とお姿が改まられましたねえ……。 それは確かイズレーンの僧侶のかたの装い、ですよね。なかなかお似合いではないですか。 ……僧侶に、なられたので?

天野 輝樹  1btg

……かたじけない。感謝する。

僧侶に…なった訳では無いな。どこかに所属しておる訳でも無いし…。 今回のけじめとして剃髪し、所属していた場所の制服を捨て、 手持ちの着物を着たら、こうなった。
……嗚呼、しかし、これよりいずれーんにて居を構える故、 いずれ何処かの僧として所属する事になるやもしれぬな。 そうなったらまた改めてお知らせするよ、と、見えぬ未来に思いを馳せる様に。

ネフライト 1mqb

成程、そういったご事情でしたか。
イズレーンの僧侶というのは、こちらで言う聖職者とはまた違った……そう、求道者でもあると何かで読んだ覚えがあります。 そうして新たな道を探されるのも、貴方の性に合われているのやも知れませんねえ。 ふふ、それに、そちらでしたら食事もぴったり合われるのでは? 先へと思いを馳せているその顔を、微笑みながら見遣って
――ええ、ぜひ報せてください。冒険をご一緒出来なくなるのは残念ですが、新しい地で、お達者でおられる事を願わせて頂きますよ。 ご立派な僧侶になられたなら、ありがたいそのお姿を拝見しにお伺いしたいですねえ!

天野 輝樹  1btg

……道を、求める、か。 何にも所属せぬというのは、初めての経験でな。戸惑うばかりであるよ。 苦笑を漏らす。
有難がられる様な者に成れるよう、祈っててくれたまえ。

ネフライト 1mqb

それでも、どこか身を軽くした様なその苦笑に、おやと笑み返して
今までのご自分を整頓なされたのですから、あとはもう、純粋な天野さんご自身のその足が作る道のままに、真っ直ぐに歩んでいらっしゃれば宜しいのではありませんか?
――きっと、その道端には、新しい芽吹きがあり、美しい花が咲く。 私はそう信じていますよ。天野さん。

天野 輝樹  1btg

まぁ、前に真っ直ぐ進むだけが取り柄であるからな。香車の様なものだ。
東の国のチェスのようなものの、彼の好きな駒の名、らしい。
行ってみよう。そうだな。いつか天命尽きるまで、だ。

ネフライト 1mqb

ああ、チェスでのルークにあたる駒だったでしょうか。 ……成程、真っ直ぐな貴方と、確かに似ていますよ。

片手を胸元へ添えて、ひとつゆっくりと瞬きをする、その目蓋を伏せる僅かの間だけ祈りを捧げるようにして
――天野さん。貴方の天命が、後悔の無いものでありますよう。

ユアヴィ 1mqb

えっ……天野さんですか!?  声を聞きつけて降りてきたが、やはり坊主頭が衝撃的だった様で、ネフライトの言葉に驚く。
良かった、あの島では結局会わずじまいでしたから、心配だったんですけど……。 お師匠の言う通り、ぼくたちの事でしたら、もういいんです。

……わあ! 林檎、嬉しいです。 ぼく、果物好きなんです。それに、うちで作るお菓子にも良く使いますから助かります。 じゃあ遠慮なく、皆で頂きますね。ありがとうございます! ぺこりと会釈しながら受け取って、嬉しそうにそのたっぷりの重みを確かめている。そのまま食べる他にも、クッキーやケーキなど、その使いみちに楽し気に思いを馳せている

天野 輝樹  1btg

ユアヴィがきらきらとした表情で林檎を抱えるのを見て、こちらも顔を綻ばせる。
喜んで頂けれたなら、良かった。おれと大地の力で実った林檎だ。 なかなか上出来であると思っている。すこし とくいげだ

ユアヴィ 1mqb

えっ、これ、天野さんが育てられたんですか!
凄いですね……綺麗な赤でつやつやだし、果樹園のものみたいです。
果樹の樹があるっていうのも、いいなあ……と、ちょっと憧れた様だ

天野 輝樹  1btg

果樹は、いいぞ。毎年、その時期を迎えるのが、それはそれは楽しみになる。 友人に会いに行く口実にも、なるしな。
そういえば、それが目的だったのだ。林檎を植えたのは。

ユアヴィ 1mqb

季節の果実と一緒に想い描くご友人……とっても素敵、ですね。 大きな樹はうちだと無理ですけど、今育ててるハーブと一緒に置ける位の果実の生る鉢植えでも探して、ぼくもやってみようかな、って思います。
せっかくですから、最初に収穫できた実は天野さんにお送りしてもいいですか? 林檎みたいに日持ちのする果物じゃなかったら、焼き菓子とか砂糖漬けとかジャムとかにしてお送りするかもしれませんけど……。 それでも、良かったら、とちょっと照れ臭そうに笑った

天野 輝樹  1btg

ユアヴィの言葉にこちらもにこりと笑みを返して
それは、有り難い。落ち着いたらな、連絡しよう。 万一……実がなる頃に、まだおれが山ごもりでもしているようならば、その時は誰か君の思い浮かべる友人に、是非、代わりに送ってくれたまえ。 どんな果実になるか、楽しみにしていよう。と、にこにこと笑う。

ユアヴィ 1mqb

はい! お願いしますね、天野さん。
わあ、山ごもり……やっぱり、道を求めるっていうと厳しい修行とか、されるんですよね。 あんまり、根を詰めて怪我とかなさらないでくださいね。 修行のお邪魔にならない時に、受け取って貰えるといいなあ……。
にこにことしてくれる天野さんに、えへへ、と嬉しそうに

マツリ 1mqb

目を逸らされても構わずに、三人の遣り取りのその後ろで天野輝樹の身を、そしてその目を、己の金の眼でじっと見つめている。 その表情は凪いでいて、特に驚きも怒りも喜びも窺えない様に見える  

天野 輝樹  1btg

ちらとマツリの方を見やると目が合った。 真っ直ぐな視線に、すべて見透かされているような心持ちになる。 畏れも、不安も、迷いも、常に自分に付き纏う様な絶望という名の影も。
それでもこの先、別の世界で大きな災厄に挑戦し続ける 「天野輝樹」としての矜持だけで、その目を真っ直ぐに。見返した。

曇りの無い瞳に映る自分の姿が、まだ胸を張り、立っていることを確認すると 一歩、引いて。 無言でただ深く、深く一礼を。

マツリ 1mqb

己を真っ直ぐに見返してくる瞳に、心地良く貫かれ、ひとつ瞬きをした。 深く深く腰を折ったその前に、あの時の様に音も無く、静かに歩み寄る

――天野輝樹。いい風を纏う様になったな。 その瞳のまま、正しく抗え。正しく求め、正しく手を伸ばせ。 そうすれば、風も大地も、お前に微笑むぞ。 ……今、ここに居るお前に、だ。

金の眼を細めて、風が微笑む。 下げられた頭を、あの時の様に。やさしい爪で梳こうと……したが今回は叶わなかった。 代わりにそのまま、てのひらで、綺麗に刈られた頭をしょりしょりと撫でる
……む、坊主頭とは気持ちがいいものだな。天野輝樹。

天野 輝樹  1btg

ふわりと空気が揺れたと思ったら、既に風が側にあった。 微笑みの気配と共に撫でられた頭に、一瞬、心地よさに目を閉じるが、……一瞬だ。 すぐに不機嫌そうに視線を上げて。
子供の様に扱わないで頂こう。ちらとマツリを見上げる。
その、……気持ちよさで言えば、マツリ殿の様なふわりとした毛の方が、上だろう。 ちらちらと。そわそわと、遠慮がちに。髪を指して。 そ、その。触れても、良いか。手がわきわきしてる。撫でたい。

マツリ 1mqb

む、すまんな。 不機嫌そうに見上げられて抗議され、それに素直に謝る。 そして、己の頭にそわそわわきわきする手を警戒するでもなく。それへと向けて、すい、と首を傾け、下げる
んむ、毛並みを褒められるのは、嬉しいぞ。 マツリもお前の頭に触れたのだ。気に入ったのならお前も好きに触るといい。

奔放な癖のある毛だが、僅かな風も良くはらんでそよぐ、細く柔らかなほわほわとした毛並みが天野輝樹の眼前に無防備に提供されている。……おひさまのにおいが、する。 褒められた嬉しさからか、耳の先も揺れている

天野 輝樹  1btg

マツリの言葉に目をきらきらとさせて。
よ、良いのか! なでてもよいのかっ!
ああ、様々な猫に触れ、ひっかかれ、逃げられ、いつしかねこもふまおうとまで呼ばれ恐れられたその天野の手が、マツリの頭に…!

しかし、その手は不器用ながら、ふわりとマツリの髪に、やわらかく触れるように。自然のままに、流れるままに。そこには何かを曲げ、壊す為の力は、こもっていない様だった。

ああ、軽くて、しなやかだ。……良い。

マツリ 1mqb

良いのか! と大袈裟な程に感激するその問いに、頭を近づけて返答の代わりとする。 触れたその指が、てのひらが、ふわふわと己の毛皮を自然とかいくぐる心地良さに眼を細めて。呟くように、ちいさくうなる
んむ……、……。

その凪いだこころを表す手指に、少々押し付ける様に首をめぐらせながら、耳をふるりと揺らし、ぐるぐると喉を鳴らす。平穏で緩慢なその響きが、静かな時をたゆたうてのひらにも、伝わったろうか

天野 輝樹  1btg

木の葉が風にそよぐ様な静かな気持ちで、あたたかな香りをしばし堪能し、時間を忘れかけた頃、はっと顔を上げる。

──む、長居してしまった。すまない。 そろそろ行くとする。あまり一処にいても、良くないからな…。 憲兵などが居ないかきょろきょろと辺りを見渡して。
皆、元気で居てくれたまえよ。……有難う。ほんとうに。片手を、上げる。

マツリ 1mqb

はっと顔を上げて離れる手を、少し名残惜しそうな金の眼が見遣る
もう、いいのか?  ――んむ、往くのだな。天野輝樹。 今のお前の手は、とてもいい。慈しむ手だ。また逢えた時には、また撫でてくれ。

あげられた手に、自分も片手をあげて応えながら。ひと言、無事を願う響きの声で
元気でな。

ネフライト 1mqb

私たちは構いませんが……そうですね。 貴方は、あまり大手を振って歩き回られる訳にもゆかないのでしたね。
きょろきょろと忙しない目線に、少々悪戯っぽく笑い掛けて 大丈夫です。面倒臭いものが来たら適当にあしらってお帰り願いますから、任せてください。

――では、天野さん……お達者で。

ユアヴィ 1mqb

……そういうの、お師匠、得意ですから。本当に大丈夫ですよ。 師匠の頼もしい笑顔を窺いながら、天野さんへと安心させる様に笑って

こちらこそ、お引き止めしちゃってすみません。お気をつけてくださいね。 林檎、大事に頂きます! ……ありがとうございます、天野さんも、どうかお元気で! ちいさくあげた片手を、懸命に振って見送る

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天野 輝樹  1btg

……邪魔をする。天野だ。先日は、世話になったな。
ぬっ という表現がしっくり来そうだ。孤児院の門から、着物姿の天野が顔と、頭髪の無い頭を覗かせる。
あるば殿も、君鳥殿も……、あのちぇ殿は今は居られるかな?

アルバ 18k0

あ…あ??!あまの?! な、なんだよその頭!はは!
ぽんぽんじょりじょり、その頭に触ってからかっている

天野 輝樹  1btg

折角うちに植えていた林檎の木も枯れてしまってな…。 これは貯蔵庫に保存していたもので、新鮮なものでは無くて悪いが、 詫びの印として、受け取ってくれると嬉しいよ。
籠に山盛りの林檎を背負って。

……さふぁいあ殿は、本当に……行ってしまわれたのだな。 テルプにでも聞いたのだろうか。少し寂しげに周囲を見回して。

アルバ 18k0

ああ、サファイアはいないよ。 匿ってくれたアノチェが出ていったから、とかいってたけど。 んな寂しそうな顔するなよ。アイツ本気でお前を殺そうとしてたぞ。 …お前にとってはその方が本望だったのかもしれないけど…。

……そういやあの眼鏡のおばさん(おばさん!)もムカつくこと言ってたし。 この世界を餌にしたからには、せめて、お前の元の世界が良くなってるのを祈っててやるよ。

天野 輝樹  1btg

元の世界、か。……有難う。 少しでも、少しでも、おれの欠片が世界を生かせるのならば、 おれの生涯をかけた甲斐があったというものだ。
……仮に、既に滅びの決まった世界を己(おれ)はただ延命しているに過ぎぬとしても。

──いつか黄金の門をくぐってあれがこの世界に蔓延せぬとも限らぬ。 せめてそれまでには、何か成果が出ていれば、尚、嬉しいと思うよ。 静かに、笑う。

君たちにも、大変ご迷惑をかけた。謝罪と、感謝を。……有難う。丁寧に一礼を。

アルバ 18k0

丁寧に謝罪をする天野に対して
……馬鹿野郎が。 謝るなら島の、実験対象にされた人達にだろ! 俺はすくなくとも、…あの島に向かったやつらの、何人かは、お前という人間を、多少なりとも知ってたけど。 あの島にいたやつらは。 お前のことは悪魔でしかないんだからな。

そんなわけで、勝手に代弁してグリグリの刑にしてやる。面貸せ。 と、籠手がついた状態で拳を握った

アノチェセル 18k0

あ、アルバ?!
な、なにやって…あ、あまの、さん? す、すごい、雰囲気変わったね…?
たまたま居たらしいアノチェセルが声をかける。その腕の中には小さな赤子が。

え?リンゴ?あ、ありがとう…! お、おばさんに、渡しておくね。 あ、天野、さん、もう大丈夫…なの? それは身体だけでなく、状況のこともさしているようで

天野 輝樹  1btg

あのてせる殿。まだ噛んでる。
大丈夫、とは言い難いな。あの国ではお尋ね者であるよ。 あてぃるとならばまぁ今のところ大丈夫かとは思うが、 ……ぎるどにも身を置けぬようになってしまった。 まぁ、東の果てにでも行って、これから暫く修行の日々だ。 身体の調子も、取り戻さねばならぬ故。

……其の子は…… 君と、テルプ殿の、か。 腕に抱かれた赤子を、感慨深そうに。 ははっ、よく似ておる。 女の子かな?

アノチェセル 18k0

そ、そうでしょう。
夫に似ていると言われて嬉しそうに、微笑む。
う、うん、女の子。チャスカって名前なんだ。 よ、よかったら、抱っこしてくれる? 天野に向かって差し出すように。

チャスカ 18k0

うー?

天野 輝樹  1btg

無心でこちらを見つめるチャスカの瞳をしばし、見つめて。 柔らかく、微笑んだ。
──否、今は、やめておこう。おれは、まだ罪を償ってはおらぬ。

いずれこの身が彼女を抱くに相応しく、思えたならば。 その時には是非に。

アノチェセル 18k0

わ、私は……あ、天野さん、がい、異世界の人だって、て、テルプから聞いて…ま、守りたいもののために…そう、してるのかなって、思ったの。 で、でも、私も、ま、守りたいものがあるから、譲れなかった。 テルプのいる…テルプといる、この世界を守りたいから。

え、えと、で、でね、だから…。 こ、この世界が守られて。で、でも、あ、天野、さんもいてくれて。 わ、私は、嬉しい…。
彼女はそう、微笑む

天野 輝樹  1btg

そうだな。 おれも、この目でこの世界の行く末を見ることが出来るのは、嬉しい事だ。

……あのちぇせゆ殿も、本当に有難う。 おれはな。君と出会ってからてるぷ殿の歌が 大変やさしい響きに変わっていったこと、嬉しく思っている。 彼に、居場所を、有難う。感謝している。

君らは、……君の子らは、この世界の希望だ。 出来る事ならば、たくさん子を為して。 ──生き続け世界に広がってくれ。

アノチェセル 18k0

え、えっと……。う、うん。 たくさん、たくさん欲しいな。て、テルプとの、証だから。 赤面して俯きながらも、はにかんだ。

あ、天野、さんも、……相応しくない、なんて、思わなくていいよ。 天野さん自身が、納得出来ないのなら、し、仕方ないけれど、 い、いつでも、抱いてあげてね。ま、待ってるから!

天野 輝樹  1btg

──せふぃどの裁きに従おうとも考えたのだ。 しかし、この身は君たちに救われたものであると思っている。 おれを裁くことが出来るのは君達だけだ。 だから──
アルバの方へと、向き直る。 君の罰であるというなら、おれは喜んで受けようぞ。 アルバの握った拳の前に、大人しく顔を差し出して。

アルバ 18k0

よし、覚悟しろよ!

君鳥 18k0

意気込むアルバの後ろから君鳥がやってきて
まあ…何事かと思えば…。 こんにちは、天野さん。 ふふ、その姿、イズレーンのものですね?
……セフィドでは貴方の話題でもちきりになっていましたよ。 私も一応、そこに席を置くものでしたが…。私の宗派はイズレーンで変化したもの。あちらからみれば謂わば異端です。 異端の言うことを、あちらは信用されないでしょうから、この件は内密にしておきますね。

天野 輝樹  1btg

……そうか。迷惑はかからぬようにする。今日のおれは東の国の托鉢の僧侶である…。 槍の穂先を取り除いた杖で、地面をとんとんと叩きつつ片手を祈りの形に。 杖の先の黒猫が揺れる。

君鳥 18k0

……それで、アルバは何を…?
罰、ですか?

そう、ですね。 アルバの言うことは尤もです。 ……アルバ、その役目私に買わせてくださいな。私はあの場に居ませんでしたから…ね?

アルバ 18k0

ん…わかった。おばさんがいうなら そう言うとアルバは頭を捧げた天野の前を譲る。

天野 輝樹  1btg

君鳥殿の罰か。……うむ、宜しく頼む。 孤児院の子供らも、悪さして、彼女の罰を受けることがあるのだろうか。 目を閉じてそれを待つ。

君鳥 18k0

では、失礼して…。 綺麗な指がデコピンの構えをとる

えい!
デコピンの威力:(00が最大) 

天野 輝樹  1btg

\ ズビシ! /

……。 子どもたちにやるには、少し痛い気がするが…。 大変、優しいのだな。皆。苦い笑い。 罰を受けたいと願う彼にとっては、優しすぎるその痛みに。

君鳥 18k0

…アルバやアノチェセルの話を聞くに、ご自身に厳しく、生真面目な方のようですから…。 こちら以外にも出向かれて、罰をお受けになっているのでしょう?

幸い、死者も出ませんでしたし、私からはこれで。 ふふ、優しいのでしょうか。 「罰を与えられたことで、これで終いと思ってもらいたくない」 のかも、しれませんよ?

結果オーライという考えは、私の性に合いませんが…。 アノチェセルの言うように、貴方の行動を、破滅を止めることができたこと、そして貴方とこうしてお話ができたことを、喜ぶことにしましょうか。
罪は罪。罰はいつでも受けることができます。 また、デコピンが欲しかったらいつでもいらしてくださいね。 またデコピンの指の形に構えるとふふ、と笑った。

天野 輝樹  1btg

君鳥の言葉に深く頭を下げる。

アルバ 18k0

よかったよな、サファイアがいたら

サファイア 18k0

< 脱いで♡ ヤらせて♡ 剥かせて♡ 絞りとってあげる♡

アルバ 18k0

って言ってたぜ。絶対。

アノチェセル 18k0

あ、あるば…

天野 輝樹  1btg

……さふぁいあ殿は、あんな野獣の様に振る舞わずとも 少々相手に合わせてやれば、落ちぬ男などほとんどおらぬだろうに。
まぁしかし…確かに彼女に捕まれば、 ……殺されたほうがまし、な状況になりそうだ。 いないと思って失礼な。

さて。おれはあのくらんを離れるが… どうかてるぷ殿と、赤坂殿と……新たに来るであろうくらん員の事、 どうか宜しく頼む。 ……そして本当に、有難う。 真っ直ぐに姿勢を正して、一礼を。 くるりと向きを変えると、そのまま大股に、振り向かずに行くだろう。

 18k0

去っていく天野の背中に、 アノチェセルの手向けの歌と赤子の笑い声が、響いた。

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天野 輝樹  1btg

……邪魔をする。天野だ。れヴぃあ殿と、みゅー殿はおられるか? 先日は色々と迷惑をかけ、世話になったな。
ゾンビの島の騒ぎから何ヶ月経っただろうか。 最後に見た時にはぐったりとしていたその背筋はしゃきと伸びて。 印象が違うと感じるのも当然だ。服装も髪型も何から何まで変わっている。

ミュー 28ka

え……と どちらさま??? えっ……あの天野さん!? どーしちゃったのさ!? 
亜人の少年は玄関の青年を見るに目を丸くすると

レヴィア姉さん!! タイヘンだよ! 一大事だよ!! ばたばたと家の奥に走り、軍服の女の手を引き連れてくる

天野 輝樹  1btg

やってきたレヴィアに向かって一礼を。
詫び、になるかどうか。砂糖の菓子を持ってきたのだが…。 どうもおれはこういう、贈り物など、とんと縁がなくてな。 赤坂……うちのくらんの眼鏡の男の案で テルプの……吟遊詩人の方のお勧めの店のものらしい。

好まぬ味であったらすまないが、貰ってくれぬか。 一口サイズのかわいらしいお菓子だ。 丸いカラフルな砂糖のコーティングの中にナッツやフルーツが入っているようで、 表面にはこれまた砂糖で花や鳥の絵が描かれている可愛らしいもの。 ひとことで言うと少女趣味。

んで、な。おねーさんに、叱られに来たよ。少しおどけたように、苦笑。

レヴィア 28ka

その頭、出家僧にでもなったのかと思ったぞ……。 反省するのもまあ、形から入るというのも悪い事ではない。
連れられてきた軍服の女はしばし 天野の話を目を閉じ聞いた

天野 輝樹  1btg

自分自身で思っていたより、冒険者としてのおれの生活は、幸せであったようだ。 ……それに気付いたところで、恐らく己(おれ)はあの道を選んだのだろうから… 後悔はしていない。しかし、省みる事は出来る。 もう二度と、ああいった事はせぬと誓おう。幸福を投げ捨てるような真似は。

レヴィア 28ka

過ちは二度と取り返しは付かぬからな。 ――それらに気づく事ができたのならそれで構わんのだ。 さて……ともなるとその心意気を受け取らんわけにはいかんな。 目を伏せ、息を吐くように小さく笑うと 菓子を受け取り

レヴィア 28ka

――では宣言どおり私からはコレをくれてやろう。 実にクリクリとした頭だ。 どれ?

悪戯に笑みを浮かべつつ 拳骨をその頭のこめかみに。 そのまま何事もなければかるーくぐりぐり攻撃でおしおきをするだろう。

天野 輝樹  1btg

ぐりぐりと、ともすれば心地良いほどの攻撃に

随分と優しい仕置きだ。 少し困ったように笑う。

レヴィア 28ka

貴殿には使命があったのだろうから思えば已む無し……だったのだろうし、 まあこれで、チャラ ということでいいだろうしな。 ぐりぐりとし終えると くすりと笑みを浮かべ ふと。思わず目線は丸く刈られた頭へと向けられた。

天野 輝樹  1btg

ふと頭の方へと向かう視線に、彼女の先程の台詞を思い出す。
──出家、か。しみじみと。 これまでの自分を捨てて行くという点で、出家というのは正しいかもしれぬ。 正直、生きる目的を手放してしまい…ある意味達成してしまい、 少々道に困っておるところでな。 まぁしばらくは神龍山にでも篭って、自らを見つめなおしてみるつもりだ。 ……そのうち、新しい目標も、自然と見つかることであろうよ。 どこか楽観的なのんびりとした口調。

では、お邪魔したな。本当に…感謝している。有難う。 おふたりとも、お元気で。それぞれ想う道を、往けるよう…祈っている。 丁寧に礼をして……、呼び止められなければそのまま背を向けるだろう。

レヴィア 28ka

そうだな……では私からは貴殿への絆が今まで通りとは行かずとも 再びつむがれていくことを祈ろうか。 どのような道を行こうども 今の天野殿ならきっと問題はないだろう。 ああ、では達者でな。
去りゆく相手を敬礼をして見送る

ミュー 28ka

あっ、天野さん! 折角だからこれもっていってよ! あわただしく家の置くまで走って行ったかと思えば、小さな袋を持って戻ってくる

おいしいバタークッキーだよ! 考え事にはトーブンがいいからね? あれ、おぼーさんはクッキー食べちゃダメなんだっけ……? どうやらまだ勘違いしていたようで レヴィアに訂正され 苦笑いしつつ

えっ、おぼーさんじゃないの? ならだいじょーぶかぁ まあ、良かったらもってってよ!! その袋を天野に差し出すだろう

天野 輝樹  1btg

ほう、ばたあくっきー。……有難う。道すがらいただくとしようか。
色々考えてみるよ。これまでよりも、柔軟な考え方が必要になってくるだろうから、な。
袋を受け取ると、右手に持った槍……だったもの (既に穂先は無く、まるで杖のようになっている) を、とん、と地面に付いて一礼を。どうみても托鉢。
では、2人の道に祝福あれ! また会おう! そう言うと大きく手を振って、大股で、真っ直ぐに歩き出した。

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風子 18kx

はいはーい、いらっしゃ………あれー?
な、なんでお坊さんがこんなところに………?

天野 輝樹  1btg

邪魔をする。天野だ。先日は世話になった…。謝罪にな、来たのだ。 特にこのくらん、ゆかりの人間を、巻き込んでしまっておったと聞いてな。 誠に申し訳ない。

風子 18kx

風子は頭髪と服装を見て首をかしげるが、見覚えのある顔に気が付きポンと両手を叩いた。 あー…アマてる君かぁ…見事なまでに剃ったねぇー…。 こうなったら、アマてる君というよりはあまテカ君だねー…あ、頭なでてもいーい? そう言って見事に剃られた頭を撫でようと手を差し出し

天野 輝樹  1btg

あまテカ。大人しく撫でられながら。
何だか皆頭を触りたがる。……分からぬでもないが。 自分でも触ってみたが、なかなかこのじょりっとした感覚は心地良いものだな。

天野 輝樹  1btg

──おれは、今まで此の世界の外の目線を持っておってな。 其処から見ると、冒険者として おれ と接する人間以外、すべて同じ様に… 生命など持ちあわせておらぬように見えた。 彼らを犠牲にするのに、何の感情も持ち合わせていなかったのだ。

1btg

確かにその通りだった。無貌の。姿も名前も無き者たち。 彼らは己(おれ)に何の躊躇いも抱かせることはなかった。それは嘘では無い。

ただし……、我が愛しき英雄、冒険者たち。君らの誰を犠牲にしたとしても 己(おれ)は躊躇う事など無かっただろう。それもまた真実だった。

天野 輝樹  1btg

しかしな。この世界に固定され、やっと、おれの認識を改めた。 この先彼らと共に生きる者として、……誰の命も奪わずに済んだ事は喜ばしい。 もしも誰かを殺めてしまっていたならば… おれは、おれがこの世界で生きる事を許さなかっただろう。

すまぬな。おれを、救ってくれたのは、間違いなくあの町の人々を残らず救ってくれた君たちに他ならない。 感謝する。……ありがとう。深々と、頭を下げた。

風子 18kx

彼の事情を聴くとなんか合点が言ったような顔で
なるほどー。 あまテ…アマてる君は外の世界の人だったんだねー…アタシ達と一緒だねー。 そーいう事情ならためらいなく無名の民を犠牲にしようとしたのも納得なんだよー。

あー、マルス君を巻き込んだ事はアタシは別に気にしてないよー。 アタシからしたら、逃げ回っていたマルス君を今回の騒動のおかげで無事保護できたし、 終わり良ければ全て良し!って言葉もあるし〜♪

天野 輝樹  1btg

風子殿が他の世界の住人とは知らなかったな、と顔を上げる。
どんな事情があれ、おれがこの世界に危害を加えた事に変わりは無い。 おれとて、いくら相手にやむを得ぬ事情があったとしても ……おれの守るべき者を傷付けられて、黙ってはおられぬよ。……。

風子 18kx

あー…やっぱりさっきのじゃ納得しないよねー………んじゃ、どうしよ…。 どうすればいいか風子はうんうんと考え

…あっ、そうだ。 こーいうのはアタシが決めるんじゃなくて当の本人が決めた方がいいよねー。 マルス君を呼んでくるから、ちょーっと待ってねアマてる。 そういって、風子は急いで奥の部屋の方へと駆けていった。

天野 輝樹  1btg

その、巻き込まれた本人がいると聞いて、それは是非に、と、 風子の背中を見送りながら、大人しく待機している。

風子 18kx

少し待つと、風子と共に赤毛の少年が一緒にやってきた

アマてる君、この子がアタシが探していたマルス君だよー。 マルス君、挨拶してー。 そういって風子は傍の少年に挨拶を促す。

マルス 18kx

風子のそばにいた赤毛の少年は、拾ってきた当初とは見違えるほどに綺麗な格好で、彼に合う眼鏡も与えられている。

…話は風子さんから聞いています。 貴方が…あの事件の主犯だったんですよね…。 少年はそういうと片方の手で眼鏡をかちゃりと動かし

恨み…ねぇ。 その前に、ちょっと僕の話を聞いてはいただけませんか?

マルス 18kx

…僕は数年前から厄介な奴らに追われていまして…逃亡生活に疲れ果てていたんですよ。 ですが、貴女が僕を誘拐した事により厄介な奴らは【直々に手を下さなくても僕は死ぬだろう】と思ったらしく、 僕を始末しようとしたヒットマンを撤収させたらしいのです。

…だから、僕はあなたに恨みなんて持っていません。 なぜなら貴方が誘拐してくれたおかげで僕はあの辛い逃亡生活から解放されましたから。 とてもアーサーと同い年とは思えない口調で目の前の青年に淡々と語る。そう語りつつも魔導書は手放そうとしない。

……ですが、風子さんが救出してくれなかったことを考えると、やはりちょっと罰を与えた方がいいですよね。 でしたら…… 少し考え、少年が天野に伝えた罰は…。 

1.4:頭を叩かせてください 
2.5:デコピンさせてください 
3.6:やっぱり罰は与えません

マルス 18kx

…頭を叩きますので、僕に頭が届くようにかがんでください。 少年は天野に頭をかがめるしゃがむか指示をする。いったい何でたたく気なのか…。

1.パーの手(叩くというよりは撫でる感じ)
2.ぐーの手(あまり痛くない)
3.魔導書の表紙(ちょっと痛い)
4.魔導書の角(かなり痛い)

天野 輝樹  1btg

屈んだ頭を、……思ってもいなかった衝撃が、一点に集中する。 ゴス!と、音がしたような気がした。思わず床に突っ伏す。
……なかなか、体格に似合わぬ威力の、……良い攻撃だ。 そこだけ頭がへこんでいるのではないだろうか。

マルス 18kx

風子さんからあなたの戦闘の役割を聞きまして、 …タンクならこれ位の攻撃を与えないと駄目かと思っていました。
淡々と話す。

風子 18kx

天野が受けた攻撃に思わず風子も頭を抑えながら
た、タンクでも…流石に本の角は痛いよー… 償いとはいえ…マルス君が無茶してごめんねー?

天野 輝樹  1btg

痛む頭を抑えながら身体を起こすと、目の前の少年の顔をまじまじと見た。 連れて来られた時には、そこらの無謀の民と同じように、自分には認識出来なかった顔だ。
結果的に、君たちの良い形に落ち着いたのならば、その点は良かった。 しかし……改めて、謝罪を、な。──迷惑をかけた。 深々と、頭を下げる。

マルス 18kx

青年の頭のくぼんだかもしれない場所を撫でようと手を差し出す。 もし撫でることが出来たなら、その触感に少年の笑みがこぼれただろう。

外の世界やら、貴方の認識とかは僕にはまだ理解することが出来ない言葉もありますが… 罪を償おうとしていると思っているのなら、貴方はもう大丈夫だと思いますよ。
その気持ち…忘れないでくださいね。 青年に一礼し、少年もそれにこたえる様に少し微笑んだ。

天野 輝樹  1btg

少年の笑顔に、こちらも痛みを忘れて思わず笑顔に。 有難う。……忘れぬよ。 風子殿も、ありがとう。

おれはこれからくらんを抜け、いずれーんの方へ移り住む予定だ。 なかなか会えなくなるが、……機会あらば、宜しく頼む。 君たちの有事を聞けば、駆けつけると誓おう。 ──では、な。ありがとう。 そう言って、また一礼を。

風子 18kx

そっかー、アマてる君はイズレーンの方へ行っちゃうんだー…。 んじゃ、アタシ達がイズレーンの方へきた暁にはまたお土産持って遊びに行くよー。 ナオが故郷に帰るから大量の和食を用意するのはチョーっと難しいかもだけど…。

でもまー、すべて丸く収まってよかったねー。 もし死者が出た状態で認識が変わってたら…ぜーったいアマてる君後悔してたと思ったし、 アタシ的にはこれでよかったと思うんだよー? 客間から来た、ナオミに体を向けて、ねー?と同意を求めた。

ナオミ 18kx

ナオミは大きめの風呂敷の包みを抱え、呆れた顔で天野くんをじろじろと見て
…どうも、天野君。 盛大にやらかした償いをしに来たと風子から聞いたわよ。

本当なら私もぶん殴りたいところだけど… 当事者からキツイ一発をもらったみたいだからやめておくわ。 多分リョウにもぶん殴られてると思うし…ね。 現場を見ていないナオミは推測でそんなことを語り。

天野 輝樹  1btg

戦いの場にこそ姿を見せなかったけれど、リョウがあの島で倒れていたということは聞かされていた。 恐らく救出に奔走していたのだろうと、こちらも憶測でそんなことを思いつつ。 ナオミの目線に、恐縮したように頭を下げる。
……ナオミ殿は、帰られるのか。 ん、「ナオ【が】帰る」という事は、風子殿は、此方に残られるという事なのだな? ふむ、どちらも、納得出来る選択が出来ておるなら、それが一番だ。

ナオミ 18kx

ああ…そうだわ。 まだまだ挨拶回りするのでしょう? これ…餞別として渡しておくわ…大切に食べて頂戴。
そういって、突き出すように風呂敷の包みを天野に差し出す。 中には鯛めしと紫蘇ご飯のおにぎりが大量に入っているようだ

天野 輝樹  1btg

握り飯を受け取る。
かたじけない。 ──実はな、ひどい空腹の原因となっていた「これ」が、止まってしまってな…。 胸元を寛げると、身体の一部に何かの機械のようなものが埋まっている。

リョウ殿程はたくさん食えぬようになってしまった。 これは道すがら、……馬車などで共に行く人と、分けさせてもらうよ。
通りすがりの、…今まで顔を見ることすら叶わなかった人たちと、 食べ物を分けあって旅路を行く。 それは天野にとって、とても新鮮な事だった。
ナオ殿。元の世界に戻られても、どうか達者で。 リョウ殿も共に戻られるのであろう? 宜しく、伝えておいてくれ。
では、……ありがとう。 そういって、貰った風呂敷包みを抱えなおすと、空いた方の手を振った。

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天野 輝樹  1btg

……変わった雰囲気の場所であるな、此処は…。 灰色の聖堂に、坊主がひとり。とてもアンバランスな絵面に見えるかもしれない。
邪魔をする! かーにばる殿…かーにばる殿は居られるかな? きょろきょろと見回して、目を留める。

……む、これは、からおけ…かな? 懐かしいな。昔、ばーさまがよく歌っていた…。 天野の実家にはレーザーディスクカラオケなるものがあったらしい。 古風な祖父とは違い新しいものも好む祖母が購入したものだ。 カーニバルさんが出てくるまで、興味深そうにカラオケ機器を触っている。

カーニバル  2941

機器を触る坊主の、その背後 ソファーの影に白い男はいた。 横たわっていた身を起こして 天野さんにそーっと近づき、着物の裾に手を伸ばす。

坊さんってふんどし?  カーニバルは すかーとめくり を仕掛けた!

天野 輝樹  1btg

……なにをする。 怪訝そうな顔で冷静に振り向く。見えた。白ふんどしだ。 ちなみに学生服の時もいつでもふんどしだ。このゲーム終わり際に要らない情報を手に入れてしまった!

一瞬何をしに来たか忘れてしまったではないか。 謝罪だ、謝罪。その、あの島では、世話になったなと。 謝罪の態度ではない。

おれは酒の事は分からぬから、店主オススメの品をそのまま入手してきてしまった。 黄金の門を通ってきた逸品らしいぞ。イズレーンの酒に似ているようだ。 純米大吟醸、と書いてある。残念ながら銘柄は消えかけていて読めない。 世話をかけた詫びの品だ。取っておいてくれたまえ。

カーニバル  2941

ふんどしだ、天野さんのぱんつはしろふん! しろふーん! ふーん!
ぱっちり見えた白に、けらけら笑い声上げて。 純米大吟醸酒を見た瞬間に、ひったくる…

わぁお、あっはぁ 異界産の酒だぁ! レア物の上等品! 良いねぇ! ありがたく取っておくよ! …で、何だっけ? 首かしげて
カラオケ? 謝罪? 謝罪カラオケ? 歌う?

天野 輝樹  1btg

謝罪…からおけ…?  え、演歌しか知らぬが良いか?
流れのままにマイクを手に取り、祖母が好きでよく歌っていた歌を。

◆カラオケ:値が100に近いほど上手い
  /2 出目100で最大50

へたくそなので出目二分の一です

天野 輝樹  1btg

34点…
調子の思い切り外れた歌だが、本人は大変気持ちよさそうに歌っている!
うむうむ、久々に歌ったが、良いものだなぁ。すごくうれしそう

カーニバル  2941

…… ……、 それで謝罪のつもりかよぉ! 誠意を見せろぉ!
外れた歌と嬉しそうな様子に 叫び、手元のものを掴んで投げる!

◆石 

カーニバルの放った個包装の飴玉が天野さんに向かって飛ぶ! 当たっても大して痛くないぞ!

天野 輝樹  1btg

なっ 何故 物を投げる。誠意たっぷりであったろう!  む、良し分かった。聴き足りぬと、そういう事だな。うむうむ、堪能すると良い。 調子に乗ってきたのか、楽しそうに曲を入れてる。

◆カラオケ  /2  /2  /2  出目100で最大50

決して50以上は出ないレベルの歌を何曲も。

天野 輝樹  1btg

〜〜〜♪♪

何だこの…平均して微妙。ずっと微妙。 だめだこいつはやくなんとかしないと

カーニバル  2941

誠意って言葉の意味知ってるー? やだぁ、このおんちはげー!
次々と歌われる微妙な、全曲微妙な歌にぽいぽいぽいっと<石>を投げる!

◆石     

天野さん目掛けてシェーピングパイと塩とトマトが飛んで行く! シェーピングパイは食べられない!トマトも食べられない、爆発物だ! 塩だけが食べられる!

天野 輝樹  1btg

爆発アイコンは穀潰しどもの寄合所さまの作です
天野 輝樹  1btg

何だこれは。賞賛の花火か。爆発です。 ところどころ焦げたりしながら、けろっとしている。

うむ、やはり歌は良いものだ。楽しいな…。 残念ながら、まだ回らねばならぬ箇所がある故、ここまでにしておこう。 満足させられなくてすまぬな。また遊びに来て、今度は朝からたっぷり聞かせてやろう。

では、またな。 はははと、笑いながら、恐らくここに来た目的をすっかり忘れてしまっているような軽やかな足取りで。

カーニバル  2941

…っく! 賞賛じゃないし花火じゃないし、オンチだから!
さすがHP400は強かった… 悔しげに叫び。

楽しんで貰えて結構だけど… 朝から歌いまくったらセリオンの連中呼ぶからな。 捕まえて貰って報奨金貰う、覚悟しておけ。 つぶやきは坊主姿の背に向けて。軽やかに立ち去る姿を見送る。

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天野 輝樹  1btg

大きな籠に林檎を積んで、天野が玄関から声をかける。
……邪魔をする。しあん殿はおられるかな?  先日は大変に世話になった。……有難う。

と、周囲を見渡して。
先日はひとりで来られていた様だが…他の者は、詳細を知っているのであろうか?
他のメンバーに知られたくない話だった場合を考え、そっと小声で。

シアン 1cmb

声にこたえて顔を出したが、見慣れぬシルエットに一瞬戸惑って
はーい、天野さ…ん だね…
どうしても涼し気な頭に目線が行くのは仕方がないだろう。

髪型変えたんだね…イメチェンかな? 今までのもよかったけど、服とあわせてすごい似合ってるねぇ…!
お尋ね者として身を隠すにもちょうど効果的だね
小さな声に、やはり小さな声でこたえて

んー、取り立てて隠し立てしてるわけでもないけど… おおっぴらに言うことでもないし、知れば心配もしたかもだから、そーっとね

天野 輝樹  1btg

ひとつ頷くと、声のトーンは抑えた調子で。

おれの傷を癒やしてくれたのは、君だと、後から赤坂に聞いたよ。 有難う。お陰ですぐに動けるようになった。 あと、な、良い ぱんち も頂いた。……心の真芯に響く一撃であったよ。 普段癒やしの力を使う彼女の一撃…非常に珍しいものを見たような気がする。 あの一撃を受けられたのは、もしかしたらとても幸せなことであったのではないかと、 そんな事を何となく思う。

シアン 1cmb

お礼をいわれるようなことはしてないんだけど、 こういうのは素直に受け取っておこうかな、どういたしまして。 私、できれば「みんな」で元気に帰りたかったんだよね…ふふ。 そうでなくても、きっとみんなよってたかって癒やしてくれたんじゃないかなぁ。 お薬余ってる人たちも、自分が怪我しててもどんどん出してたじゃない
多くの、優しいひとたちの顔を思い浮かべてくすりと笑う

天野 輝樹  1btg

そうだな、たくさんの薬もいただいたよ。持ち帰るのが重い程に。 あの重さを思い出すと、……この生命、無下にするわけにはいかなくて、な。

シアン 1cmb

うん、これからも元気で居てくれないとね…!  その重さ…気がつかなかっただけで、きっと前からあったはずだもの。

んー、あと…あのぐーはちょっと自分の思惑もあったから…その…ごめんね。 まあ、やってみればすぐ分かることだと思うんだけど…。

そう言うと力いっぱい、しかしへっぴり腰なぐーのスタイルを取りはじめ、 あの時と同じようなしょぼい勢いで、今回はみぞおちめがけて繰り出そうとする。 もちろん何の心得もないのが見て取れる…圧倒的に見てから回避できる速度だ。 もし甘んじて受けてみたなら、言わんとするところは分かるだろう。 そのパンチは何の威力も、またほんの少しの衝撃も持たないことに

天野 輝樹  1btg

……ふんわりとしたぐーパンチをそのまま受け止めて、その性質に目を丸くする。 赤坂が居れば”魔法の力がー”とか”加護の力がー”などいう解説が聞けたのだろうか。 天野にはその威力の無さの理由はまったく分からぬが。

……これが、君の持つ本来の性質、というわけか?
……顔を輝かせて。

そうか、ではあの一撃は、渾身の、一期一会の、ぐーか。 それは効くはずだ。何たる幸運、何たる機会か。 正直、あれで戦の流れをすべて変えられた気がしておる。 あのぐーは、君の、「みんなで」という想いが篭っておったのだろうな。 それは強くて、優しくて、……美しい、英雄の、素質である。 それを、その黄金を受け止められる程の人間の器となりたいものだ。 嬉しそうに笑う。

シアン 1cmb

笑えるほどへんにょりしたぐーを放ち、そのあと顔をしかめて
う…こっちの手のほうがちょっと痛くなっちゃうくらいだよぅ。 そう、アレはちょっとした…奇蹟?みたいなもんだね

それから一瞬、色々なことを考えて…例えばそのみんなに「自分」が加わっていなかったこと、 あの結界の、あるいは世界の法則の下における自分の存在意義、みんなのまばゆい黄金… それらをすべて飲みこんで一つの言葉にまとめることにした
…ありがとう  ふんわりと、笑っておく
器は、あのとき見失っていただけで、いつもそこにあったはずじゃないかな…

天野 輝樹  1btg

その言葉に、感謝の意を込めて、微笑みかえす。

──さて、迷惑をかけた詫び代わりだ。 うちで作った林檎を持ってきたから、料理にでも使ってくれたまえ。 どさりと、背中の籠を足元に置いて。

シアン 1cmb

明らかに表情を輝かせて

わぁ、リンゴ作ってたんだ…! リンゴって結構手がかかって大変だろうに こーんな綺麗な色でおいしそうに大きくできるなんて… ありがとね、大事に食べるよ! アップルパイもいいし…でもまずは生だね!
リンゴの一つ一つの立派さにホクホクしている

天野 輝樹  1btg

おれの林檎は、大地の力を借りて作ったものだよ。魔法の様な物だ。 ──大地の力を失くしてしまったら、すぐに、枯れてしまったよ…。 日々手間暇をかけて育てている本物の農家の方には頭が下がる。

……今回で、最後だ。賞味頂けると、きっと林檎も嬉しく思うだろう。

シアン 1cmb

わ、不思議な林檎だったんだね。 もちろん大事に食べるけど、最後にはしないからね。 食べたら庭に種を植えて…また実がなるまで大きく育てるんだから…!
10年くらいかかるらしいけど、できたら今度はこっちが持っていくからね! 頼もしいベテラン達がうちには居るんだから、とにこりと笑う

天野 輝樹  1btg

──そうか、種があるのか。……最後に、ならぬのか。成程…そうか…。
考えてもいなかった言葉に、目を瞬かせて。

すごいな。生命は。──では、身を結んだら、是非に。 今度は君らの心がたっぷりとこもった味に、なるのだろうな。 楽しみに、しているよ。 10年も先の約束に、顔をほころばせた。果たせるといいと思う。

シアン 1cmb

私も手伝っておいしい実にするからね! 楽しみにしててね!
ぐーを、今度は決意の意味で空に振りかざして

天野 輝樹  1btg

さぁ、往くよ。今のところ、何処に行くのかは分からぬが。 ずっといずれーんに行きたいと思っていた。……落ち着いたらな、連絡をしよう。
──では。ありがとう。皆にも、宜しくな。 丁寧に礼をすると、真っ直ぐに歩き出した。 迷ってなどいない風に、背筋を伸ばして。

シアン 1cmb

イズレーン…ごはんおいしくていいよね、あそこ! ちょうど遠いし…なにより天野さんにぴったりっぽいし…いいね、うん

落ち着いたらでいいからね! 捕まったらやだからね! あとあと、みんなにもきちんと伝えておくからね

それじゃぁ…いってらっしゃい! まっすぐに新たな道を歩いて行く背中を穏やかに見送った

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シャイン 1cmb

ある日の日記

今日は立派なリンゴをもらったっていうからさ、 早速、まずは生でいただくことにしたぜ! 色艶も味もよくて、いいりんごだった…。 なんか魔法っぽい何かで育てたらしいけど、すごいな、これ。 明日は菓子類にしてもいいし、いやソースにつかうのもいいなぁ…

そうそう、種は植えることになった。 育てて木にしてリンゴが成ったら今度はこっちから上げに行くんだ。 なんかいいよな、そういうの。 オレ達は農業に関しては魔法っぽい何かはないけど経験はあるからな! 時間こそかかるけど、このリンゴみたいなリンゴをしっかり育てて持っていくぜ!

多分、今までなんだかんだでぐるぐるしてる分を合わせるとかなりの年数だし 10年くらいは全然間に合うと思うんだよな

それに、このなんだかんだで広くなった庭に大きな木も欲しかったからな。 それがうまいリンゴの木だったら嬉しいってのはみんな同じ気持ちだったし、 今は早速鉢に埋めたところで、ドーラがじーっと埋めた鉢を見てる。 さすがにそんなすぐには生えないぞ…? 一応リンゴを食べるたびに幾つも植えて、しっかりできた苗を選んで育てるつもりだ。 まあ、1本だけってつもりは毛頭ないけどな! 何が起こるかわからないし場所もあるから複数本育てるに決まってるんだぜ!

ああ、楽しみだなぁリンゴの木…。 オレは知識だけで実践したことがないから今からワクワクしてるけど、 ルネッタはイチからではないが育てたことがあるらしいから安心だな。 それにドーラもいるしな! シアンは…ほら、いざとなったら病気とか吹っ飛ばせるだろうし! みんなでうまいリンゴ作ろうぜ!

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テルプ・シコラ  1btg

おーーーっす ねねね、フェリクス、居る?
穀潰しどもの寄合所 の拠点へと、テルプがぴょこりと顔を出す。

あ、ジェーンちゃん、天野っちがさ、やっと隠れ家から出れるようになったんだよー。 天野っち、ジェーンちゃんに直接謝りたいって言ってたんだけど、 この辺、天野っちの似顔絵とか出回っちゃっててさ。 セフィドの偉い人とかに見つかるとまずいんだって。 んで、俺っちが代理で。

……落ち着いたら新居教えるから、いつでも殴り飛ばしてやってよ。ね。

ジェーン  1avd

以前よりは衛生状態のいいシスターが出迎える
どーもどーもお歌のにーさん、殺風景でごめんねー。 ん、ああ学ランのアレのこと。手配書見たですよ! いやーアタシも顔が割れるまでの悪い事はしたことねーですからなんかもう殴る気も失せちゃって、ま、もう大して気にしちゃねーですよ。

テルプ・シコラ  1btg

殺風景、の言葉に改めてロビーを見回すと、すっかり片付けられた拠点に……、ここで出会った様々な冒険者達と大騒ぎしたその風景が、一瞬、見えたような気がした。一抹の寂しさも感じつつ、……みんな未来に向かっていくのだな、と。感慨深く微笑んだ。

そうそう、天野っちオススメのお米と、それで作ったおにぎり。 お詫びの印にって、持ってきたよ。 あの人ジェーンちゃんには何か食べさせておけば おとなしくなるなんて思ってるんじゃないかな。失礼だよねー、まったく。

ジェーン  1avd

…めしだ!!すぐ飛びついて
うまうま…おにぎりはいいけど、コメってどーやって食うの。炊くの? いずれにせよ神父にやらせようという強い意志を感じる!

テルプ・シコラ  1btg

コメなぁ、俺っちもよく分かんない。天野っちが水入れて火にかけたら出来てる。 …まぁ、神父さんなら作り方知ってるっしょ。まる投げ。

ジェーン  1avd

えっと、待っててね。詩人のヤローは多分もうすぐくる時間でやがります。

その言葉通り、テルプの後ろから顔を出して。親友の姿に少し驚いたようだ
…げっ、出たな、妻帯者!ガキの様子はどうだよ。 なんだお前、ジェーンの餌付けに来たんか。

テルプ・シコラ  1btg

あー、フェリクス。 戻ってきたフェリクスに振り向いて。
げ。って。何かの虫みたいに言うな。 チャスカもアノチェも元気だよ。毎日ばたばたして一日があっという間で、 自由の自の字も無い感じだけど、……ま、楽しくやってるよ。

いつかに比べれば随分と丸くなった親友にため息をつく
そう聞くとやっぱオレには家庭を持つのはムリだな…。考えてもねーけど。 ま、楽しいならいいんだよ。もうちょいデカくなったら色々余裕も出てくるんだろ。多分。 そんときはそんときでまた楽しいことがあるんだろうし、と楽観主義だ

テルプ・シコラ  1btg

そうそう、ね、お前の実家ってチーズ作ってるだろ? 前、土産に貰ったヤツ、超美味かったし。

天野っちが、お詫び回りにさ、……ほら、民草クランのとこのマーリオが、チーズ好きでさ。 お詫びにとびきりおいしいの持ってきて! って言われて、最高の材料を、用意したいんだってさ。 んでお前に貰ったヤツ思い出したの。よかったら分けてくんない?
……ま、最高の材料!…ってのに自信が無ければ他のトコ当たるけどー(煽り)

はあ、土産?うちの実家の…?
テルプの言葉に露骨に眉をぴくりとさせて。煽り耐性ゼロ!
…お前!ロマオロス高原にその一族ありと謳われたオレの実家のチーズが美味くねーとでも。 いや、牛乳はアレなんだアレなんだけども。まあ持ってけよ、損はさせねーぞ…。
調理場に寄って、私用であったらしいチーズの包みを差し出して
実家から押し付けられたやつだけどこいつでいいか? 贈答用に包むとかそういう気の利いたことはしてやんねーよ。

テルプ・シコラ  1btg

チーズを受け取るとにこにこ顔。
おお、このままでオッケーオッケー。ありがと!  なんかさ、リゾット。作るんだって。天野っちが。 このチーズは絶対に無駄にさせないように、死守すっからな! 言いつつ、勝手にひとくち欠片を口に入れて。 …………ん。……やっぱマジ美味いな。人は美味しすぎると言葉少なく真顔になるという。

これでいくら分くらいよ? ごそごそと財布を取り出す。

「リゾット!」と食べ物の話題に涎を垂らすジェーンを横目に見つつ
金?そんなん出してんじゃねーよ、しまっとけしまっとけ。 財布を取り出そうとするのを制して

テルプ・シコラ  1btg

ん、マジで、いいの? んじゃ遠慮無くありがとね! でもホント美味いな。今度あっちの方行ったら寄らせてもらおう。 フェリの友達って言ったらオマケしてもらえるかなぁ。
ふふふ、と、口の中に残った旨味を味わいながら。

(するだろうな……諸手を挙げて歓迎するな…。)と心では思いつつ口には出さずに
そういうことしようとするくらいなら飲みいこーぜ。 オレのいつものとこに常連のやつらもいるしさあ、 どっちの歌がいいか競って勝ったほうが奢りな。あ、いや今じゃなくていいけどよ。暇な時。

テルプ・シコラ  1btg

飲み、かぁ。いいね! ……もうちょっとだけ、暇になったらな。 流石に今は無理だ、ごめんな、と、片手を謝罪の形に。 歌の勝負なら、いつでもガチでやれる様に準備万端だぜ♪

……ていうか、お前が耐えられるなら、うち来いようちに。軽く飲みに。 チャスカも見てやってくれ。かーわいいぞー。マジかわいいぞー。 でれでれ。娘のことを話し始めると止まらないタイプのお父さんだ! 半ば強制的に娘のすべすべの肌とかぷにぷにのほっぺとかの どうでもいい話を聞かされるだろう…。

まあそうだろうよ。へっ、お前が子育てに追われてる間、もっと腕を上げて待ってるぜ。 …言われなくたって、お前らのガキの顔くらいは近々見に行くし…。
ってあああもううるせー!もうすっかり親バカだなお前! 子供できた後のオレの兄貴と言ってる事が同じ! 嫌そうなポーズをとってはいるが、声のトーンは茶化すようなそれだ

テルプ・シコラ  1btg

あっはっは!
ん、じゃ、ありがとね、邪魔したな。皆にもよろしくねー♪ いただいたチーズを大事に抱えて。

…ん。そっちこそアノチェセルや赤坂たちにもよろしくな。天野に捕まるなよって言っとけよ。 いつものように照れくさそうに、手を振って見送った

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天野 輝樹  1btg

たのもー!
ジョブチェンジャーズが拠点とする宿の、 玄関に響く大声は天野輝樹のものである。……が。 大幅なイメチェンを行ったのか、坊主が托鉢に回ってきたかの様相だ。 (この世界に托鉢があるのかどうかは知らない)

プレーン 19vf

んむっ?この声は………
威勢のいい大声に食事を中断し、玄関に駆けつける

天野このやろー!!やっと来やがったの か ……… ………誰?

ギシ 19vf

鑑定用ルーペを近づけながら
そのキリリとした眉と硬派な眼差し、間違いなく天野さんっスよ、姐サン。 まあちょっとレアなお姿っスけど。

天野 輝樹  1btg

うむ、やってみると、涼しくて気に入ったので、この先このまま過ごすやもしれぬ。 れあではなくなるな。すまぬな。何故か謝罪。

天野 輝樹  1btg

先日は大変ご迷惑をお掛けした。故に、あちこち詫びに回っておる最中だ。
……まずは詫びの品だな。 随分前に、漬物とせんべいが食いたいと言っていたと記憶している。 いずれーんの…みらく辺りの有名な店の、蕪の千枚漬けだそうだ。 あと、やたら固いせんべい。…せんべいというより、あられ、か? 歯が欠けぬように気を付けてくれとの事だぞ。 なんだか岩石みたいな形をしたごつごつしたものを漬物と共に差し出した。

せふぃどの方で、お尋ね者になっておってな… イズレーンの方に引っ越すことにした。おれ一人で。 落ち着いたらまた場所を知らせる。まぁ、良かったら訪ねてきてくれたまえよ。

ギシ 19vf

お、リクエストの漬物持ってきてくれたんスか? 蕪のヤツ、美味いっスよねえ。有り難くいただいちゃうっスね。

セフィドじゃお尋ね者っスかあ。まあ、そりゃ仕方ないっスかね。上手く逃げて下さいっスよ。イズレーンは天野さん的にはご飯も美味しくて楽園じゃないっスか。その姿もよく馴染みそうっスね。

プレーン 19vf

まだポカーンとしながらあられを受け取り
あ …ああ、さんきゅーな…?

いやー、確かによく見りゃ天野だぜ……。 つるっつる……くくく…つるっつる………!これ自分で?!自分でやったのか?! 頭に手を伸ばしてじょりじょりぺたぺたしようと…!

天野 輝樹  1btg

ぺたぺたしてみると、すでに短く生えた髪がじょりじょりと掌を刺激する。
うむ、少し剃り残しがあった部分はてるぷ殿に手伝って貰ったが。 なかなか良いだろう。
ひとしきり挨拶が終わると、さて、とその場に座して。 ぷれーん殿にぶっとばされに来た。煮るなり焼くなり好きにしてくれ給え。

ギシ 19vf

んで、姐サン。どうするんスか?ぶっ飛ばしちゃうんスか? なんだか聖職の人に暴力振るう感じで躊躇われないっスか?

プレーン 19vf

……そーだな、正直残りのぶん殴りたかった気持ちはこの頭見てどっか飛んでっちまったけど…。東の坊さんって、ほら、棒とかでさ、喝入れってーのかな? なんかぶっ叩かれるの好きなんだろ? よくわかんねーけど、……それならやってやるぜ!!

天野 輝樹  1btg

喝入れ……。 あぁ、警策の事だな。座禅のときなどに使う物であるが… な、何か誤解しておるな? 別に叩かれるのが好きな訳では無いぞ?! そんな悪趣味の集団の様に僧侶を……

プレーン 19vf

おるぁ!!!
目の前でグーを握ると天野に向けて大きく振りかぶった!

天野 輝樹  1btg

しかも握り拳では……
上げる声も空しく、プレーンのパンチは彼女の狙った箇所へと綺麗にヒットするだろう…

プレーン 19vf

スッパアアアアアーーーン
プレーンのグーはそのままおでこにクリティカル気味に決まった!

よーし、カツ注入完了ッ!! …ん?何か言ったか?
――ああ、そうだ。ちょっと待ってろ。 一度食堂に戻って

オルゴー 19vf

ちょっ…ちょちょ…!!こらプレーン!!通りすがりの僧職の方に何やってるんだ?!!!! 慌てて駆け寄るが近くまできて固まる
……って、あ…天野?!天野なのか?!また随分とさっぱりと……したな……? 槍も杖みたいになってしまって…あ、なんだいこのストラップ…かわいいなぁあ…!  目ざとく黒猫ストラップを見つけて釘付けだ!

どんな経緯で殴られたかは知らないけれど、と…とりあえず軽く治癒術をかけておくよ?  杖をトントンして詠唱を始めた

天野 輝樹  1btg

くらくらと、ふらつく頭を押さえつつ身体を起こし、オルゴーの詠唱を手で制す。
ああ、否、良い。大丈夫。おれが頼んだ。気合を入れるようなものだ。 言葉より、こういうものの方がな、おれには効く。
──ん、黒猫は祭の時に貰ったやつだぞ。あず殿とおそろいのやつだ。自慢気。

オルゴー 19vf

詠唱を遮られてうろたえながら
そ…そう、なのかい?それじゃあそのままにしておくけど…変な後遺症が出たら正直に言ってくれよ…?

へえ、アズヴィスとお揃いの?それはまたなんとも微笑ましくて可愛いなぁ…! 俺も、親友とお揃いのストラップを持っていてね…!  などと聞いてもいないのに語りだそうと

天野 輝樹  1btg

おそろいのものというのは……共に手に入れたのならば、その時の思い出を常に共有している心持ちになる。嬉しいものだな。にこにことオルゴーの語りを聞く姿勢だ。

オルゴー 19vf

そうそう、そうなんだよ〜。あのお祭りは楽しかったなあ…親友と一緒にあちこち回って、最後に手に入れたのがこのストラップだったから、あの共に笑ったり慌てたりした思い出や祭りの賑わいの全部がここに詰まってる気がして…。 と、ぽよ子のストラップを取り出してにこにこと 天野もそうなのかい?

…ああ、あのお祭りをここまで楽しめたのも、天野から借りた…いや、貰った浴衣があったからこそだよ。ありがとう。 あれも大切に仕舞っているから、また機会があったら是非着させてもらうよ。異国の服を着るのがこんなに楽しいなんて、な!
…と言っても今の天野の格好は、相当の覚悟がないとできないとは…思うけど… つるつるに視線を移しながら

天野 輝樹  1btg

そうだな。あれは楽しかった。これを見るたびに思い出す。 しかも黒猫であろう。なんとなくあず殿に似ている様にも見えてくるだろう。 ぷらぷらと、猫が揺れる。
いずれーんで落ち着いたら、今度は君に似合いそうな着物を見繕っておこうか。 浴衣も良いが、着物や、袴などもなかなか、新鮮だと思うぞ。

オルゴー 19vf

着物…!目を輝かせて! 着物ってかっちりした浴衣って感じのあれだろう?いいなあ、是非着てみたい…! その時はまた着付けをよろしく頼むよ。

プレーン 19vf

手に持って戻った三角ものを2つ、天野に放り投げて
まだあちこち廻んだろ?これ持ってけよ。 <炊き込みご飯のおにぎり×2>だ!

天野 輝樹  1btg

投げられたものを取り落としそうになりつつ何とか受け取って。 おにぎりと聞くとぱぁと顔をほころばせて。……それで、思い出したように顔を上げる。
──嗚呼、そうだ。ぷれーん殿に折り入ってお願いが。

ミセイコジンの里へ、お詫びの品を持って行きたいのだが、と取り出した 米とチーズとエビやイカなど海産物いろいろ。 何でも、チーズのおいしいシーフードドリアを作りたいらしい。
最高の物を、と思うのだが、おれの知る限り、ぷれーん殿。君が最高の料理人でな。 手数をかけて申し訳ないのだが、……頼めぬであろうか。

オルゴー 19vf

目の前に並んだ海鮮物に目を輝かす
…す…すごいな?!これ、全部天野が集めてきたのか? シーフードドリアも美味しいよなあ…!

プレーン 19vf

おおー!こりゃいい食材揃えてきたじゃねーか? 特にこのチーズ…これ、絶対ウマいやつだろ…ごくり
ん?シーフードドリアだって? ニヤッと笑って………イイぜ。 このプレーン様がミセイコジンもぶっ飛ぶ最っ高の一品を作ってやる! ちょっーーーと待ってろよ!!

♪おもむろに流れだす3分クッキング的BGM

天野 輝樹  1btg

突如はじまる軽快な音楽…のような雰囲気! 手際よくてきぱきと調理されていくそれを、何が起こっているのか分からぬレベルで、ただただ眺める。やがて旨そうな匂いがそ漂いはじめ……

洋食は、苦手なのだが……この匂いは…。腹が減るな。ごくりと喉を鳴らす。

プレーン 19vf

っしゃー!できたぜー!! ♪ジャワーーーーーンというドラのようなSE

チーズが決め手の<至高のシーフードドリア>だ!冷めない内にダッシュでもって行きやがれっ!! 容器ごとタオルなどでぐるぐる保温して、天野の前にズビシと突き出す

天野 輝樹  1btg

出来上がったドリアを受け取った。急がねば!
おお! かたじけない! 握り飯の方も、有難う。道中頂こう。 ──最速で、行って参る! 大事そうに食べ物を抱えて、挨拶もそこそこにばたばたと走り出した。

ギシ 19vf

そんじゃお気をつけて。道中セフィドの兵隊サンに捕まるんじゃないっスよー。
天野さん、もうすっかりこっちの世界に落ち着くんスかねえ。 あれ?姐サン、妙に嬉しそうじゃないっスか?

プレーン 19vf

んー?
へっへーん、たりめーだろ。 これであたしの店の常連客を1人確保できたんだからな! ギザ歯をきらめかせてにひりと笑った

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天野 輝樹  1btg

……さて。 たのもー!
僧侶のような男の大声は、里に響くだろう。
せふぃどの追手から身を隠していたら、すっかり遅くなってしまい申し訳無い。 先日は、大変世話になったな。謝罪に、来た。

ランド 29er

いらっしゃーい、見世物ですかー……ん? ……ほおー。少々お待ちを。
***
奥のテントに引っ込むと、 島での騒動に関わった他の三人を連れて戻ってきた。
***

マーリオ 29er

テルノさんこんちは! ん? テルノさんだよね??

天野 輝樹  1btg

──「天野」であるが、……まぁ、名はどうでも良い。久しぶりであるな。

先ずは取り敢えずまーりお殿にな、約束のしーふうどどりあであるぞ。 ちーずは穀潰しくらんのふぇりくす殿のご実家から分けていただいた美味いちーず。 海の幸はおれが釣ったのだぞ。新鮮なものを使ったので、美味いと思う。 米はいずれーん産のおれの好きな銘柄のものを。 調理はおれの知る限り最高の料理人である、じょぶちぇんのぷれーん殿にお願いした。 おれの考え得る限り最高のしーふうどどりあだぞ!

マーリオ 29er

お! シーフードドリアだー! くれるの!? やったー! なんか説明聞くだけでおいしそう!!
***
食器を受け取ると嬉々として広場の木製テーブルに置いて テントへ駆け込んで行く。すぐに戻ってきた。 スプーンと小さな皿を数セット両手で持っている。 切り株のような椅子に座り、ドリアの蓋を開け、 そのチーズと海産物が織り成す光景に目を輝かせると…… スプーンを刺し入れて、掬う。 底に眠っていた米の層ごと掬い取ったそれを口に運ぶ。 咀嚼。そのままにっこりと笑った。
***

ちょうおいしい! オレ舌がばかだから あんまり食べ物のおいしいとかおいしくないとか分かんないんだけど、 コレはオレにも分かるくらいおいしいよ! ありがとー!
***
使っていないスプーンで小さな皿に料理を取り分けながら 天野の話に耳を傾けている。いつも通りの笑顔だ。
***

天野 輝樹  1btg

一通りマーリオへの説明を終えると、残りのメンバーに向き直る。
──君たちの故郷の話は知っていた。……その上で、実行した。 君たちは、おれを罰する権利がある。 ……せふぃどにでも突き出せば、多少の賞金くらいは出ると、思う。

──好きにするといい。 静かな表情で、その場に座した。

ダスティ 29er

***
少しの間、仲間と視線を交わした。彼らは無言だ。 先に話して良い、そう促されていると判断して口を開く。
***


考えてました……もしこうして謝罪に来られたらどうしようって。 もちろん国に身柄を渡すのも考えてたんですけど…… 多分そうしたら関わりのあった権力者のいいように、 ある事ない事全部擦り付けられた上で口封じされるんじゃないかなって。 それは何かしっくり来ないと思いました。

一番して欲しいのはあの島の人達に直に謝って、力を貸す事です。 でも捕まってさっき言ったような状況になりそうですし難しいですよね。 ……ただ、何も知らないまま巻き込まれた人たちは どれほど辛く苦しい思いをした事か……
***
言葉を詰まらせた。島での出来事を、 更には故郷での出来事を思い出していた。 自分が味わった辛く苦しい思いも。
***

ダスティ 29er

……いずれにせよ。 正しいと思った事をやって、俺達はそれをギルドからの仕事だから、 あるいは個人的な感情から見過ごせなかったから邪魔をしただけだ。 俺達に危害が加えられたわけじゃないんだから、 罰する権利なんて本当はないはずです。 腹が立ったから手をあげるっていうのは単なる私刑だ。

でも……それで全てを割り切る事はできませんでした。 正当な罰じゃない、ただの腹いせだとは分かってるんです。 けど何か報いを受けて欲しいって……。

……そこからまた色々考えました……。
***
もし再犯の可能性があるようなら、 追いかけて生きる事も困難な身体にしようと仲間たちと話していた。 両目を抉り取る? 手足の腱を切る? いっそ根元から切断する? ……そのような相談は無意味なものとなった。 こうして謝罪にやって来て断罪を受け入れようとする彼ならば もう同じ事は繰り返すまい。なので語らなかった。
***

痛みを与えられても、何て事ないと思うんです。慣れてるでしょうから。 だからもし罰を……本当は罰とはちょっと違うけど…… 与えるのであれば……それは肉体的な痛みじゃなくて……
***
言葉を切った。そしてランドとケントを見た。 マーリオはシーフードドリアにかかりきりである。
***

ケント 29er

……これ、打つ? 生まれてきた事を後悔するレベルで気分が悪くなるよ。 でも、大丈夫。一時的なものだから。
***
外套の中から小瓶を取り出して見せる。 中身は透き通った紫色の液体だ。
***

ランド 29er

それはそれで乙だけどさぁ、やっぱここは初志貫徹でしょ。

いやあ、玉子みたいにつるつるで可愛らしい頭になりましたねー。 舐めたいなァー、ベェーロベェーロって舌を這わせたいなァアー。 ヒヒ、ヘヘヘ、ヘヒャヒャヒャ……!

ワタシの言った事、実践してくだすったんです? でもそれにしては眉毛も睫毛も残ってるしー、 頭髪以外は手を入れてないっぽいですよねー?

そういうわけで改めて色々と剃りつくしましょう!! まあ顔の毛は自分でお手入れする事を許しますけど 胴体の毛は任せてもらいましょうか? いやー久しぶりですよこうやって剃るの。 楽しみだなーフヘヘヘヘ!

ダスティ 29er

……これで……本当にこれで良いのだろうか…… けど、島の人達の心中を思うと…… いや、俺の心の整理が……。

と……とにかく、何にせよ今日は泊まっていって貰います! 最低でも俺の酒に付き合うくらいの事はして貰いますからね!

マーリオ 29er

生まれてくるコトを一時的に後悔するようなお薬をケントからもらうか、 身体のいろんなトコをランドに好きにされるか、 狂ったヒト以外に形容の言葉が見つからない酔ったダスティの相手をするか、 あるいはその全部かー。テルノさん大変だー。

あ、オレは別に何もしないよ! シーフードドリア貰って満足だー。 もし本格的な危機に陥ったらフォローするから頑張ってねー。
***
小分けにしたドリアの容器に小皿で蓋をしつつにこにこと天野に語り掛ける。 器はマーリオの分を含めて五つ。 どうやら天野の分もとっておいたらしい。
***

◆ミセイコジンの里◆ 29er

***
……そして夜が明けた。

一体天野の身に何が起きたか。 いくつの私刑という名の罰が執行されたか、 あるいは仲間に止められて取りやめられたのか、それは彼だけが知っている。

確かに言えるのは、マーリオが取り分けたシーフードドリアを 全員で食した事のみである。
***

天野 輝樹  1btg

-----

……内臓が……引っくり返ったのを絞られる様な感じだった。
体力お化けの天野が、指先すら動かす気力も無いように、弱々しい声で。

最初こそ、意識を失おうとしているのか、頭をぶつけたりして大暴れしていた天野だったが、すぐにその余裕も無くなり、意味の無い呻き声を上げるのみで。やっと、霧散していた思考能力をかき集められる程度になり、取り敢えずの感想をつぶやいてみた。今何時だろう。辺りはすっかり明るい。

前も…似たようなくすりが、あったが、正直、比では無い。 苦痛の為の苦痛、というか、これは…流石に…………。
きついな、と、言葉を絞りだす。
しかし夜通し苦痛の声を共に……虚勢なのか何なのか「まだ、生温い」などとうわ言の様に繰り返しているのを聞いた者が居たかもしれない。


らんどどのは、……少しは満足してくれたのか? のろのろと身体を起こす。……まぁつまり、そういう事だ! 深くは語らないでおこう。すべてはあの夜が知っている。
ようやく罰らしい罰を頂いたな。皆、優しすぎる故……余計に。 言葉を区切る。


天野輝樹は知っている。 災厄に巻き込まれた人々の苦痛と、死んでいった人の無念と、それを看取る人の悲しみを。 故郷にそれをもたらした者への憎しみを。 死すら、手ぬるいと思う。 八つ裂きにされても構わぬ気持ちで、あらかた挨拶は済ませて来たのだ。

──他に、おれは、何が出来る?

ケント 29er

……あ、比較的ぴんぴんしてる。凄いね。
***
少しばかりの感心を顕にしつつ、
蔓を使って天野の頭に何やら液体を塗りこめている。 仄かな桜の香りがした。苦痛を和らげる香だ。 頭に塗ったのに特に意味は無い。単に目についたからである。

天野が苦しんでいる間もケントは普段通り独特な飲み物を楽しみつつ、 時々静かな瞳をそちらへ向けるのみだった。 「お互い、よくやるよね」 寝る前に一度だけマーリオにそう言った。他人事のように。

故郷での災厄を憶えていないわけではないが、 それが起こるまでは記憶すら心に留められない荒んだ日々を送っていた。 自由を得るきっかけとなったのはむしろあの災厄の風であった。

だからであろうか、他の面々ほどあの災いを憎んではいない。 今回の件も主にダスティとランドが悲しむから阻止に赴いただけだ。 そして今、危機は去った。状況はもう悪化しないだろう。
(乱暴な言い方をすると、既にあんまり興味が無いんだけど)
……それを正直に言うのが天野に追い討ちを与える手段のようにも思えたが、 そこまでの罰を課す気は無かった。そもそもこの断罪ごっこ自体付き合いでやっているものだ。
***

ランド 29er

いやあ……満足も満足ですよ! ヘヘヘヘ……!! ちょっとばかし悪趣味なショーもこっちの世界でやってますけど所詮はお芝居、 切ってるフリだの苦しんでるフリだのが大半なんですよねー。 その点、ヘヘヘ……あのツラ……なんか久々に血の騒ぐ思いをさせて頂きました。フフフフ! こう、何か閃きそう……新たな出し物を考案できるかもしれないです!
***
若干狂気も入っているように見える笑みは その奥に潜む人間的な感情を少々読みづらいものにしていたが、 気持ちが昂ぶったのは確からしい。 まだ当時の興奮を思い出すのか、時折視線を宙にやっては 頬を紅潮させて楽しげに笑う。
***

マーリオ 29er

こんちはー! あれおはようだっけ? まあいいやこんちは! なんか大変だったみたいだけどコレ飲む? 前ランドが届けたスープのカニ無し版だよー、無理はしなくていいけど!
***
スープが入った木製の器に匙を入れ、天野の傍らに置く。 自分は切り株のような椅子に座るとこれも持参していた硬そうなパンを齧り始めた。 なお至高のシーフードドリアは 「コレ明日の朝まで大事にとっておきたいくらいおいしいー、 あっでももう我慢できないや! 食べよう!!」 と言って食べつくしてしまったので昨晩の時点で無くなっている。
***

ダスティ 29er

他にできる事……。…………。
いえ、何と言うかもう十分頑張ったと思います……。 元々単なる俺の八つ当たりだったわけですし。 こいつらも俺が唆さなきゃ本当に貴方を痛めつけるような真似はしなかったと思うんです。

貴方が苦しみながら、まだ足りないみたいな事言ってるのを聞いて 「それだけ自分のした事を理解できたならどうしてやったんだ」 って考えかけました。 その時、俺は何もかもを貴方のせいにしようとしてないかって思ったんです。

ダスティ 29er

……俺は故郷じゃ、理由もわからないまま周りから…… 殴られたりとかする日々を過ごしてまして。理由が欲しいと思いました。 それで、自分が卑しい存在だから、本当は生きているのもおこがましい、 苦しむべき人間だから仕方ないんだって思うようになりました。
だったら、自分より殴られるべき人間がいたら俺も殴る側の人間に回れるんじゃないかって…… 「こいつなら殴ってもいい」 って思える人を常に求めていた気がします。 それで無抵抗な貴方を見て、魔が差したんです……

自分がやる事への覚悟もここでされる事への覚悟もできていた貴方より 俺の方がもっとずっと邪悪で卑しいのに、 なんで貴方が痛めつけられてるんだろうと思ったら なんだか……凄く自分の事が嫌になって……
……軽率でした。もう俺からできる事は何もありません。 これ以上やったら、俺きっともっと惨めになります。 強いて言えば、この与太話が罰ですかね……。

ダスティ 29er

……あ……それからあと一つ。 俺はまあ受け取る資格が無いとして…… こいつらに対してまだ何か償いをしたいのであれば、 為すべき事は俺達に聞かずに自分で考えてみて下さい。
答えの定まらない不確かな道を迷いながら歩む苦しみを、ぜひ味わってみて下さい。 貴方ならきっと道なき道もすぐ切り拓いちゃうとは思うんスけどね。

ダスティ 29er

…………。 ……すみません、ちょっと……ゴフッ…… 自分が惨め過ぎて体調が芳しくないゲホッ、うぐぅっ!
***
それまで滔々と語っていたが、 言いたい事をあらかた言い終えた瞬間に 堪えていた苦悩が一気に胸中で噴出したらしい。 頭を抱えて呻き苦しんでいる。
***

僕は……すいません僕はこれで…… あ、あ、あ…… 天野さん、の往く道にっあ、新たな希望が芽吹きますように!!
***
半ば叫ぶように祈りの言葉を投げかけると踵を返す。 すぐさま振り向きもせずテントに向かって駆けて行った。 ……駆け込んだテントからは、慟哭のような声が微かに聞こえる気がする。
***

天野 輝樹  1btg

当然の権利を行使するのに、何故君の方が苦悩する。 おれは其の為に此処へ来たのだ。 君の動機は確かに悪しきものへの怒りであり、其れは紛う方無き正義だ。 ──しかも、君自身は手を下してはいないというのに。

天野の言葉が届いただろうか。顔を上げた時には、既にダスティは半狂乱に、叫ぶように。……その後姿を、呼び止める気力も無く。

マーリオ 29er

おー。 ごめんねー、ダスティの病気が始まっちゃったー。
***
ダスティの暴走めいた語りをきょとんとした顔で見守っていたマーリオだが、 天野に謝罪する頃には笑顔に戻っていた。 パンの最後の一欠けらを口に放り込む。
***

ランド 29er

あーあ、どうせ八つ当たりするならさあ、 思いっきり楽しめば良かったのに。本当半端なんだから。

ごめんなさいね。あいつは本当に心が脆いんです。 アナタみたいな方には、ああいう人間がいるなんて 信じ難い事かもしれませんけどね。

まあワタシも堪能したし? マーリオはドリア食えてご満悦だし……確かに壮絶美味かったけど…… ケントはそもそもあんまりやる気無さそうだし。 これでミセイコジンの民草による私刑の時間はお開きですよ。
気が済まないってんならダスティが言った通り、自分で考えてみて下さいって事で。

ケント 29er

ああ……事前に言っておくとね、 「僕たちに改めて特別何かをする必要は無い」から。 誰に何をするのか……もしくは何もしないのか…… その辺りは、任せるよ。

……ダスティさっきからうるさいね。 静かになるやつを打って、ついでに僕は二度寝する。 それじゃあね…… ……貴方の往く道から、安らぎの風が悔いを取り除きますように。
***
ダスティの声が未だに聴こえてくるテントへと消えていった。 しばらく絶叫が響き渡り、暴れるような気配がしていたが やがて静寂が残った。
***

天野 輝樹  1btg

否。

……そうだな。罰を。
断罪という荷を君らに背負わせようと、逃げたのはおれだな。
道を失い、──道を示されることを待っていた。 それが死出の道でも、何でも良かったのだ。恐らく。

自分で、考えて、か。……しかと、了解した。 すまない。彼に、天野が改めて謝罪していたと。……伝えてくれるか。

天野 輝樹  1btg

手間を、取らせた。……せめてらんど殿に楽しんで頂いて、それが救いであるよ。 笑おうとして、苦い顔になる。色々、思い出したくない。 マーリオの持ってきたスープを横目で見て、どうしても食欲がわかずに丁重にお返しすると、のろのろと杖を手に動き出す。

おれの往く道に芽吹く希望が咲かせる花が。安らぎの風が結んだ実が。 巡りめぐって君らの潤いに、糧に、なるように。
……いずれ、また。 無理矢理起こした身体で、転がりそうになりながら一礼をして。

天野 輝樹  1btg

----

身体を半分引きずりながら、……気取られぬ程に離れた所でばったりと倒れると、そのまま意識を失う。 歩き出すためには、しばしの休息が、必要なようだった。

マーリオ 29er

わーテルノさんなんかぼろぼろなんだけど 出発しちゃって大丈夫かなー? ココでもうちょっと休んでっても構わなかったんだけどねー。

ランド 29er

やー、休憩しようとしても ここで負った心の傷がうずいて気が休まらないんじゃない? にしても「いずれまた」ですって。 またアレさせてくれるのかしら!! だったらもう諸手を挙げて歓迎しちゃうぜフヒヒヒ。

マーリオ 29er

次はタイギメイプルが無いからケントが邪魔すると思うな!

あんな目にあってもまた会おうって言って貰えたって分かったら きっとダスティも喜ぶぞー。 ちょっと心の整理はいるかもだけど まあ大体は時間が解決してくれるよね! なおオレの整理はもう済んだ! こういう時は忘れっぽいのは便利だー。

ランド 29er

ダスティのしつこさとアンタの物忘れを足して二で割れたら 丁度いいと思うよ、マジで。

なんだかんだで心の整理が必要なのは僕も同じだけど、 まああんだけさせて貰ったからねえ。 いずれ必ず、赦すというか……きちんと割り切ると誓いましょう。

あの方の往く道と我々の道が善き形で交わりますように、っと。

マーリオ 29er

オレの往く道がテルノさんとの思い出と共にありますように!

------

天野 輝樹  1btg

そろそろ寝ようという時間だというのに、ばたばたと慌ただしくやってくる黒い影。何かに追われている様に。 笠を目深に被った男が顔を上げると、その瞳には見覚えがあるだろう。

…かちゅあ殿。天野だ。久し振りである。先日は、お騒がせした。

カチュア 17q3

…あまの?

天野 輝樹  1btg

ゾンビの島の騒ぎからは、もう随分と時間が経っていた。

あの時は……、もう少し立っているつもりであったのだが、不甲斐なくて申し訳無い。 …少しな、追われておるのだ。慌ただしくてすまない。 ひそひそと小声で、早口で。林檎をひとつ、手渡す。

天野 輝樹  1btg

君と再び手合わせしたかったのだが、今は叶わぬようだ。 再び修行し、日を改めて、是非宜しくお願いしたい。 君の筋は心地良い。──おれも必ず、より善き心で、お相手する事を誓おう。

言いたいことを一方的にまくし立て、……通りの向こうから聞こえる喧騒に弾かれたようにその場を走り出す。憲兵だ。追われるように塀へと登って。

天野 輝樹  1btg

塀の上で、一度、振り向いた。

──祝福してくれ給え! 天野輝樹の往く道を!

そう大きな声で叫ぶと、その姿は暗闇へと溶けて。すぐに見えなくなった。

カチュア 17q3

突然の来訪とその姿に驚いている間に相手はもう見えなくなっていた 残されたのは、ひとつの林檎と約束
……っ

カチュア 17q3

ーーー天野輝樹!  アナタの往く道はアナタだけのもの! その道に幸福があらんことを!

闇へと応えた声が届いたかどうかは定かではない
…、ワタシは変わらず願っているわ。

カチュア 17q3

そして彼女はつまらなさそうに林檎を玩びながら
まったく、…次は楽しませてよね。 …この、巡りに感謝を。
独り呟き、そして月を見上げ祈りを捧げた

イラスト:かげつき

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時間を巻き戻そう。 それはゾンビ騒ぎから数日後のことであった。

赤坂 天矢  1btg

あの、こんにちは。赤坂ですー…。 ビリーさん、先日はどうも、大変お世話になりました。
ゾンビの騒ぎから幾日か。落ち着いた頃にぴょこりとやってきた。

他の家族に向かって

お久しぶりです。こないだは、ビリーさんお借りしちゃって、すみませんでした。 これ、お土産に持ってきましたよー。籠に盛られた林檎の山を、どすんと。 ……何か、僕、ひたすら林檎持ってきてる気がしますね?

ビリー 1cmb

ああ 赤坂か、久しぶり。
リンゴの山を見るや 可笑しいのか 困ったように笑いかける

マナ 1cmb

銀おにいちゃんだ!

ヴァン 1cmb

魔法使いのにーちゃん!
赤坂を呼ぶ声がリビングの奥から響く。丁度家族全員 滞在しているようだ。

チェイネル 1cmb

チェイネルは お構いなく〜 と顔を覗きつつ、はしゃぐ子供達をなだめている

赤坂 天矢  1btg

マナちゃんとヴァンくんに手を振りつつ、チェイネルさんには会釈を。

えっと、ビリーさん…。 天野さん、こないだの件でちょっとセリオンに来られなくて、僕が代理で。

悪逆非道の大罪人。国民を危機に晒した天野輝樹の似顔絵が、お尋ね者として貼り出されているのを見たことがあるかもしれない。

赤坂 天矢  1btg

感謝と、謝罪を、だそうです。ありがとうございます、僕からも…。 天野さんが、誰も犠牲にすること無く終われたのが、僕はすごく、嬉しい。

ビリー 1cmb

…追われる身になっちまったか…。 仕方ないといえば 仕方ない、な。

赤坂 天矢  1btg

天野さんの方は、落ち着くまで身を隠すそうです。 怪我は皆さんのお陰ですっかり良く。 ──お尋ね者の身では流石に冒険者ギルドには、所属してる訳にはいかないし、 テルプさんも、結婚してもう冒険に出ることも少なくなりましたし…… そんなんで、うちのクラン、僕ひとりになっちゃったから。 今新しい人探してる最中なんですよ。寂しそうな素振りも見せず。

また新しいメンバーで冒険に出掛けていると思いますので、 一緒になった時には、是非よろしくお願いしますね。
未来を語る表情は、明るくて。

ビリー 1cmb

命に別状ないなら何よりだ。

お前も気をつけろよ、人の噂なんて どう流れるかわかったモンじゃないからよ。 程々にがんばれよ、リーダー。

赤坂 天矢  1btg

──人のうわさ。…そうですね。僕らは天野さんとクランを同じくしていた訳だし…。

でも、困ったら、ちゃんと周りの人に助けを求めますよ。 僕の友人は皆、すっごく頼りになる人ばかりですから。
もちろんビリーさんをはじめとして、ね。と。いたずらっぽく笑う。
だからこれからも、……どうか、よろしくおねがいします。
あなたに困ったことがあったら、駆けつけたいって思ってるんですよ、とは言外に。 伝わるかどうかは分からないけれど、言葉にするものでもない様な気がしたから。

リーダー…、リーダーでした。そうでした…。
相変わらずの猫背を、出来る限り伸ばそうとしてみる。 それはまだまだサマにはなっていなくて。

赤坂 天矢  1btg

がんばります。おまもりも。ありますし、ね、マナちゃん!  ペンダントになった石をつまみあげると、きらりと光を反射した。

では、いろいろありがとうございます。またね! 暖かい家族に、大きく手を振った。

マナ 1cmb

ペンダントを見たマナが にへへと 感情を隠さずに笑いだした。

ビリー 1cmb

これからの成長を 楽しみに思う。 一人では 成せなかった事も、赤坂を見ていると 不思議となんでもできてしまいそうな 気さえするのだ。

ああ、元気でな
また 会おう

彼が見えなくなった後も、しばらく玄関を開けたまま、 広い空を 眺めていた――

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天野輝樹がイズレーンへと移り住んで……一年が経とうとしていた。

カイムの酒場へと、手紙が届く。 その時に、誰がそこに居るのかは分からないけれど。 イズレーン産の紙。墨で書かれた達筆。

差出人の名は……「ねこもふまおう」

酒場のマスター 1cwu

酒場のマスターがいつものように、手紙を配達人から受け取った。 記された名前に、一瞬吹き出してから

おーいセト、コルト、アズ! 手紙だぞ!

セトレット 1cwu

3匹は酒場のマスターに寄って、手紙を覗き込む。 その3秒後、

………むつかしすぎて、わかんないんだけど!! このさいしょのやつなに!?!?「拝啓」を指差して、わめき立て

コルトリエ 1cwu

はいけい、ですわ♪
セトレットもこれぐらい読めるようにならなければ、一人になった時、大変ですわよ? それにしても、綺麗な字ですわね♪

アズヴィス 1cwu

……コノ 字 見タ …事 アル  夏祭り。屋台の前。地面に書かれた。名前。整った字の

天野 ノ 手紙 ?

拝啓

向暑の候、まふら〜と猫くらんの皆はつつがなく過ごしているだろうか。すぐにお知らせすべき所、この様に時間が空いてしまい、誠に申し訳なく思っている。
さて、おれに関する噂を、君たちも耳にしているだろう。だいたい噂通りの事をしでかした。言い訳はせぬ。今はいずれーんの地にて反省中だ。自らを見つめなおし、この先の未来の事を考えておる。何を成すべきかと。

本来ならば、あの事件を終えた後、おれは其のまま故郷に帰る手筈であった。特にあず殿とは、別れの挨拶をすると約束したというのに黙って行かねばならぬ所であったのだ。が、幸いにも、故あって此方に残れる事となった。約束を破らずにすみ、ほっとしている。
宜しければ、──おれに幻滅していなければ、だが。
機会あれば是非このいずれーんの地に構えた居に、立ち寄ってくれたまえ。歓迎する。畑なども作ってみているのだぞ。新鮮な野菜を賞味していただこう。……そういえば、誰か、野菜が好きでは無い者が居た気がするな。採れたてを食うと、認識が変わるやもしれぬよ。
では、末筆ながら。皆の健康と多幸を、祈っている。

敬具

追伸 此方には大きな池もあるぞ。

手紙と一緒に、住所の記された紙が同封されていた。 遊びに行けば、きっと田舎のおじーちゃんの如く、歓迎してくれる事だろう。

アズヴィス 1cwu

彼が、した事。それが起こっていた時、自分達は知る事もなく、平和な日常を過ごしていて、やがて、酒場の客が持ってきた、噂。それを聞いた時は、嘘のようにも感じられた

「あまのは、わるいひとなの!?」
「そんな…本当に天野さんなんでしょうか?」
「……」

こっそり、彼が所属していたクランを覗きに行って。…いないことを知って。気付けなくてごめんね、だとか、どうしてそんなことしたの、とか、なにがあったの、とか…聞きたいことは沢山、沢山あるけれど

アズヴィス 1cwu


”此方に残れる事となった”

コルトリエ 1cwu

茶猫は手紙を読んだ後、のんきに笑いながら
うふふ♪ 天野さん、今はこちらのご住所で、野菜を育てているんですって。 楽しそうですわ?♪ ぜひ、みんなで遊びに行きましょうですわ♪

セトレット 1cwu

うえっ、やさい!?やだ!!

コルトリエ 1cwu

大きなお池もあるそうですわ♪

セトレット 1cwu

いくー!!! 魚とるー!!まんぼういるかな!?!?

すぐにでも出発しそうなセトをなだめながら。日取りを決めて、準備をして……

赤猫は騒がしく走って。茶猫はのんびりとその後を。 黒猫は、6匹の金魚達がすいすい泳ぐ、透明の箱を大事に抱え。
きっときっと、会いに行く