天野の遠き友

第一期:冒険のはじまり

samplejpg

それは世界と時間を遥か超えても。

天野 輝樹  1btg

いずるみに、移動してみた。

イズルミ、それは東洋的な文化を持つイズレーン地方の中心都市。 和食を愛する……むしろ洋食の苦手な天野にとって、天国の様な町だ。 こうやって、各地に拠点を移し、様々な地方のダンジョンを攻略していく。

天野 輝樹  1btg

いずるみ。ずっと気になっておったのだ。

テルプ・シコラ  1btg

遊びに行ってきていいよーw

天野 輝樹  1btg

否、荷解きなどやるべき事がたくさん残っておるだろう。
何を言っているのだ。

テルプ・シコラ  1btg

(((.-.)(:I )(゚‐゚)( I:)(.-.)(:I )(゚‐゚)( I:)  エー


-------------

プレーン 19vf

おーっす!ジョブチェンジャーズのプレーンだ!(ドアを勢い良くバーン)
後片付けとか終わったか?引越し祝いの飯持ってきたぜ!
(<ほんわか五目炊き込みごはん>をテーブルに乗せて蓋をあける。)

あたしの好きなイズルミ飯なんだけど、どうよ。 ああ、テルプが持ってきた米使ってるんだぜ。あたしたちも食べたけどここの米は最高だな。 天野は米料理が好きなのか?イズルミ出身みたいな見た目の奴って、米とか味噌とかに異様に執着するよな。故郷への愛着って言ったらまあ分からなくもねーけどさ。
赤坂、ひょろひょろしてるけどちゃんと食ってんの?山盛りでいけよ!

そんじゃ、あたしはイズルミの新しい料理覚えて、そんで特産品の酒買って帰るぜ!またな!

テルプ・シコラ  1btg

おー、そーだった。こないだジョブチェンとこに、お土産持って行ったんだった。 なんか、米が美味しそうになって戻ってきた! いーにおい! ギザ歯のねーさんありがとー♪

天野 輝樹  1btg

お…おお…。

テルプ・シコラ  1btg

天野っち、よだれ。

天野 輝樹  1btg

お…おお…。

赤坂 天矢  1btg

天野さん、あいさつ。

天野 輝樹  1btg

おお、…応。
これは、これは、大変な、物を。

テルプ・シコラ  1btg

……だめだ。炊き込みごはんから視線が離れない。

赤坂 天矢  1btg

すみません、プレーンさん、ありがとうございます。 先日いただいたキッシュも、とてもおいしく、みんなで、いただきました。 この人(天野)は改めて…ごあいさつに向かわせますので…。すみません。
温かいうちに、いただきますね。ありがとうございます。

しっかりと、しっかりと手を合わせて炊き込みごはんを食べる天野。

これ以降、しょっちゅう冒険にプレーンさんを連れて行く天野であった。 確実にキャンプ飯が目的だ。

イラスト:ジョブチェンジャーズ さま


-------------

天野 輝樹  1btg

てるぷ殿、最近よく出掛けるようだな。
友人が多いのは良い事である。 皆に宜しく頼む。

テルプ・シコラ  1btg

OK♪ 任せといてー♪
賭博場の皆に、よろしく言っておくよー。

赤坂 天矢  1btg

……と、賭博?

テルプ・シコラ  1btg

天野 輝樹  1btg

……賭博、…賭博だと?
君は、一体何をやっているのだ。冒険者の本分とは即ち…

テルプ・シコラ  1btg

い、いってきます!!! (隠密)

天野 輝樹  1btg

てるぷ殿。
…戻ったら少し話をしよう。 (威圧)

それでも、テルプにとって息抜きは必要なのだ。 それを分かっているのか、天野もテルプには非常に甘い。
「あまり縛り付けては、歌が曇ってしまうような気がしてな。
 ……己(おれ)は、彼の歌が、好きなのだ。」


-------------

ビリー 1cmb

よう、いるか・・・?
(ドアをゆっくりと開けながら辺りを見回す)
拠点をイズルミに移したから挨拶代わりに来て見た。

赤坂 天矢  1btg

あ、ビリーさん…! ようこそいらっしゃいませ。 ビリーさんとこも今イズルミなんです?  イズルミねぇ。いいところですよ、水もいいし。
あ、よろしければ座ってください。珈琲入れましょう。珈琲。
うきうきとした様子で、拠点の中へと促して

ビリー 1cmb

他とは随分違った街の雰囲気だな。
こういうのは初めてだ。
(招かれるままに椅子へ腰掛け)
・・・ああ、すまない。そんなに気を使わなくても良いぞ?

赤坂 天矢  1btg

いえ、是非、是非。飲んでください。 ここ(自クラン)で淹れるのが、慣れてるし、道具もそろってますし、 一番美味しい状態で飲んでいただけるかと。(何だか早口だ!) 僕の好みでお入れしちゃいますよ。
(準備は手早く、お湯を注ぐのはゆっくり、ゆっくりと)

面白いですよねぇイズレーン。食べ物も、変わってますけど美味しいですよ。 あ、チェイネルさんのお弁当のレパートリーが、増えそうですね。

ビリー 1cmb

(赤坂の手つきをまじまじと見つめ)
へぇ、手馴れているな。

ああ・・・和食、だっけか?魚料理が充実しているな。
その辺のレパートリーが増えてうれしいとは言ってたか。

赤坂 天矢  1btg

前から珈琲自体は好きだったんですけど、 それでも、最近ですよ。自分で淹れはじめたのは。 ……言ったことありましたっけ。 僕、家飛び出して、そのまま一人暮らしをはじめて。 ひとりで何でも自由に、出来るようになって。 好きなこととことん突き詰められれば、楽しいかなって。 それで……ついつい、のめり込んでしまって。 ──奥深くて、果てがなくて、 ……こうやって、珈琲入れてる時間は、心おだやかでいられる気がします。

はい、どうぞ。
ブラックでいいんです?

ビリー 1cmb

珈琲の香りを楽しみながら、赤坂の話に耳をかたむける。
ああ、ブラックで頼む。
・・・俺もよく自分で、淹れるんだが、 娘が俺のコーヒーに口をつけて、見たことのない表情を引き出してしまった。 ブラックは、ダメらしい。
他愛もない話を。

赤坂 天矢  1btg

そうそう、チェイネルさんから、珈琲お好きだって聞いてて、 これは絶対飲んでいただかないとって思って!
ぱぁっとテンションが上がって、嬉しそうににこにこしながら 今回の豆のブレンドについて語ったりしている。

ああ、娘さん……おいくつでしたっけね。
兄であるヴァンくんの見た目を思い出して……
そりゃあまだまだ早いですよねぇブラックは。
僕だって飲めるようになったの、結構最近ですしね……。

赤坂 天矢  1btg

彼の前では、何故か素直に話が出来る気がしている。 それは珈琲好きなトコ、白っぽい髪、など、親近感を覚えるところが多いとか… 大きな身体とか、誰かを護れる力とか……憧れるところが多いところ、とか… 原因は色々あるのだろうけれど、一番の理由は。

赤坂 天矢  1btg

──僕は、役に立っているのかな。

赤坂 天矢  1btg

そんな風に、冒険の度に口をついて出る自問自答に。

ビリー 1cmb

いつも、よくやってくれている。
・・・感謝している。

赤坂 天矢  1btg

その、控えめな低い声に。

……ここに居るのが、許されているような気がしていたから。

このゲームは、冒険の時に話すセリフをかなり細かく設定できまして。例えば「冒険に出かけた時」「終わった時」は勿論、「状態異常攻撃をくらったとき」「回復してもらった時」「鍵開けを失敗した時」などなど、好きな時に好きな表情でうちのこよそのこが喋りまくる冒険! と、それだけで心躍る感じなのですが、加えて「台詞リンクシステム」という素晴らしいものがあったのです。「冒険終了した時に口にする赤坂のセリフA」にリンクさせて「ビリーがこのセリフを発言する」という設定が可能。つまり会話が! 会話が発生するのです……! ありがとうございます…。 ……話が脱線しましたが、上のセリフは「冒険が終わった時にこぼす赤坂の愚痴」に対してビリーさんがかけてくださった、ログには残らない会話を元にしております。


-------------

テルプ・シコラ  1btg

♪ 嗚呼 強く 猛く 高く そびえよ 山のごとく ♪
♪ 大地より 生まれし 巌の力 その勇姿よ ♪

赤坂 天矢  1btg

……何の歌です?

テルプ・シコラ  1btg

んー、知り合いにね。かっこいーにーさんが居るんだよ。 クラン「ウォールライフ」の……カキツバタっていう。ふたりは…一緒に冒険とか行ったことあったっけ? どうだっけ。
その人は、仲間を守るためにいつでも一番前に立って、すべての攻撃を受け止めるんだ。 痛みも、全部引き受けて、愚直に、立っている。その勇姿を称えた歌なのさ。

赤坂 天矢  1btg

 その説明を聞いて僕は天野さんの方にちらりと、目をやる。
 戦う姿が、似ているな、と。思った。

テルプ・シコラ  1btg

彼にはさ。たくさんの「仲間」と呼ぶ人が居て。
だから、一人じゃないんだなぁって、思うんだ。
彼が立っていられるのは、そのおかげなんだろうなって。

──天野っちは、だいじょぶ? 立ってられる?

赤坂 天矢  1btg

そう、テルプさんも、歌の彼と天野さんとをどこかで重ねて見ていたようで。 その言葉に、何か読み物をしていたらしい天野さんが顔を上げる。

天野 輝樹  1btg

為すべき事を成す。それだけだ。

赤坂 天矢  1btg

 そっけない返事にテルプさんは肩をすくめ、
 それならいいけど、とリュートをいじりはじめ。

 僕は何となく居心地が悪いまま珈琲を手にしていたのだけれど。

天野 輝樹  1btg

……昔話でもしようか。

 本に目を落としたまま、ぽつりと、天野さんが口にして。
 少し長い、話が、はじまった。

天野 輝樹  1btg

己(おれ)は以前、此処ではない何処か異世界で。やはり今の様に戦いに明け暮れていた。 為すべき事を成すために。様々なものを、……人の命も、尊厳も、多くを犠牲にしてきたものだった。 人らしい心も忘れ、全てを捨てて、それでも尚、……届かぬものだ。
英雄と呼ばれる程の存在は、天に選ばれた者なのだろうな。 そういう輝きを生まれ持った者の、天賦の才を、──己(おれ)との差を。随分と思い知らされた。

成せぬのならば。……己(おれ)だけでは無い、己(おれ)の犠牲としてきたものの意味もまた水泡に帰す。 無力を感じていた…な…。空へと高く手を伸ばし、それが何時迄も届かぬような。
そんな時に。ひとりの、──友人と、出会った。

彼こそ、生き残るべき者。
襲い来る滅びに負けぬ。絶望を、生きる糧と出来る者だった。

天野 輝樹  1btg

その、生まれた意味を持った彼が。おれを友人と呼んでくれた。 己(おれ)の小さき力でも、英雄に届かぬこんな腕でも、彼らの力に成れるのだと。

……嬉しかったな。
為すべき事、という枷を取り払った自分が其処に居て、 そこに絡んだしがらみもすべて、赦された様な、そんな気分だった。 己(おれ)にとっては、彼は、世界以上の価値を持つものだったのだよ。

天野 輝樹  1btg

それでも、己(おれ)は。──彼を裏切った。 己(おれ)の世界と、其れを存続させる事を。為すべき事を。選んだのだ。
彼は、其の事を知らぬ。再会の約束をして。叶わぬ約束をして。 彼の世界と繋がらぬ空の下で、己(おれ)はまた、彼が悲しむ事ばかり繰り返している。

だが例え、彼が己(おれ)を見限ろうが、責めようが、罵ろうが。

天野 輝樹  1btg

己(おれ)はあの日、あの瞬間に、おれがおれで在った瞬間を、忘れたりはしない。 あの瞬間の、あの言葉が、己(おれ)を何処までも進ませる。何処までも往けるのだ。 世界が我らを隔て、幾千年の時を超えようが変わりはしない。 己(おれ)は未来永劫、輪廻の先まで、戦い続けられるだろうよ。

そう、何処までも共に在り何処までも往ける。己(おれ)は宇宙へと。手を伸ばすぞ。

赤坂 天矢  1btg

 ふと天野さんは、とても遠くを見た。
 それがどのくらいの距離なのか僕には測りかねたけれど。

 ──その、昔話の中の彼は、天野さんを思い出して空を見たりするのだろうか。僕が想像できる範囲の、遥か、遠くへと想いを馳せる。僕の知らないその人の事を。

天野 輝樹  1btg

……そういう訳であるが。

君の質問の答えに、なっているだろうか。 てるぷ殿。

テルプ・シコラ  1btg

(天野の物語に合わせて爪弾いていた演奏を中断し)

……貴方の歌は、とてもさみしいね。

天野 輝樹  1btg

そうか。…そうだな。

──話が長くなった。君たちもそろそろ休み給え。
……おやすみ。
席を立ち、自室へと戻っていく。

テルプ・シコラ  1btg

天野の後ろ姿に軽く手を振る。
ああいう、歌は、好きじゃない。けれど。
ポロン、ポロンと、何となくリュートを弄びながら


……孤独ってのは、不幸じゃないんだね。って。
何となく俺っちは、そう思ったね。

赤坂 天矢  1btg

──だけど、何だか、やっぱり勝手ですよ。それって。自分だけ、満足して。 その、友人の気持ちはどうなるんですか。 何も、出来ない、遠くで。…それって。それこそ、無意味じゃないですか。

テルプ・シコラ  1btg

…俺っちは。 とっくに死んだ星の光が時間を超えて届くのを、無意味だとは、思わないよ。
そこに存在しないものが続くことを。 ────無意味だとは。
綺麗な、静かな曲が生まれて、そのまま虚空へと消えていく。

赤坂 天矢  1btg

────。
僕には、良く、分かりません…。

熱を失い冷たくなってしまった珈琲を、僕は苦い顔で飲み干した。


-------------


中央のテーブルの上に、綺麗に花が活けてある。
色とりどりの華やかな。良い香りが部屋いっぱいに溢れていた。

赤坂 天矢  1btg

どうしたんですか? この花は。

天野 輝樹  1btg

…己(おれ)が、……咲かせた…というか。
うむ。魔法、の様なものだと思ってくれれば良い。

テルプ・シコラ  1btg

へー。
意外な特技があんだねぇ。でも、何で急に?

天野 輝樹  1btg

…先日、の、頂いた花が。
皆、喜んでいるようだったから。

テルプ・シコラ  1btg

そういえば、俺っち、紅茶の葉っぱもらったんだよー♪
一緒に、飲もうか。

赤坂 天矢  1btg

…最近の僕らは、何となく一緒に食事を取るようになっている。
花を、囲みながら。

花と紅茶のやわらかな香りが、僕らを優しく包んでいた。

テルプ・シコラ  1btg

夕食後に、最近覚えたカードゲームを3人で遊んでみた。 賭博場へ出入りしている、と聞いて顔をしかめていた天野っちも、 皆で楽しく遊んでいる旨を説明すると、しぶしぶだけど、納得してくれたっぽい。 飲み物を飲みながらとりとめのない話をして。 ん。俺っちは楽しいのが、好き。こんな夜には歌わないと。 美しい夜がもっともっと続きますようにと。

優しい音楽がゆったりと響く。
街の眠りを妨げぬように、静かで、だけど淋しさを感じさせない…。
子守唄のようにあたたかな曲。