宿る星

第五期:未来を奏でる

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新婚さんのいちゃいちゃしか無い! (R15程度)
アノチェセル 18k0

…?テルプ、と、どうしたの?
夫の視線を感じ、彼女は反応して首を傾げる。 それは、何気ない日常の場面かもしれないし、二人の睦言の合間かもしれない。

テルプ・シコラ  1btg

んー? むかしの事、おもいだしてた。……出会った頃とか。
彼女が自分に作るチョコレートドリンクは、自分で作るよりも自分好みで。 そんな、飲み物ひとつにしあわせを感じる。 カップを持ったまま席を立ち、同じように腰掛けているアノチェの隣へと。

あの頃も可愛らしかったけど、綺麗になったよなぁ。
ふと伸ばした指で、彼女の長くつややかな髪に、さらり、触れる。

アノチェセル 18k0

…で、出会った頃…?えと、えと…。 懐から宵闇の鈴を取り出す。 …これ?…えへへ、今もちゃんと身につけてるんだよ…! それは、彼が鈴を外した後でも変わらない。 鈴を指で持ち上げて、こてん、と、あの時のように。
この鈴もらったとき、が、始まりだったんだよね…。 髪を触れられてくすぐったそうに、でも嫌がるどころかすりすりと触れてくる指に擦り寄る。猫みたいだ。

…テルプは、かっこよくなったよ。 …えっとね、ほ、惚れ直しちゃうぐらい…。 ほ、ほんとうだよ? わ、わたしがね、き、綺麗になったんだとしたら、きっとテルプのおかげ。 す、好きな人の前で綺麗でいたいっていう、お、女の子の気持ち、今なら凄く、わかるもの。

テルプ・シコラ  1btg

そりゃあ、俺っちだって…。ノチェの、おかげだ。 真っ直ぐに、褒められて、くすぐったそうな顔で。
あの頃の君は…まだ幼さを残していて。 守ってあげたいなって。 君の兄ちゃんみたいにさ。寂しくないように、側にいたいなって。

だからさ、ノチェにどんどん惹かれていくの、……我慢するの、苦労したんだぜ。 ノチェは、さぁ…、無意識に、かわいいから。
彼女の指先で揺れる鈴を指でつつく。シャランとちいさな音。

アノチェセル 18k0

…わ、わたし…も…。
テルプの、お、音、追いかけてたら、い、いつの間にか、ずっと、目で、追ってて…。 ひ、惹かれていくの止まらなくて…。 …テルプは「なんで、俺なんか」って、いってたけどね…? ひ、惹かれるって…きっと、理屈じゃ…ないから…。 当時を思い出しているのかもじもじしだす。

テルプ・シコラ  1btg

……あの時も、今でも。方法は違うけど…。君の幸せを願ってる。
鈴を持つ手に、指に。小さくキスを。

アノチェセル 18k0

「君の幸せを願っている」 その言葉に少しむくれて。
…も、もう、他人事みたいだよ…その言葉…。 わ、私、テルプの奥さん…だよ…。 わ、私の幸せは、て、テルプと一緒じゃなきゃ…やだ。 指に小さくキスをする彼の目をじっとみつめて、訴える。

テルプ・シコラ  1btg

虚をつかれたように顔を上げ、その後はすぐに、笑顔に。
……敵わないな、ホントに。

もちろん。俺の幸せは、ノチェが幸せでいること、だもん。 君と共にいる限り。君が幸せでいる限り、俺も、おなじ。 ……でも、うん、そうだね。そうだ、あの頃とは違う。
「君と一緒に、今以上の幸せを。築いていこう。」
こんなかんじで、合格かな? と、少しおどけたように首を傾げて。

アノチェセル 18k0

その言葉に今度こそ満足げに微笑んで。 頬に軽くご褒美のキスを。
うん!…合格…!

唇が離れると大胆な事をした自分に少し照れる。 夫婦になってから、彼女は積極的になろうとしているようだった。 ただ、その積極的になろうとしている部分と、いまだに恥ずかしい部分がない交ぜになっていて。 それがなんともいえないアンバランスを醸し出しているようにもみえる。

…えへへ…。 …あ、もう、こ、こんな時間…。 わ、私お夕飯の準備してくるね…! そういいながら、カップを空にして立ち上がろうとした。

テルプ・シコラ  1btg

……のーちぇーーーー。
立ち上がろうとするアノチェセルにずっしりとのしかかって。

ねね、ノチェ。 ごほうび。足りない。……ね、こっち。
目を閉じて、頬ではなく唇を差し出すように。 にまりと笑いそうになるのを堪えながら、キスを待つ。

アノチェセル 18k0

て、テルプ!?
のしかかられてどきどきと、胸を押さえて。
…もう…。は、はい。ご褒美。
ちゅ、と唇にキスを。

…だいすき、だよ、テルプ…。
照れながら微笑んで。 ああ、もしかしたら、スイッチが入ってしまったかもしれないと。

テルプ・シコラ  1btg

ねーぇ、ノチェ、ごはんの材料さぁ… 傷みやすいモノだったっけ? 唇にキスを返して。また求めて。

ね、今日、外で食べようよ。 のちぇのごはん、おいしいし、すごく、すき、だけど… いまはさ、もうちょっと、こうしてるほうが。……すき。
言葉の合間に、何度も口付けて、自分の方へと引き寄せて。 ずるずるとこのまま、ソファーの方へと移動するつもりらしい。

アノチェセル 18k0

え?…ううん、だ、大丈夫だけど…んっ…。 お返しを受け取って。求められて。 …!っ…は………。
何度も口付けを受け取る度に、灯るように。 引き寄せられる頃にはすっかり頬が上気しきっていて。

…てるぷの、ばか…。
スイッチが入ってしまったのを、彼だけのせいにもできずに。 こてん、と身を預けた。

  1btg

ふわりと力が抜けた体を、思うがままに抱き寄せて。 わがままをたくさん、ぶつける時間。 それを受け入れ、求め、中と誘ってくれる彼女が愛おしくて、 一番奥のおくへと、想いをぶつけるのだった。
激しく求めあう時間が終わった頃にはすっかり日も落ちて

テルプ・シコラ  1btg

あー…、ごはん、出かけなきゃ、だなぁ……。
やだな、ずっとこうしていたいな、と、乱れた服のまま抱きしめて

アノチェセル 18k0

…お、遅くなってもいいなら…、簡単なの…つくるよ…。
どの道、ここまで乱れた格好で、外に出るのは難しそうだった。 ずっと、こうしていたいのは、同じだったから。 まだ吐く息が甘くて熱い。抱き締められる想いに応えるように、抱き締め返す。

テルプ・シコラ  1btg

まじで? ありがとー!  ホント簡単なやつでいいからね?  うれしいなぁ。正直、ノチェの作ったごはんが、俺っち一番好きだ。 幸せそうにえへへと笑って。

アノチェセル 18k0

自分の作ったご飯が一番好きだと、そういってもらえて嬉しそうに。

…えへへ、嬉しい。 て、テルプにおいしいって、い、言ってほしくて。 いっぱい、食べて欲しくて、ね、それが、楽しい、から…。
へへ、もっといっぱい、レシピ、み、みつけてくるね…!

テルプ・シコラ  1btg

ん、ありがと…。
素肌の温もりを感じながら。……幸せを、感じながら。

アノチェセル 18k0

…できてると、いい、な…。
そっと、下腹部に手を当てて。

わ、わたし、どんな子でも…テルプとの子供なら、いっぱい、愛してあげられる、けど…。 …て、テルプ似だと、いい、なって。 も、燃えるような、赤い、目でね、おとこのこ、でね…。 ち、ちいさい、ときの、さみしかった、テルプの分まで、愛したい…。
「いつ、逢えるかなあ…」そんなことを呟いて。
(眼:赤  性別:男
 ※1d10各項目ごとで値が大きいほうを優勢として採用)

テルプ・シコラ  1btg

どんな子でもいいよ。元気に、育ってほしいなあ…。 俺っち、小さい時あんまり元気じゃなかったから。
恐らく故郷の空気の悪さと酸素の薄さの所為であった喘息のようなもの。 それを思い出して苦い顔をしている。
すごく、苦しいんだ。子供にはあれ、味わってほしくないなぁ。 ──でも、ノチェが側にいてくれれば、だいじょうぶだな。 こてんと頭を彼女の方へと倒す。

でもなー、それを言うなら、俺っち小さい頃のノチェみたいな女の子がいいな。 あったかい場所で、おいしいごはんをいっぱい食べて ……んで、いっぱい笑顔で過ごすんだよ。
で、一緒に歌おう。いっぱい歌おう。きっと毎日が、楽しいね。 同じように、おなかに手を当てて。ふたりの手が重なる。
(眼:紫  性別:女

アノチェセル 18k0

そ、そっか…。テルプの、故郷、さ、酸素、薄かったもんね…。
…わ、私もね、こ、子供には、ひもじい思いも、苦しい思いも、さ、させたくない…。 …だ、だから、ね、頑張るよ…。 いっぱい、笑えるように、歌えるように…。

ふと、何か思いついて。
…も、もしかしたら、双子が、できたりして…ね? そ、そしたら、寂しくないね。ひとりじゃ、ないんだもの…。 わ、私ね、双子で本当に、よかったって、思ってるから…。 重ねられた手に、祈りに、想いに。 おなかのなかで、命が芽吹いたような、そんな気がした。
(偶数:双子 奇数:双子でない 

テルプ・シコラ  1btg

ふたごかぁ… それは、いいな。 ノチェとアルバを見てると、本当に……素敵だなって、思うよ。

でもさ、ふたごでも、ふたごじゃなくても…、兄弟いっぱいがいいよね。 少なくとも3人……いや、4人……、できるなら、もっと……。 ふふ、何重奏になるだろう。 そんな話をしているだけで心が弾む。

あぁ、んじゃあ、俺っちもっと頑張らないと。仕事も、だけど。 アノチェセルの頬に唇を、寄せて。 ちょんちょんと、啄むようなキスは、すぐに本気のキスへと。 ほら、ね、もっと……。がんばらないと。

アノチェセルの身体を倒そうと、軽く体重をかける、が、 すぐに逃げられる程度の。ダメと言われたらすぐに退く程度の。

アノチェセル 18k0

え?…ん…、あ、まって…、まっ…んぅ!
深いキスでまた始まってしまうのを 流石にこれ以上はと、言葉を紡いで訴える。 だ、だめ…!ご、ごはん、本当に作れなくなっちゃう…! …ご、ごはんちゃんと、食べたら…いい、から…。

何とか押し留めて。 でも欲しいのは…望んでいるのは、同じ。
そ、そしたら…す、すきにして…。 が…が…がんばる…から…。
明日は立てなくなるかもしれない、何て事を思って。 それでも彼とのこの時間は、大切だから。 彼女はまた精一杯応えて、受け入れて、求めるだろう。

テルプ・シコラ  1btg

んー、……はい。
名残惜しそうに離れると、台所に向かう彼女にとことこと付いてくる。

何か、手伝うことあれば、言ってよね?
家族が増えて、忙しくなったら、俺っちも食事くらいは何とか出来ないと…。
どんどん香辛料を入れたがる彼の料理は、明らかに子供向けでは無い。 ちょろちょろと、周りを動いて何か出来ることを探している。(やや邪魔だ!)

アノチェセル 18k0

彼が解放してくれると立ち上がって。 いたるところ、ずらされた衣類をなんとか見られる程度に整えた。 乱れた髪は一度解いてポニーテールにすると台所へ。 腕をまくって今ある材料から晩御飯を考える。

うん…!あ、ありがとう…! じゃあ…サラダ、いい? あ、あそこの籠にある、お、お野菜、使っていいから。
えへへ…。て、テルプが、そういってくれるの、嬉しい。 …つ、作ってる間に、こども、見てもらうだけでも、全然いいよ?
それは孤児院で小さい子を見て来た経験からきているのか。 いつも、食事の用意をしている間は、アルバが小さい子の面倒をみていたと、話す。

そうこう話している間に、彼女の手は休みなくテキパキと。 香辛料を漬け込んで保存された肉を取り出すと一口大に切って。 いくつかの野菜と一緒に炒めると、瓶づめトマトを加えた。 簡単なトマト煮込みらしい。 もう片方のコンロでは同時進行でスープが作られる。 固めのパンを用意して。メインと、サラダとスープをテーブルに全て並べた。 なんだかんだで、簡単とはいいながらもちゃんとしたご飯ができあがっていく。

…お、おまたせ…!できたよ…!

テルプ・シコラ  1btg

……はぁ……。
手際よく仕上がっていく夕食を口を開けて眺めている。
いや、でもさ? ノチェが体調崩す時もあるだろうしさ。 ……教えてよ。今日は無理だけど、また、今度。 とーちゃんのつくったごはん、とか、きっと子どもたち、喜ぶんじゃないかなぁ。 まだ見ぬ子どもたち(複数形だ!)の笑顔を想像して にんまりしながら。 野菜をちぎって盛り付けるだけのサラダが完成した!

う…わぁ、おいしそう! い、いただきます! ぱしんと手を合わせて。

アノチェセル 18k0

父親の作ったごはん、と聞いて
…あ…。た、確かに、そうかも…! だ、だってね、わ、私おじさんの作ったビーフシチュー、だ、大好物なんだよ! つ、作ってもらえると、す、すごく嬉しかったの…。
そ、そっか…そうだよね!わかった、じゃあ、こ、今度教えるね! えへへ…嬉しいな…あ、ありがとう…。

食事の準備を終えると席について。「いただきます」の形を、夫に合わせた。

ど、どうぞ…!い、いただきます…! 彼が最初に口に運ぶ瞬間を、じっと見つめる。 いつも、おいしく出来たかなと気になってしまうのだ。 付き合う前からそうだったように思う。 今日は、簡単だったからなおさら気になっているかもしれない。

テルプ・シコラ  1btg

待ちきれないという様子で、まずはスープをひとくち。 あちち、と小さくつぶやいて、次は少し慎重に息を吹きかけつつひとくち。
んーーー!

そのままメインの肉に手を伸ばし、もぐもぐと口を動かしながらパンをちぎって、 幸せそうに、にこにこしながら頬張っている。

アノチェセルの視線に気づくとにっこりと

ね、ねね。すっげーおいしいよ! ノチェもほら、はやく、冷めちゃうよ? そう言ってる間も、手は忙しく食事を口に運ぶ準備を。 ちぎっただけのサラダも食べてみて。 うん。なかなかうまくできたんじゃないかな。と満足そうに頷いている。

アノチェセル 18k0

美味しそうに食べている様子をみてほっとしている。 自分も手を付けようとスプーンをもつが、ずっと見ていたいのかそのまま微笑んで眺めて。 視線に気づいたテルプの呼びかけでようやく自分も食事に手を付けた。

…うん、よかった、急ごしらえだったけど…。 ちゃんと、おいしい…。
て、テルプ、サラダも美味しいよ…! 満足そうに頷く様子に彼女も頷いた。

ま、毎日のことなのに、て、テルプが美味しそうに食べてくれるの、幸せ…。 わたし、ね、こうやって、一つの時間を、は、はんぶんこしてるの、すごく、好きなんだ…。 …これからずっと、同じご飯を食べて、生きていく、って感じがして…。えへへ。 あ、慌てると喉詰まらせちゃうから、ゆ、ゆっくり食べてね…!

テルプ・シコラ  1btg

ずっとおなじごはんを食べて、同じ空気を吸ってたら… そのうち俺たち、おんなじもので作られてるって事にならない?
それは面白いなぁ、と、自分の手とアノチェを見比べながら笑った。

アノチェセル 18k0

うん…。 い、今はね、そ、それぞれが生きてきた時間のほうが、長いけど…。 で、でも、ずっと…ふ、二人で生きてきた時間のほうが長くなったら…きっと、そうなるんじゃないかなって…。 そ、そう考えたら、や、やっぱり、美味しいもの、た、食べてほしい…よね…! えへへと笑って。

ときどきテルプの顔を見ては微笑んで。 やがて空になった皿の前で「ごちそうさま」をすると食休みも程々に片付け始めた。

テルプ・シコラ  1btg

食器は、流しへと運ぶだけ運んで。 流水音を立てる彼女の後ろから腕を回す。

……じゃま?

アノチェセル 18k0

流しで作業をしていると、ふわり、回される腕。
じゃまじゃ、ない、よ? …ここち、いい…。

とくとくと、背中越しに鼓動音が聞こえる。 それが気持ちいい。 彼女はそう思いながら、頬を染めて、手は休まずに洗い物を続けた。

テルプ・シコラ  1btg

時折、いつもと違う風にまとめられた髪に唇を落としつつ、 洗い終わったお皿が並ぶと、「これだっけ?」とふきんを手にして。
のーちぇ。ね、ね。これどこだっけ? 拭き方の甘いお皿を手に、しまうところを探している。

はやく片付けてしまいたくて、動かせない両手の代わりに、頭をぐりぐりとアノチェに押し付けて。

アノチェセル 18k0

耳元にかかる吐息に時折びくりとしながらも洗い終えて。
え、えっとね、そのお皿は…あっちの棚で…。 で、このボウルは…く、くすぐったいよ…テルプ…。 手伝ってくれるテルプに指示を出しながらも、ぐりぐりと頭を押し付けられる感触にくすぐったそうに笑う。 じゃれあっているみたいだ。
…か、片付いたよ! えへへ、て、手伝ってくれてありがとう、テルプ! じゃあ、おふろ…わか…し…て…。

「…ご、ごはんちゃんと、食べたら…いい、から…」
「すきにして」

あ…。 自分が言った言葉を思い出して。顔を赤くする。
えと…えと…えっと…。
……はい、す、すきにして…いいよ…。 もじもじと恥ずかしそうに目を逸らして。 まな板の上のコイ状態で彼からの反応を待つ。

テルプ・シコラ  1btg

んー、じゃあ…、お風呂沸くまで、いちゃいちゃして…、 その後、一緒にお風呂はいって、いちゃいちゃして、 ……そのまま、朝まで、…いちゃいちゃするってのはどう?
後ろから抱きかかえて、アノチェの両足を自分の足に乗せて よちよちとペンギンの様に歩いて風呂場へと向かう。

アノチェセル 18k0

うん…。いいよ…。 ひゃっ!え?な、なに?
抱えられてテルプの足の上に乗せられる。 そのまま歩かされてなんだか変な感覚だ。

て、テルプ、これで移動するの? …もう…あっ…! 抱えている彼の手が時折弱いところを触っている。 …わざとだろうか。 浴槽にお湯が張られる間、ずっとそんな調子で。 準備が整う頃には目が熱を帯びて潤んで。

て、テルプ…。沸いた…から…。 ぬ、脱ぐから…。は、離し…んっ!
手が滑り込んでいるのがわかる。 為すがままに脱がされて 思わず手で大事なところを覆ってしまった。

テルプ・シコラ  1btg

手早く自分も服を脱ぐと、髪を解くことも忘れてそのまま先程の様に後ろから抱きしめて。 密着する肌に、伝わる鼓動と、熱とに、 我慢できぬ想いが伝わってしまうだろう。

浴室に入ると、ふたりくっついたままでかかり湯を。

寒くない?
泡立てた石鹸で彼女の全身を、洗うような、悪戯するような。 細くて少し節の目立つ両手が行き来する。

アノチェセル 18k0

ドキドキと激しい鼓動がとまらない。 肌が密着すると、いつも今までの事を思い出してしまって。じわり、熱くなる。

だ、大丈夫…あったかいよ…。 ね、テルプ、髪、洗ってあげ…ひゃっ! 泡を纏った彼の手がぬるりと縦横無尽に滑っていく。

わ、わたし、自分で、あら、える…あ!まって!そこ、だめ…!
敏感で弱いところまでイタズラされているようで。
て、テルプ…あ、あ、あた…って…
ふるふると震えて、もう洗われてるのか弄られてるのか、彼女にはわからなかった。

テルプ・シコラ  1btg

髪は、明日でいいよ…。
今でこそ毎日綺麗にしている(してもらってる)が、 恐らく昔のようにしばらく放っておいても平気な顔をしているのではないだろうか。
ね、ほら、それより。ね。

はむはむと、耳を噛みながら、もう洗う目的を忘れた指。 用を成さなくなった石鹸を洗い流しても、まだ滑りの良い太ももや足の付け根を撫でるように。 震える白い背中と首筋への悪戯に、唇と舌も加わって。
ね、ちょっとだけここで、いーでしょ?
後ろから押し付けられるものは、彼女の身体が開かれるのを待っている。

アノチェセル 18k0

小刻みに、彼女の口から熱の篭った音色が零れる。

は…うぅ…んぅ! す、すき…して…。

たどたどしく言葉足らずにこぼれた台詞は ともすると自分から求めているように聞こえる。 振り返って見つめる瞳は情欲に染まっていて。 撫でる彼の手にそっと自分の手を重ねた

濡れた身体は、明らかに一部だけ、質を変えて…。

テルプ・シコラ  1btg

んじゃ、……ね、好きに、しちゃうよ?
そのままゆっくりと身体を前に進めると、深く、ふかく繋がって。

一晩たっぷり時間を貰った時、テルプの愛撫はひどく緩やかなものになる。 この幸福な時間を少しでも長く、共に味わっていたいと。 動かぬままで、後ろからキスを。 肌を指が這う度に、ぎゅうと抱きしめられる感覚に震えながら ……のぼせてしまいそうになるまで、こうやって、 もどかしい時間を楽しんでいるだろう。

アノチェセル 18k0

あ……っ!!
楔を後ろから打たれて、声にならない吐息が押し出された。 いつもと違う角度で、奥まで。キスをするように。 すがるものが欲しくて、壁に手をついて。 見えない顔を確かめるように振り向けばくちづけで出迎えられた。

彼は繋がってから大きな動きはせずに、もどかしい動きを繰り返していた。 それなのに物言わぬ内壁は常に蠢いて。 愛撫が肌を刺激する度に、無意識に、求めるように揺らめかせて。


も…だ、め…。
蒸気と、情熱でとろけそうになる。 がくりと力が抜けて、アノチェセルは座り込んでしまった。 楔が抜けた一箇所からは先程の名残と…たくさんの…。

彼がアノチェセルを横抱きにして、浴室を後にする。 流れる雫を拭き取ることもそこそこにベッドへと向かって。 そっと彼女は横たえられた。


てるぷ…。 おね、がい…。…して…。 種を、蒔いて。

 18k0

ゆっくりとお互いを慈しむように。 やがて彼女の身体が開かれて、彼の迸るような熱が差し込まれた。

何度も角度を変えて。アプローチを変えて。 確実に、芽吹かせられるように、種は蒔かれた。 彼女の、宮に、注ぎこむように。 同時に一滴残らず飲み込もうと、中は蠢いて、身体は大きく震えて。
白く、弾ける。

イラスト:かげつき

アノチェセル 18k0

…あい、してる、テル、プ…。すき…。だいすき、だよ。
激しい呼吸の間を縫うように。彼女はいつも、最後にはこの言葉を紡ぐ。 紡ぐ度に、胸の奥が愛おしさでいっぱいになるから…。
あ、貴方を…こんなに、あ、愛せて…わ、私、幸せ…。 響くように、同じ答えが返ってきて。


…テルプ…、もう、少し、だけ…。こ、このまま…。
幸せを噛みしめるように何度も口付けを。 彼女の細い指はゆるりと彼の肌を撫でて。 お互いに、火は、消えていない。 まだまだ、きっと、夜は終わらない。
朝まで、ずっと…二人で…。


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アノチェセル 18k0

紫の瞳がゆっくりと開かれる。 カーテンの隙間から差し込む光はまだ弱い。夜明け前といったところか。 そっと起き上がる。
は、う…。

彼女の白い肌は至る所に彼の証である赤い花が咲いている。 まるで花畑のようだ。 これほど激しく、一晩中求め合ったのは、結婚式の初夜以来ではないだろうか。 体中がだるくて重くても、彼女は不快に思わなかった。 そっと、お腹をなでて。
おなか…たぷたぷ…だ…。

アノチェセル 18k0

満たし尽くされた内側に嬉しそうに微笑む。 隣をみやれば疲労の色を浮かべながらも幸せそうに眠るテルプ。 その褐色の肌にも、同じように花が咲いていた。 いつの間に自分がつけたのだろうかと、顔を赤らめて。 そっと、その髪に触れる。

…すき。…あいしてる…。

吟遊詩人という職業に就いているのに、この言葉以上の言葉がいつも見つからない。 本当は、その言の葉以上の思いを、いつも抱えているのに。
…て、テルプ…。 …わ、私にとっての、星はね、貴方…だよ…。 だいすき。私の、一番星。

「ん…」
と身動ぎひとつ。聞こえたのだろうか。聞こえなくても、構わない。 そう、思っていることに、変わりはない。 夫の額に、まぶたに、頬に。そして最後に唇に、キスを落として もう少しだけ、このままでいようと、彼女はまた眠りについた。


彼女のお腹に、星が宿ったのだとわかるのは、もう少し後の話。

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